2020年12月7日(月) 一般質問
青字は答弁
質問テーマ [豊橋市新時代の会ニュースにおける市政の現状認識][本市の財政状態等の現状の認識と市長任期末における目指す状態]
[所信について][第6次総合計画の見直しの考え方]

 自由民主党豊橋市議団を代表して代表質問をさせていただきます。
 まずは、浅井市長の御就任をお祝い申し上げます。おめでとうございます。 さて、現在の本市を取り巻く環境は、人口減少、少子高齢化、気候変動に伴う気象の激甚化、今はこれらに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大や外出自粛などによる経済停滞など、厳しい状態にあります。
 一方では、Society5.0に代表される大きな技術革新や地方での暮らしが見直される機運の盛り上がりなど、好ましい要素もあります。まさに時代の大きな変革期に差しかかっているということであり、難しいかじ取りが求められるところであります。臨機応変の対応が求められることも多くなるとは思いますが、確固とした長期的な目標を定め、持続可能なまちづくりをしっかり進めていただくことを期待いたします。
 私ども自由民主党豊橋市議団としては、二元代表制の一翼を担う議会の一員としてしっかり議論し、その役割を果たしてまいる所存であります。よろしくお願いいたします。
 そこでまず、浅井市長が目指す市政の在り方を確認するため、市長選挙に至るまでの経過の中での主張や所信表明の内容などについて、以下の大きく4点について質問をさせていただきます。

豊橋市新時代の会ニュースにおける市政の現状認識

【1回目質問】
 市長が県議会議員時代に出された豊橋新時代の会ニュース9、10月合併号では、市政に関するいくつかの疑問点が示され、それに対して着物姿の浅井さんが答える形で説明がなされている。その解説には、素直にうなずき難いものがいくつかあるが、中でもどうしても納得できない点があるので質問をさせていただく。
 まず、表紙のページには、「多選はなぜいけないのですか」という質問に対して、その答えとして市長は、「市職員の人事権や各部署の予算配分等を最終的に決定する権限がある」と答えている。地方議会議員を十数年経験してきた方の発言として、大いに疑問がある。
 そこで1.として、「市長は市職員の人事権や各部署の予算配分等を最終的に決定する権限がある」と解説したことの認識について伺う。
 次に、ユニチカ跡地問題について記載したページの「住民側の全面勝利ですが、そんなことがあったんですね」というコメントの下の説明では、高裁は豊橋市に対し、「土地売却代金63億円全額請求は、ユニチカへの影響が極めて大きいと減額し、21億円余をユニチカに請求するよう命じたのです」としている。高裁の判決文の内容とは大いに異なるものと思われる。
 そこで2.として、「高裁は豊橋市に対し、土地売却代金63億円全額請求は、ユニチカへの影響が極めて大きいと減額し21億円余をユニチカに請求するよう命じたのです」と解説したことの認識について伺う。

  1. 「市長は、市職員の人事権や各部署の予算配分等を最終的に決定する権限があるんですよ」と解説したことの認識について
  2. 「高裁は豊橋市に対し、土地売却代金63億円全額請求は『ユニチカへの影響が極めて大きい』と減額し、21億円余をユニチカに請求するよう命じたのです」と解説したことの認識について

【1. 1回目答弁要旨】
 副市長等の人事や市の予算につきましては、地方自治法に基づき議会の議決を得る必要があります。ご質問の記載は、あくまで市役所内部において、人事権や予算配分等を通して行使される市長の裁量や権限が極めて大きいことを御説明したものです。

【1. 2回目質問】
 豊橋新時代の会ニュースの記載は、市役所内部において、人事権や予算配分等での市長の裁量や権限が極めて大きいことを説明したものということだった。
 地方自治法第96条には、予算を定めることは議会の権限であることが明記されている。権限が極めて大きいことと、最終的な決定権限を持つこととは、全く異なる意味を持つはず。市役所内部においてという説明もなかった。
 二元代表制をないがしろにするものであり、市長になろうとする人として極めて不正確であり不適切な情報発信だったと言わざるを得ない。
 市長が発信する情報は、様々な市民が様々な状況の中で受け取ることになる。誤解が広がることにもなりかねない。最も重要なことは情報の正確さであると考える。
 そこで、2回目として伺う。ツイッターを含め、市長としての情報発信の正確さには万全を期すということを、改めて言明していただきたいが、お答えを伺う。

【1. 2回目答弁要旨】
 先ほど申し上げましたが、今回の記載につきましては、豊橋市役所内部における意思決定について申し述べたものです。今後も情報の正確性を期した発言に努めてまいります。

【1, まとめ】
 今後も情報の正確さを期していきたいということだった。この件に関する情報発信が不正確であったことを反省していただけなかったのは残念だが、市長としての情報発信には正確さに万全を期すということを言明していただいたので、今後に期待をし1.については終わる。

【2. 1回目答弁要旨】
 高裁は豊橋市に対し、土地売却代金63億円全額請求は、ユニチカへの影響が極めて大きいと減額し、21億円余をユニチカに請求するよう命じたのですと解説したことへの認識についてです。
 争点となった土地が売却された時点において、ユニチカが本市との契約で敷地のうちで使用する計画を放棄した部分として、売却土地の全部または一部を返還すべき義務を負っていたかについて、一定期間操業を継続したのちに本件各土地での操業を廃止した場合にも本契約を適用することは、ユニチカに極めて大きい影響を与える旨の解釈が判決文で示されていることから、そのように認識をしたものであります。

【2. 2回目質問】
 ユニチカ跡地訴訟の高裁判決について、浅井市長が県議時代に作成したチラシでの解説した内容について、当時の認識を聞かせていただいた。
 今、市長となって詳しい情報を入手できる立場となった訳だが、今、答弁していただいた、当時の認識に問題はなかったのかどうか、2回目として確認をさせていただく。

【2. 2回目答弁要旨】
 先ほど1回目の答弁のとおりでして、高裁が判決文に基づいて認識したもので、私は問題ないと考えています。

【2. 3回目質問】
 もし、市長の説明のとおりであれば、裁判所が21億円ならユニチカさんへの影響が大きすぎることはない、63億円では大きな影響があるとおっしゃったわけだ。そういうことであれば、21億円ならユニチカさんへの影響が大きすぎることがなかったという判断であろうと思うが、裁判所はただ適当に21億円にしたわけではなく、適当であるとした根拠があるはずだ。裁判所は、ユニチカさんへの影響が大きすぎない額として21億円の算出根拠をどのように説明をしたのか教えていただきたい。

【2. 3回目答弁要旨】
 この問題につきましては、様々な解釈がありますから、住民訴訟の場で争われたということで私は認識をしております。判決が既に確定をして、そしてユニチカから本市への損害賠償金が支払われており、改めてその裁判の過程、そして解釈について各々の意見を議論をするということは私はあまり建設的なことではないと思っております。
 判決では、はっきりしているのはユニチカには1銭も請求できないというように主張してきた市の一環した主張が退けられたという結果となっており、ユニチカから撤退の意向を聞いた段階から市としては示せる情報をきちんと示すということや、そして、市民や議会やそしてユニチカも含めた皆さんが納得できる解決方法がなかったのかということを私は大変残念だなと思っております。
 いずれにしましても、今我々がすべきことは、一連の過程で一連の経過を可能な限りオープンにしていくこと、そしてユニチカから支払われた26億円の使途について、議員の皆様ともしっかりと協議をしながら、どうやって使っていくのか、それが最も豊橋市にとっていいことなのかということをしっかりと議論をして決めて、そして今後、進んでいくことであろうと私はそう思っています。

【2. 4回目質問】
 いろいろ説明をしていただいたが、私の質問に対しては全く答えていただいていない。裁判では、21億円を豊橋市はユニチカさんに請求すべきという判決が出ている。判決には必ず説明があるはずだ。21億円の額が決定したのは、63億円はユニチカさんにとって影響が大きすぎるから21億円にしたという趣旨の説明がチラシに記載されており、だとするならば裁判所が21億円にした、それがユニチカさんへの影響が過大ではないと判断した根拠、これがどこにあるかということを伺っている。今、お答えいただけなかったので、もう一度お聞きする。

【2. 4回目答弁要旨】
 まず、私の考えを申し上げたいと思いますが、土地返還のことですね、まずこの裁判の中で土地返還規定についての豊橋市の主張がいろいろ変わってきています。1審では、豊橋市は最初に返還規定は、一部の土地に関する定めで、土地の全面放棄は想定されていなかった。前面撤退の場合はこの規定の適用はないと主張した。
 次に、契約したときには、稼働状況が定まっていなかった。稼働状況が定まるまでの規程であると主張した。さらにその後、契約後の経緯から返還規定は事実上失効していると主張した。これを追加した。そしてこれらの主張は、1審の裁判所では、否定をされた。
 2審では、当初使用計画が定まっていなかった2万坪余りの土地返還について規定したもので、その後第2工場を建設したことにより未利用の土地がなくなったため、返還すべき土地はないと主張した。こういったことを主張して、裁判所は豊橋市の主張を返還規定は、本件各土地全体を対象としているものと解するのが相当として否定をしたということです。
 しかしながらその一方で、操業開始した部分全てを返還対象とするとユニチカに極めて大きな影響を与えることになるので、この解釈は取り得ないと判断をして、使用する計画を放棄した部分の土地を認定して、一連の判決から金額を減額して、これは緑地とかに使われた部分が63億円のうち21億円に相当するという考えのもとで減額をして、ユニチカに請求することを市に命じたということです。
 ユニチカサイドを通じて一環をしていたのは、豊橋市がユニチカに対して1円たりとも請求できないという豊橋市の主張であります。ですから21億円を導き出したのは、63億円のうち緑地とかで使われた部分を高裁として判断をして、21億円という返還の金額が定まったというように理解しています。

【2. まとめ】
 21億円ならユニチカさんへの影響が過大ではないとした裁判所がもしそういう判断をしたのであれば、その根拠は何だったのかということをお伺いしたが、全くその説明はなかった。
 そもそもこの裁判の大きな争点の第一は、本件売却土地の全部または一部を契約第12条の敷地のうちで使用する計画を放棄した部分として返還すべき義務を負っていたかということだ。判決文では、使用する計画を放棄するとは、「当該土地部分について工場等を建設して創業を開始する前に使用しない旨を表明することを言うものと解することが相当である」としている。一定期間創業を継続した後に、「本件各土地での操業を廃止した場合に適用されることが観念されていたものとは認められない」としている。
 つまり、一定期間創業すれば、そもそも土地を無償提供し、誘致をした目的というのが失業問題の解決だとか、商工業の活性化というところにあったわけで、その目的を達成した部分については、返還の対象とはしないというのが判決文の趣旨であろうというように思う。
 そして、豊橋市に対して撤退をするということを申し出た時点でまだそういったことに使われていない土地、今市長がおっしゃったような緑地等、そういった部分のところが金額にしておおむね21億円相当であるということだ。そういう判決だ。ユニチカさんへの影響が過大であるということを言ったものではない。
 チラシの中でユニチカへの影響が大きいからというようなことを書かれていたが、そこのところ判決文の中をもう少し正確に申し上げる。判決文の中では、補助参加人に極めて大きい影響を与えるということが一部書いてある、確かに。市長は影響を与える旨の解釈が判決文で示されているというような解説をした。ここのところをもう少し前後を言うと、この「補助参加人に極めて大きい影響を与える」の前に何が書いてあるかいうと、「本件、契約12条の解釈として」と書いてある。そして、「大きい影響を与える」の後に続く言葉としては、「影響を与えるような後者の解釈は、取り得ないというべきである」ということで、あくまでも12条の解釈のことについてのみ言っており、金額がユニチカさんへの影響が大きいから減額すべきというような話では全くない。このことについては、そういうことで誠に納得のいく説明は得られなかった。
 市長は、所信の中で信頼という言葉を何度も使っている。今回、私がユニチカの問題について質問するということは、事前に通告をしてあったわけで、職員の皆さんとしっかり打合せができたはずだ。にもかかわらず、このチラシでの解説について問題ないとお答えになった。問題があったのは、今のやり取りの中で明白であろうというように思う。意図して事実をねじ曲げて宣伝したと取られてもおかしくない。選挙結果に大きな影響を及ぼした可能性も考えられる。この状態で信頼をというのは、無理があるということを申し上げたい。信頼される市長であるために、今後、何らかのアクションが必要であろうというように考える。 以上でこの件については終わる。

本市の財政状態等の現状の認識と市長任期末における目指す状態

【1回目】
 平成26年5月23日付の総務大臣通知では、「現金主義会計では見えにくいコストやストックを把握することで、中長期的な財政運営への活用の充実が期待できる」として、財務諸表活用の重要性を訴えている。この通知を受け、本市においては、平成28年度決算から統一的基準による財務諸表の作成が行われている。
 本市財政の持続可能性を判断する重要な指標となる「純資産変動額」や、老朽化が大きな課題となっている折、資産老朽化の目安となる「有形固定資産減価償却率」について、新市長として、意欲的に取り組む姿勢をお示しいただきたい。
 そこで、以下の2点について伺う。

  1. 豊橋市全体会計財務諸表の純資産変動額について
  2. 豊橋市全体会計財務諸表の有形固定資産減価償却率について

【1. 1回目答弁要旨】
 1の本市全体会計財務諸表の純資産変動額と2の同じく有形固定資産減価償却率、それぞれの現状認識と任期末における目指す状態について、まとめてお答えします。
 純資産変動額は、マイナスが続き、正味の資産が減少していますが、現金支出を伴わない減価償却費等を含む費用が、一般会計等の財源では賄い切れていない状況が要因であると認識しています。
 次に有形固定資産減価償却率は、上昇傾向であり施設やインフラ等の老朽化が進んでいます。
 今後、任期末までの4年間で、施設の廃止といった公共施設マネジメントの推進とともに、市税など収入の向上や、施設やインフラ等の補助金の獲得に向け、積極的な働きかけを行い、事業費を確保しつつ一般財源の金額をより抑えながら、長寿命化対策を進めていきたいと考えています。
 将来世代に負担を先延ばししないためにも、純資産の減少や、有形固定資産減価償却率の上昇を抑えていきたいと考えています。

【1. 2回目質問】
 市の経営という面から考えた時、企業で言えば純利益に相当する純資産の変動額や、公共施設等の老朽化の度合いを示す有形固定資産減価償却率は、市にとって大きな経営目標とすべきものと考え、この質問をさせていただいた。残念ながら、今回は明確なお答えをいただくことができなかった。
 組織のトップとして、多分、最もと言っていいと思うが、重要な仕事は、組織の目標を明確にすることだと考える。
 これまでの発言を聞く限り、浅井市長は市の経営者であるという認識を持っておられると思う。経営者として、重要な経営目標であろうと考えて純資産変動額や有形固定資産減価償却率の目標について伺ったが、明確な目標が示されることはなかった。
 そこで、1と2を合わせた2回目として以下の質問をする。
 明確な目標値を示していただけなかった理由としては、今回質問した二つの指標は、重要な経営目標と考えていないということなのか、あるいは、時間がなくてまだ決めていないということなのか、どちらであるのか? まだだとするなら、いつ示していただけるのかについて、認識を伺う。

【1. 2回目答弁要旨】
 まず、重要な指標であるかないか、捉えていないかということですが、これまでも財務諸表を毎年公表しておりますし、その指標に関しての重要性は持っているということで、これからも継続した形で分析、検討してその結果を見た上で、改善点を見いだしてということについては変わりはないと思っているところでございます。
 目標ということを議員は常におっしゃられているわけでして、そのことはマネジメントする上では非常に大切なことかと思っていますが、今総務省のほうで出しております活用の仕方、手引きにおいては、まだまだ活用の視点はいろいろありますよということは述べられていまして、ただあるべき姿ということはまだ実際出ていないのが現状でございます。
 他団体との比較等々の中で、今本市がどういう状態にあるのかということは確認ができてくるわけでございます。これも平成28年度から始めたものですから、3年間分の他団体比較が今現状できているわけですけれども、そういった中で今の状態を踏まえて、今後どういう方向で行くかということについては、先ほど市長がお答えしました将来世代に負担をさせないために純資産の減少、有形固定資産減価償却率の上昇を抑えていくという基本的な方向性を示したものであります。
 ただ、これは私が前にもお伝えしておりますのは、ある程度長期にわたって総合計画で10年後の計画をつくっておりますけれども、その中で財政見通し等も今、一般会計等々、全体会計それから一般会計も示しておりますけれども、その中で資産、負債、それから純資産の状況も併せて示していこうということで検討しておりますので、そういった将来の目安を踏まえる中で、毎年の結果を見ながら改善をしていきたいということを考えているところでございます。

【1. まとめ】
 重要な経営指標であると考えるのであれば、目標を定めるのは当然のことだと思う。それをきちんと職員と共有していく、市民の皆さんにも約束していく、そのことがとても重要だろうと思う。ぜひ、そこのところは重要な経営指標と考えるのであれば、早い段階でお決めいただいてお示しをいただきたい。

所信について

【1回目質問】
 所信表明の冒頭、本市の人口について「今や県下で5番目と、残念ながらかつての存在感が薄まりつつあります」と言われている。さらに続けて「豊橋をどこよりも元気な街、ひと際輝くまちにしたい」とも言われている。素晴らしい意気込みであり、大いに期待する。
 本市のHP上に記載された過去5年の人口推移を見ると、平成28年の△467人が減少のピークであり、その後しだいに減少幅は縮小し、令和元年には126人の増加に転じている。主に、外国人の増加がその要因であり、コロナ禍の影響もあり令和2年には再び減少となっている。
 そこで1.として、市長任期末までに目指す、人口あるいは人口動態の状態について、考えを伺う。
 次に、同じく所信表明の冒頭に、この地域の農業、工業、三河港の高い潜在能力についての言及があった。その後では「このまちが本来持つ力や可能性を最大限に引き出すことで」と続けている。この潜在能力を顕在化させるために、浜松三ケ日・豊橋道路、国道23号バイパスの4車線化、臨港道路、東三河環状線、東名高速道路豊橋インターチェンジ(仮称)へのアクセス道路、など道路インフラの整備は不可欠と考える。
 所信では「港湾や幹線道路などの整備を国や県とも連携しながら積極的に促進していく」と表現している。
 そこで、2.として、浜松三ケ日・豊橋道路などの道路インフラの重要性の認識と国や県との連携のあり方について伺う。
 三つ目として、「元気を生み出す地方新時代」の中で言われたことについて、確認をさせていただく。「新しいイノベーションを生み出す産業の振興」ということについては、市内及び近隣の大学との連携を深めることで、地域発の技術開発や創業を支援する、ということを言われた。
 あまりにも多様な産業を支援するというのは、支援のあり方として非効率になってしまうことが危惧される。効率的な支援であるためには、基軸となるテクノロジーを絞っていく必要があるのではないかと考える。
 また、前段の「地方の時代」の実現のため、ということについては、「多様な人々に選ばれ住みたくなるまち」にしたいということも言われている。多様な人々に選ばれるためには、多様な職種があるということが必要条件になってくるのではないか。
 基軸となるテクノロジーを据え置くこと、多様な職種を育むこと、この二つの条件を満たすものとしては、産業クラスターの形成ということになるのではないかと考える。
 そこで、3.として豊橋あるいは東三河に産業クラスターを形成する必要性の認識について、伺う。
 4点目として、新型コロナウィルス感染症対策について伺う。所信では、感染拡大に対して迅速に対応していくと言われ、感染症対策として、検査体制の充実、療養体制の維持、市民の生活支援、事業者の社会経済活動支援について、市独自の施策を遅滞なく実現するということも言っておられる。
 現在既に、新型コロナ感染拡大の第三波が到来していると言われており、重症患者に対応する医療機関のひっ迫が危惧されるとともに、年末の繁忙期を期待する飲食店をはじめとする商店へのダメージなど、対策は急を要する事態となっている。
 そこで、4.として、新型コロナウィルス感染症対策として行う当面の市独自の施策の内容とスケジュールについて、伺う。

  1. 市長任期末までに目指す、人口あるいは人口動態の状態について
  2. 浜松三ケ日・豊橋道路などの道路インフラの重要性の認識と国や県との連携のあり方について
  3. 豊橋あるいは東三河に産業クラスターを形成する必要性の認識について
  4. 新型コロナウィルス感染症対策として行う当面の市独自の施策の内容とスケジュールについて

【1. 1回目答弁要旨】
 市長任期末までに目指す人口あるいは人口動態の状態についてです。
 国勢調査の結果から、本市の人口は2010年をピークに減少傾向を示し、人口推計においても今後、緩やかではありますが、減少し続けると予測しています。現在の人口構成からも、少子高齢化が進んでいることは明白で、このまま何も手を打たねば、着実に減少し続けてまいります。
 地域経済の発展、高度な都市機能や住民サービスなどを確保するためには、一定の人口規模を維持しなければなりません。そのため、本市の持続可能なまちづくりにおいて、人口減少は、看過することのできない、極めて大きな脅威であります。
 このことは、全国の地方都市共通の課題であると言えます。その一方で、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を契機に、地方都市ならではの仕事や暮らしの魅力が、改めて注目されている、といった実感がございます。現に、2020年5月には、東京都からの転出者数が転入者数を上回る、いわゆる転出超過となり、これまでの首都圏への一極集中型から、地方都市への分散といった、新しい人の流れへと変化の予兆が表れています。
 このため、今後においては、時代の潮流を捉え、新型コロナウイルス感染症対策はもちろんのこと、本市で暮らす魅力を一層高める、スタートアップ支援への取り組みや、子育て世帯にやさしいまちづくり、人づくりなどにしっかりと取り組むことで、この地域だからこそ体感できる暮らしやすさ、働きやすい環境を整備していきます。
 こうした多くの取組みを積み重ね、任期末までには、自然減や社会減といった厳しい状況が改善され、人口減少に歯止めが掛かるよう、全力で取り組んでまいります。

【1. 2回目質問】
 4年後に、人口減少に歯止めをかけることを目標にすると言われた。2015年の国勢調査を基に本市は人口減少しているから、それに歯止めをかけるということだと思うが、先ほど申し上げたように、住民基本台帳ベースでは、本市の人口は回復基調にあり、令和元年度つまり2019年度には増加に転じている。そのことを考えると、4年後に人口減少に歯止めをかける、というのでは目標として低過ぎるのではないのか。
 答弁にあった首都圏一極集中から地方分散への流れをとらえるために、様々な施策を行うのであれば、首都圏からの転入者数を目標値として掲げるということの方が、施策の効果の検証のためには適切な目標設定ではないかと考える。
 そこで、(1)の2回目として、目標を総人口の変化度合いとするのではなく、首都圏からの転入者数など、これから行う施策の成果が目指している値を目標としていくことが適切ではないかと考えるが、認識を伺う。

【1. 2回目答弁要旨】
 過去5年間の本市における人口動態の状況を見ますと、平成30年度までは一貫して減少を示していましたが、令和元年度は微増となりました。この要因は外国人の増加によるものと考えています。
 しかしながら、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受け、令和2年3月以降、外国人人口は減少を続けており、人口動態を大きな流れで捉えると、依然として人口減少の傾向は続いている、と言わざるを得ないと感じております。
 また、先に申し上げました通り、地方都市への分散、といった、新しい人の流れへの予兆が現れており、こうした時勢を捉えた施策を展開することは、まちづくりにおいて、極めて重要であると考えております。
 今後、さまざまな施策を展開し、人口減少への歯止めを目指していく中で、自然動態、社会動態ともに含めた総人口の変化を引き続き捉えるとともに、その実現に向けた戦略や施策の成果をはかる指標のひとつとして、首都圏からの転入者数など、本市への人の流れに関連するものを設定することもまた、必要であると認識しています。

【1, まとめ】
 首都圏からの転入者数など、本市への人の流れに関連するものを設定することもまた、必要である、との認識を示していただいた。是非、市民が目を見張る目標を設定していただくことを期待する。

【2. 1回目答弁要旨】
 道路インフラの重要性の認識と国や県との連携のあり方についてです。
 本市をはじめとする東三河地域は、全国屈指の農業地帯であるとともに、我が国を代表する自動車産業を中心とした産業の集積地であり、世界有数の自動車港湾である三河港を有するなど、非常に潜在能力が高い地域です。
 しかしながら、当地域の幹線道路は、高速道路へのアクセスとして速達性、定時性に大きな課題があり、地域の産業力、生産力を最大限に発揮できていない状況にあります。
 また、南海トラフ地震など、甚大な被害を及ぼす災害が発生した際、津波や液状化などにより道路が通行できなくなり、救援活動や支援物資輸送に支障が出ることも懸念されています。
 これらの課題に対応するため、これまでも名豊道路のミッシングリンク解消や4車線化、新たな基軸となる浜松三ケ日・豊橋道路(仮称)や豊橋新城スマートインターチェンジ(仮称)の新規事業化に向けた取り組みを進めてきたところです。
 こうした道路事業は、いずれも地域の産業発展に欠かすことのできないものであるとともに、人々の命と暮らしを守る国土強靭化の観点からも大変重要なものであり、未来を担う子どもたちにこの地域を繋いでいく、まさに架け橋となるものであると考えています。
 これらの事業を推進するためには、本市を中心とした東三河の市町村が地域の課題や将来ビジョンを共有し、ともに戦略的かつ組織的に国や県と連携して取り組むことが重要であると考えています。

【2. 2回目質問】
 道路インフラの重要性について、認めていただいたことは大変よかったと思う。しっかり進めていただくことを期待する。
 国や県との連携ということについては、戦略的かつ組織的に国や県と連携して取り組むことが重要であるとのことだった。
 名豊道路や浜松三ケ日・豊橋道路、豊橋新城スマートインターチェンジの事業化に向けた取り組みを進めてきたとも言われた。しかし、それを先頭に立って進めてきたのは佐原前市長であり、何度も要望活動を行い、やっとここまで来たものだ。要望活動では我々自民党市議団も協力させていただいた。
 市長は、選挙に向けた8月の集会の中で、我々は物乞いではないなどと要望活動を行う人を蔑む(さげすむ)発言をし、要望活動が必要でないかのような印象を与えて来た。もし、要望活動を必要と考えるのであれば、この発言を訂正すべきと考える。
 そこで、2回目として、これまでの要望活動をどのように評価し、今後、積極的に要望活動を行っていく考えがあるのか、現在の考えを伺う。

【2. 2回目答弁要旨】
 道路など社会インフラ整備を促進していくためには、地域の抱える課題やもたらされる効果を国や県に継続的かつ効果的に届けることは非常に重要であると考えています。
 選挙中から私の考えは一貫しており、本市をはじめとする東三河の市町村が一体となって国や県を動かすことができる良い提案を立案することが第一歩であり、その上で国や県へ働きかけを行うことが重要であると考えています。よって、要望活動を否定したものではありません。
 これまでも様々な場面を通して要望を行ってきたことがインフラの整備の促進に繋がってきたものと高く評価しており、今後も引き続き、地域の生の声を直接国や県へ届けるため、市議会はもとより地元選出の国会議員や県議会議員の方々の協力を得ながら、東三河をはじめとした関係市町村、経済界などと連携し取り組んでまいりたいと考えております。

【2. 3回目質問】
 これまでの要望活動の成果については、高く評価しているとのことだった。今後も、引き続き、様々な関係者の協力を得ながら、要望を行っていくという趣旨のお答えだったと思う。
 しかし、8月末の新聞記事に載った、浅井市長 当時は県議の「我々は物乞いではない」という発言に、要望活動に協力してきた人達の多くは、私自身も含まれるが、自分たちが侮辱されたと感じたはずだ。もしかすると要望を受ける側の人の中にも、同じ思いを持った人がいるかもしれない。
 今後、多くの協力者を得て効果的に要望活動を進めていくために、市長としてすべきことは何であるのか、(2)の3回目として考えを伺う。

【2. 3回目答弁要旨】
 まず、先ほど来お話が出ております8月の集会での発言についてでありますが、私は正確に捉えていただきたいと思いますが、私はまず国や県が賛同してくれるような、そしてこの地域にとって本当に意味のある計画を立てることがまず第一に重要なんだということを申し上げました。それを申し上げました。そして、それを東三河がまさに一体となって、まさに党派を超えて、会を超えて、一緒になって共有して進んでいく、そういう体制をつくることが必要だということを申し上げました。
 そして、そういった国や県に評価をされるものをつくることが何しろ重要で、そして国や県が協力したくなるような、そのぐらいのものをつくりたいですよねということを申し上げて、そういったものがなくて、ただお金をくれ、お金をくれなんていうのはやはり順番が違うのではないでしょうか、それはそういったことを申し上げましたが、それは今までの取り組みのことを想定して申し上げているわけではありません。地方の在り方として、あるべき姿として私はそういったみんなで一所懸命考えていくことがこれからも重要だということを申し上げました。

【2. まとめ】
 今後のアクションについて、何もご発言がなかった。大事なことは本当にこれから多くの協力者を得られて要望していくことができるかどうかである。そのためにアクションが必要であると申し上げたわけであり、今回そのお答えはなかったが、それをしっかりこれからお考えいただきたい。

【3. 1回目答弁要旨】
 豊橋市あるいは東三河に産業クラスターを形成する必要性の認識についてです。
 元気を生み出す地方新時代を実現するためには、多種多様な業種が集積する本地域産業の強みを生かしつつ、新しいイノベーションを生み出す取り組みを推進していくことで産業の振興を図っていく必要があると考えております。そのためには、例えばこの地域の強みの一つである食と農を基軸に据え、スマート農業を支えるIT企業やスタートアップのほか、農産物の加工、流通にかかわる食品関連業、地域の農産物を使った外食事業者など、様々な業種の集積を促してクラスター形成に結びつけていくことも必要ではないかと考えており、このような取り組みを通じて、働くならら豊橋、企業するなら豊橋と言われるまちづくりを推進してまいります。

【3. まとめ】
 産業クラスター形成が必要であるという認識を聞かせていただいたので、ぜひ進めていただきたい。
 ただし、産業クラスターというのはテクノロジーの軸が要るはずであり、ぜひとも豊橋技術科学大学にあるものを生かす、あるいはそれから産業の面でいけば農業は豊橋市の算出額は400億円、それに対して製造出荷額は1兆円を超えている。その辺りも考えて、どんなクラスターにするかを考えていただきたい。

【4. 1回目答弁要旨】
 新型コロナウイルス感染症に対する市独自の施策とそのスケジュールについてです。
 現在、豊橋市では、感染者が非常に多い状況であり、いわゆる第3波の真っただ中にあると認識をしているところです。また、飲食店においてクラスターが発生するなど、市民の間で不安が広がるとともに、名古屋の一部地域で営業時間の短縮が要請されるなど、飲食店を初めとした経済界にも影を落としている状況が見受けられます。そういった状況のもと、感染症対策、経済対策など、多方面にわたる対策を打つべく市の各部局において検討を進めているところであります。
 私の就任前から実現されてきているものとして、飲食店の空気環境測定や国の雇用調整助成金への上乗せ補助及び申請費用への支援、飲食店や商店街に対する補助金や融資、信用保証料補助などの支援、市税の徴収猶予など多方面からの支援があります。こういった支援は、積極的に継続してまいりたいと考えております。
 この先の対策につきましては、コロナ患者の受入れ病床のさらなる確保や新型コロナウイルス感染症対策を行う事業者を県が応援する安全安心宣言施設の推進、さらには専門家による事業者向けのコロナ対策セミナーの拡充、飲食店での感染防止策への助成などを検討しており、一部はこの12月議会で補正予算として提案をしているところであります。この先、事態の進展を注視する中で、その状況に応じた対策を検討し、効果的な対策をスピード感を持って実現してまいりたいと考えています。

【4. まとめ】
 コロナ対策、先ほど申し上げたようにもう既に第3波が来ている、それからもう差し迫った状況に陥りそうな方々も多くいるということを考えると、早急にやっていただきたいと思いますけれども、一方でこの12月の補正を終えると臨時財政対策債というのはもう21億円しかなくなってしまいますので、ばらまきではなくて、適切なところにしっかりと絞り込んで困った人を助けるようにやっていただきたいと思います。

第6次総合計画の見直しの考え方

【1.1回目質問】
 第5次総合計画は、本年度末に計画期間を終えることになっており、これまで次期計画として第6次総合計画の策定が進められてきたところであります。この12月定例議会においては、基本構想案が提案される予定となっていたものでありますが、見直しのために見送られることになりました。
 総合計画は、市長が目指す10年後の豊橋市の姿を市民や職員に示し、目指す方向性を共有するために大変重要なものであります。総合計画の策定が10年に一度行われるものであることを考えれば、第6次総合計画に新市長の思いを反映させるため、スケジュールの変更をすることは必要なことであると理解をするところでありますし、しっかり時間をかけるべきものと考えます。これまで側聞する限りでは、新たに1から作り直すというのではなく、従来検討されてきたものを修正することを考えているということであります。
 そこで(1)として、浅井市長の特長を生かすための修正の方向性についてお伺いをいたします。

【1. 1回目答弁要旨】
 第6次総合計画の策定に当たりましては、できるだけ多くの市民の声を反映したいという考えで市民会議やアンケート、パブリックコメントなどを通じ、幅広い世代からまちづくりに対する思いをくみ取るとともに、調査特別委員会の設置を通じ、市議会議員の皆さんとも十分に議論を重ねた結果、現在の素案が示されているものと理解をしています。こういった段階を経てくみ上げられた素案は、計画の策定に携わった多くの方々の期待と思いが反映されており、こうした努力、プロセスは尊重すべきであり、むやみに何でも変えていこうとは私はそう考えてはおりません。
 その一方で、私自身としましても、私が生まれ育った豊橋への強い思いがあります。そして、その思いについては、このたびの選挙によって多くの市民の皆様から御支援をいただいたものと受け止めており、私のまちづくりにかける思いをしっかりと反映をさせていきたいと考えています。
 まちは人がつくるものです。私は、人づくりがまちづくりの土台を成すもので、様々な困難に打ち勝ち、新しい時代を切り開く最も重要な要素と考えています。このため、人づくりという大切な視点に一層重きを置きながらまちづくりの重要な要素となる産業振興やインフラ整備、広域連携のさらなる発展に向け、これまでの市政をしっかりと見直す中、具体的な事業について、よいものは引き継ぎつつも変えるべきものはしっかり見直すなど、私なりの考えをまとめ上げ、豊橋新時代を具現化することのできる総合計画をお示ししたいと思っています。

【1. まとめ】
 第6次総合計画については、全国から注目されるひときわ輝く総合計画となるように、しっかりとご検討いただきたい。


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