2020年8月26日(木) 総務委員会
青字は答弁
テーマ [山村都市交流拠点施設基本構想について]

☆山村都市交流拠点施設基本構想について
【1回目質疑】
 「水と森林の恩恵を絆とした上下流交流の推進並びに東三河地域外からの人の流れの創出による設楽町及び東三河地域全体の地域振興への寄与」が施設設置の目的であるとのことです。
 そして、コンセプトを「楽しみながら交流し、「水」と「森林」の大切さや魅力を知ってもらう」と定めています。そこでまず、コンセプトをこのように定めた考え方について伺います。

【答弁要旨】
 本施設において、上下流交流を通じて「水」・「森林」の大切さを知ってもらうことは極めて重要と考えています。加えて、施設の持続的な運営には、「水」・「森林」の魅力を活用してより広域から人を呼びこむことも重要と考えており、これらの考えからコンセプトを定めました。

【2回目質疑】
 広域から人を呼び込むことも重要と考え、コンセプトを定めたとのことでした。
 設楽ダムは、利水、治水に、流量確保などの河川環境改善も目的に加えた多目的ダムであります。であるからこそ、この山村都市交流拠点施設において、水と森林の大切さや魅力を知ってもらうことは、設楽町をはじめとする広い森林を有する上流域の重要性を、下流域の住民に知ってもらうことになるわけであり、大切なことであると考えます。
 一方、近年は異常気象に起因する大規模気象災害が増加する傾向にあります。そしてその大元には大気中のCO2などの温室効果ガスの濃度上昇による地球温暖化があると言われています。治水も目的の一つとする設楽ダムであり、さらに森林は温室効果ガスであるCO2の吸収にも寄与しています。言い換えれば、設楽ダムはCO2の増加が大きく影響すると言われる気象災害に対する防災の役割を果たすとともに、周辺の森林はCO2の増加抑制もしてくれているわけです。
 このことも下流域住民にはよく理解してもらい、CO2排出抑制の必要性を感じてもらうということも、新たな施設に期待し得る重要な使命ではないかと考えます。このことを踏まえ、コンセプトについて考え直すべきではないかと考えます。認識を伺います。

【答弁要旨】
 森林が持つ具体的な機能や役割として、委員ご指摘のとおりCO2を吸収すること等があげられます。また、生産される木材については、炭素を長期間貯蔵できるとともに、エネルギーとして利用する際には、化石燃料の代替えとしてCO2の排出抑制に寄与します。
 このような森林とCO2排出抑制の関係性やその必要性を知ってもらうことは、水源保全の意識を高めることを目的の一つとする本施設にとっても重要なことであると考えており、コンセプト「楽しみながら交流し、「水」と「森林」の大切さや魅力を知ってもらう」は、CO2排出抑制についての意識醸成にもつながるものであると認識しています。

【3回目質疑】
 「水」と「森林」の大切さや魅力を知ってもらうことは、CO2排出抑制についての意識醸成にもつながるというお答えでした。そういう風につながる人もあるかもしれませんが、決して多くはないと思われます。今回の資料をキーワード検索したところ、地球温暖化とか、CO2とか、異常気象という言葉は一つも出てきません。CO2排出抑制の意識醸成を意図しているようには見えません。
 今回は、コンセプトの表現を改めるという答弁はいただけませんでしたが、是非検討していただくことを期待します。
 そこでさらに3回目の質疑をします。p.7には施設機能について「3-1-1 水と森林について学ぶ」とあります。これまでの質疑を踏まえると、水と森林とCO2についてもその関係を学ぶ場とすることが大切ではないかと考えます。認識を伺います。

【答弁要旨】
 「水」と「森林」の関係やその大切さに加え、先ほどの答弁のとおり、CO2排出抑制の必要性を知っていただくことも大切であると考えており、今後、基本計画等において「学ぶ」の機能を具体化していく中で、8市町村をはじめ関係者で検討を進めてまいります。

【まとめ】
 基本計画等で「学ぶ」の機能を具体化していく中で検討していただけるということだったので期待します。
  地球温暖化は今間違いなく人類にとって直面する大きな課題です。このことをダムと森林の近くで学ぶことは、人々が深く考えるきっかけをつくることになり得ると思います。この施設で学び、この地域にそういうことを意識して行動する人が増えることになれば、この施設の存在意義は大いに高まると考えます。


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