2019年2月14日(金) 総務委員会
青字は答弁
テーマ [新アリーナを核としたまちづくり基本計画(案)について]

☆新アリーナを核としたまちづくり基本計画(案)

  1. 市内全域における取り組みについて
    【1回目質疑】
     「本計画は、市内全域を対象に」策定するという記載がある。基本理念の中には、「公共施設を有するまちなかエリアに新たな魅力を加える」とあるが、それ以外のエリアについては何も記載されていない。
     計画策定の目的を達成するためには、まちなかエリアだけではなくその他のエリアにおける取り組みについても方針を明らかにすべきではないのか?

    【答弁要旨】
     新アリーナの建設予定地であるまちなかエリアを中心に取組を進めることで、その波及効果がそれ以外のエリアにも及ぶものと考えており、本計画では、まちなかを中心とした取り組みについての方針を記載したものです。

    【2回目質疑】
     波及効果が全市的に及ぶものと考えているとのことだが、そこは積極的に波及効果を確実にするための計画でなくてはいけないのではないか?
     11月の中間報告では「取組み例」が示されていたが、今回は基本方針の各項目ごとに「新アリーナの整備で促進・導入が期待される主な取組み」という受け身の形で示されている。しかし、内容を見ると、「進めます」とか「図ります」など、主体的な表現になっている。
     この「新アリーナの整備で促進・導入が期待される主な取組み」という表現は適切ではないのではないのか?と考える。市が行う計画であり、誰かに期待するのではなく市自らが行うことを明確にすることが必要だと思う。例えば、「新アリーナの整備で促進・導入を行う主な取組み」のように、表現を変えるべきと考えるが、認識を伺う。

    【答弁要旨】
     ご指摘のように「促進・導入をする主な取組み」というような、誤解のないような表現に変更したいと思います。

    【まとめ】
     表現について検討していただけるということだった。
     その内容として新アリーナで行うべきもの、市内全域で行うべきものを明らかにすべきではないのか? そうすることで、市内全域を対象とする基本計画であることが明確になると考える。ご検討いただきたい。

  2. 目標について
    【1回目質疑】
     昨年11月30日の総務・建設消防合同委員会で、「本計画の対象エリア、計画期間、目標などが最終報告で示されるという理解でよろしいか」との質疑に対して、「どの程度まで書き込むことができるかは今後の検討によるが、考え方としてはこの計画の中でお示していくつもり」という答弁を頂いている。
     目標についての記載が見られないが、どのような考えによるものか伺う。

    【答弁要旨】
     本計画については、まちづくりの基本的な考え方をお示ししたものであるため、具体的な目標については設定しておりません。しかしながら、今後、新アリーナの詳細が決まっていく中で、必要に応じて検討していきたいと考えております。

    【2回目質疑】
     中間報告の際の答弁では、目標も示していくとしながら、今回の答弁の前半では「基本的な考え方を示すものであり、具体的な目標は設定しない」と言い、後半では「必要に応じて検討していきたい」とのことだった。一方では、経済波及効果についてはこまかい計算を示している。まことにはっきりしない。
     新アリーナの建設による、まちづくり計画の成果としてどの程度のものを目指すのか、明確にすべきではないのか? 目標設定の必要性について、改めて認識を伺う。

    【答弁要旨】
     計画を実行していく上で、なんらかの目標を考えていくことは重要な視点ではあります。ただ、本計画については特に基本理念ということで今後30年の考え方をしっかり明示したいということで、考え方を中心に記載していますので、短期的な目標を設定していないということです。

    【まとめ】
     目標の設定ということについては後ほどもう一度聞くことにしたいと思う。新アリーナ建設の可否を判断する上で重要な要素であるはず。

  3. 経済波及効果試算にの予件データにおけるBリーグの開催日数について
    【1回目質疑】
     Bリーグの開催日数は30日とある。算出根拠は2017-18シーズン実績より算出となっている。
     2017-18シーズンにおける実績を確認したところ、ホームゲームは30試合あるものの、豊川、浜松、湖西、浜北で2回ずつ開催されており、豊橋総合体育館での開催は22試合だったはずだが、なぜ開催日数が30日となるのか?

    【答弁要旨】
     シーズン中、30試合のホームゲームが開催されていますが、総合体育館で行われる日数はシーズンによって異なります。また、プレシーズンマッチやプレーオフなどあるため、本計画では30試合が新アリーナで行われると仮定して算出を行いました。

    【2回目質疑】
     算出根拠については、先ほど申し上げた通り、「三遠ネオフェニックスの2017-18シーズン実績より算出」となっているが、このシーズンにプレシーズンマッチやプレーオフがあったということなのか、教えていただきたい。

    【答弁要旨】
     2018シーズンにおいては、プレシーズンマッチが豊橋総合体育館で開催されています。

    【まとめ】
     それにしても8試合もあった訳ではないと思われ、この30試合というのは多めに見た数値かと思われる。

  4. 予件データにおけるBリーグの入場費について
    【1回目質疑】
     入場費のBリーグ分が68百万円となっている。この金額を増加額とした計算式を教えていただきたい。

    【答弁要旨】
     想定来場者数のうち増加見込数に入場料の平均単価を掛けたものを経済効果としております。

    【2回目質疑】
     これまでの質疑に対する答弁の中で1試合あたり来場者数が1.5倍に増えることになっているという説明があった。
     1.5倍となる根拠を教えていただきたい。

    【答弁要旨】
     経済効果を算定する上での想定として設定したものです。

    【3回目質疑】
     特に根拠はなく推定ということだったが、今後何らかの努力を積み上げないと実現できない数値であろうと思う。
     次に、入場料の平均単価ということについて、p.6には2017シーズンの平均入場者数は2,310人となっているが、この中には招待等も含まれると思われる。招待なども含めたこの2,310人全員の平均単価ということでいいのか。

    【答弁要旨】
     平均単価については、フェニックスの年間売り上げを年間の全入場者数で割って算出しています。

    【まとめ】
     平均単価については適切であると思う。

  5. 予件データにおけるプロスポーツ、その他市民利用等の入場費について
    【1回目質疑】
     需要増加額試算表で、プロスポーツ、その他市民利用等がそれぞれ62.2百万円、38.6百万円となっている。これには、総合体育館での開催実績額や公共施設白書に記載された来場者による入場費は含まれているのか?

    【答弁要旨】
     プロスポーツは、総合体育館で既に行われているものが新アリーナに移って開催される場合には増加した来場者数のみを、また、新たに開催されるものについては全ての来場者数を経済効果に算入しております。市民利用については、新たな需要と考え、全ての来場者数を経済効果に算入しております。

    【2回目質疑】
     プロスポーツの新たに開催されるものについては、ゼビオアリーナ仙台での実績及び愛知県内の体育館での実績によるという算出根拠の説明がある。コンサートについても、ゼビオアリーナ仙台の実績より想定となっている。コンサートについては、計算すると平均単価が7,038円であることがわかる。
     集客数や単価などについて、東北の中心都市である政令市と東三河の中心都市である中核市では自ずと違いがあると考えるべきだと思うが、そのことは考慮しているのか伺う。

    【答弁要旨】
     協議対象者は新アリーナの提案の中で、自社が持つ他のアリーナと連動した興行の誘致を行うことを提案していいます。今後、ゼビオアリーナ仙台と同様の興行等が新アリーナで開催されるため、開催日数の想定に用いることは可能であると認識しております。

    【3回目質疑】
     市場の規模は需要と供給で決まる。供給能力があるのはわかるが、果たしてそれだけの需要があるのか。因みに、仙台市の人口は108万人、豊橋市の人口は38万人弱。主催者が同じであったとしても、興行等が同じ規模でできると考えるのは難しいのではないのか?
     その他市民利用の来場者人数の算出根拠は公共施設白書より算出となっているが、公共施設白書に記載されている利用者は、既存の施設を利用している人数であり、これがなぜ需要増加額に算入されるのか、について伺う。

    【答弁要旨】
     今の本市の公共施設の利用状況を見るとひっ迫しており、市民利用のニーズはまだまだ高く、現在の施設ではそれが賄い切れていないことを考えると、新しくアリーナができた分の利用に関しては新たな需要としてカウントできるだろうとの認識により試算しています。

    【4回目質疑】
     ご説明の趣旨はわかるが、公共施設白書の中で利用のどれ程を算入しているのか伺う。

    【答弁要旨】
     新アリーナはスケートリンクがあるので、類似する施設であるアクアリーナの利用者人数に253日を掛けた人数を来場者数として算出しています。

  6. 経済波及効果の計算における市内需要額について
    【1回目質疑】
     経済波及効果の計算で、市内需要額の率が91.6%と高い値になっている。Bリーグやコンサートの主催者は本社を豊橋に置く企業ではない。Bリーグやコンサートの売り上げは市内需要額に入れているのかどうかについて伺う。

    【答弁要旨】
     チケット収入については需要増加額に算入されていると認識しています。

    【まとめ】
     一部は市内需要額と考えていいと思うが、本社費等を考えると全額を市内需要額に入れるのは適切ではないのではないのか。市内需要額の算定は後々の計算に大きな影響を与えることになる。しっかり検討していただく必要があると考える。

  7. 税収効果について
    【1回目質疑】
     市の財政状態が厳しさを増す中にあって、この事業による税収増は事業実施を決めるために重要な判断要素となる。今回、税収効果について示されていないが、どのような考え方によるものか?

    【答弁要旨】
     新アリーナの設置効果の一つとして地域経済の活性化に寄与するものになるものであることから、本計画においては新アリーナの来場者による経済効果のみを記載しました。

    【2回目質疑】
     税収効果について試算をしているのであれば、結果を教えていただきたい。

    【答弁要旨】
     算定された経済効果による税収の増加額は年間で1億4千万円程度になるものと想定しています。

    【3回目質疑】
     税収効果について、基本計画に掲載する考えはあるのか、認識を伺う。

    【答弁要旨】
     掲載については検討していきたいと思います。

    【4回目質疑】
     検討していただけるということだった。
     これまで確認させていただいた限りでは、Bリーグの需要増加額、コンサートやプロスポーツの需要増加額は相当希望的な数値と思えるものである。そしてそれらを予見データとする楽観的と言ってもいい経済波及効果や税収効果などが示されている。この結果を得るのは容易ではないと思われるが、経済波及効果や税収効果は期待値なのか目標値なのか、認識を伺う。

    【答弁要旨】
     今日の議論の中で説明させていただいたように、実際に行われているものから想定して、こういう仮定をした場合にこういう結果になるというものを示したものであり、これを必ず超えるとかいうのではなく、これくらいは最低でも想定できるのではないかと期待したものです。

    【まとめ】
     少なくともこれくらいはできるという期待であるとのことだった。Bリーグの年間入場者数は実績の2倍以上になっている。最低でも想定できるというような簡単なものではないと思う。
     経済波及効果など、市民に期待を持たせる数値になっている。これらの数値を示したからには、それを目標とすることで結果として出すための努力をすることがなければ、市民から信頼される計画になり得ないのではないのか。重要なことは期待値を示すことよりも、それを実現するために何をすべきかを明確にすることである。そのためには、目標として示していくことが重要であると考える。


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