2015年11月10日(火) 地方創生等計画策定調査特別委員会
青字は答弁
質問テーマ [第5次豊橋市総合計画後期基本計画素案について]

第5次豊橋市総合計画後期基本計画素案について

  1. 財政の見通しについて
     財政の見通しについて一般会計と全会計の見通しについて記載されている。近年、国は各自治体に対して平成29年度までに、統一的基準による公会計制度の導入を求めている。人口減少社会に突入し、自治体経営にはフロー情報ばかりでなく、ストック情報を重視することが必要との判断によるものと理解している。
     しかし、本計画においてはフローに関する計画は記載されているもののストックに関する計画は記載されていない。本市においては、既に固定資産台帳は作成しており、28年度からは統一的基準による財務諸表の作成も行うと伺っている。ページ上部の文章にも公共施設の維持管理に関すること、市債等の有効活用など、ストックに関連の深いことが記載されている。
     本計画は28年度スタートであり、ストックに関する計画数値も記載すべきであると考える。認識を伺う。

    【答弁要旨】
     今回の後期基本計画(素案)では、平成32年度までの財政見通しを示させていただいていますが、まちづくりを総合的・計画的に推進するための取組の基本方針を示すという基本計画の性格から、今後5年間における各会計の規模や主な歳入歳出区分を記載することとしました。
     統一的な新基準に基づく財務諸表については、全自治体に対し国から導入が求められているところですが、本市においても平成28年度決算での公表に向けて、現在、統一的基準による固定資産台帳の整備をはじめ、新地方公会計制度に対応できるよう準備作業を進めているところです。
     したがいまして、現時点においては、新基準に基づくストック情報を活用できないというのが実情です。
     全国的に統一基準での財務諸表の作成が進みますと、自治体間の比較が可能になるとともに、ストック面での分析もしやすくなるため、作成後は、毎年度見直しを行う実施計画における財政見直しの作成に当たっての活用などを検討していきたいと考えています。

    【まとめ】
     固定資産台帳は作り直しているのでストック情報はまだ活用できる状態にないこと、実施計画における財政見通しでの活用を考えるとのことだった。
     先日のまち・ひと・しごと創生総合戦略に関する質疑の中で、2060年に自立的行政運営ができるために財政のシミュレーションについて研究していただけるとのことだった。このシミュレーションについてもフローばかりでなく、ストックについても検討することにより、自立的行政運営実現に向けて越えなければならないハードルが明確になると考える。今後、ストックをどのような状態に持っていくのか、積極的に検討していただくことを期待する。

  2. 活力みなぎる産業創出プロジェクトについて
     先日策定されたひと・まち・しごと創生総合戦略での、まちの持続可能性を高めていくための考え方は重要であり、総合計画にも活かしていくべきと考える。
     まちの持続可能性を確かなものにするためには、このまちで生まれ育った子たちがその次の世代もこのまちで産み育てるということになることが必要。そのためにはこのまちに多様な知識や能力を活かすことができる職場、即ち多様な職種の職場があることが必要となるが、ここに示されているものにはそういう視点が欠けているように感じる。
     そこで、多様な職種の職場を増やすということのために、企業の本社機能、地方拠点、研究施設など非製造部門の誘致ということについても積極的に取り組むべきではないかと考えるが、認識を伺う。

    【答弁要旨】
     まちの持続可能性を高めていくためには、多様な職種の職場を増やすとともに、やりがいのある質の高い雇用を確保することが必要であり、多様な職種の職場を増やすためには、委員ご指摘の本社機能、研究施設など非製造部門の誘致は大変効果的ですが、雇用を増やすためには製造業分野の誘致も欠かすことはできないと考えています。
     また、多様な職種を増やすという観点では、IT関連企業の誘致も必要であることから、テナントオフィス誘致補助金制度を創設したほか、新たな工業用地整備に合わせ、分野にターゲットを絞った誘致説明会を開催しているところです。
     委員ご指摘の本社機能や研究機能などの誘致については、関連企業の進出、新産業の創出に繋がる大変重要な施策であると考えており、新たなインセンティブを視野に入れた誘致施策を展開していきたいと考えています。 いずれにしても、このまちで生まれ育った子たちが、このまちで多様な知識や能力を活かすことができる職場を増やすために、様々な施策を展開していきたいと考えていますが、具体的な取組みについては、産業振興のアクションプランである産業戦略プランや毎年度見直しを行う実施計画に盛り込んでいきたいと考えています。

    【まとめ】
     非製造部門の誘致ということについて大変重要な施策であるとの認識があること、具体的な取組みについては産業戦略プランや実施計画に盛り込むとのことだったので、期待する。

  3. ほの国創生プロジェクトについて
     昨年7月に豊橋市議会の広域連合調査特別委員会で示された資料によれば、「広域連合事業で取り組む事務・事業」の中で、「新たな広域連携事業」については、「広域観光振興」「広域産業振興」「広域環境・新エネルギー」「広域防災」について「設立当初から具体的な内容について検討」となっている。
     ここには、これらのうち広域観光とアンテナショップ展開だけしか記載されていない。東三河広域連合に期待する市民の気持ちは大きい。平成32年までに東三河広域連合として、広域産業振興、広域環境・新エネルギー、広域防災などにどのように取り組もうとするのかについて、豊橋市の考えを記載するべきではないのか。認識を伺う。

    【答弁要旨】
     東三河広域連合としての新たな広域連携事業に豊橋市としてどのように取り組むのかについてですが、広域産業振興、広域環境・エネルギー、広域防災のいずれもが、東三河の将来に向けた振興発展、あるいは安心安全の確保のために重要な事業であり、実施に向けて取り組んでいきたいという考えに変わりはありません。
     しかし、他のプロジェクトもそうですが戦略計画の「主な取組み」には、ここ5年で具体的に何をするのかが分かるよう事業を記載することを基本としており、ご指摘の事業を記載するには、東三河の8市町村で協議し中身を詰める必要がありますので、現時点では記載をしていません。
     いずれにしても、基本方針の文中の最後にも記載していますとおり、本市としては、この5年間において、新たな広域連携事業を含む「ほの国」東三河の創生に向けた取組を、これまで以上に積極的にかつ率先して推進していきたいと考えています。

    【まとめ】
     広域連合の構成団体と詰めができていないのでこの計画には記載できないが、新たな広域連携事業を含む「ほの国」東三河の創生に向けた取組を、これまで以上に積極的にかつ率先して推進していくとのことだったので期待する。
     広域連合が発足したばかりの今、積極的な施策の方向性を示していくことは市民の関心を高めていくために重要なこと。広域連合に対し、積極的な施策の公表ということについても働きかけていただくことも大切なことではないかと考える。

  4. 分野別計画、 農漁業の振興、工業の振興、商業・サービス業の振興について
     前期の計画では各産業の状況を示す指標として、農業については農業産出額、製造業については製造品出荷額、商業については年間商品販売額を指標として掲げていた。各産業の状態がわかりやすい指標だった。ところが今回の指標はそれぞれの産業の状態がわかりにくいものになってしまった。
     農業産出額などデータが得られなくなったものもあり、必ずしも、前期と同じでなくても各産業全体が発展の方向にあるのか、衰退の方向にあるのかを判断できる指標を設定すべきではないのか。現在示されているそれぞれの指標は、各産業の動向を判断しにくいものであると感じる。将来の目指す姿を明らかにすべき総合計画であるということを考えた時に各産業の動向を指標としていくことは必要なことと考えるが、認識を伺う。

    【答弁要旨】
     ご指摘の3つの指標は、本市産業の現況を示す大変重要な指標であると認識しています。
     しかしながら、現状の行政評価システムの中では、施策への貢献度や妥当性等を考慮した際、社会情勢に大きく左右されたり、調査時期と公表時期のずれが大きいこともあり、実情と異なるため、政策の貢献度を評価する指標として、今回の具体的なものに変更しました。
     一方、ご指摘の3つの指標は、人口の推移と同様、豊橋市の産業の全体像を総括する上で欠かせない指標であるため、施策を検討、実行していく際や、計画全体を見直す際にも、基礎認識として把握した上で、新たな計画づくりを行っていく必要があると考えています。
     従いまして、委員ご指摘の3つの指標は、分野別の指標とは別に、豊橋市の経済情勢を示す基礎的な指標として、総括をする際にお示ししていきたいと考えています。

    【まとめ】
     行政評価との兼ね合いもあり、指標は今回示されたものにしたとのことだった。先日示された前期の総括に記載されていた、これら3つの指標は必ずしも安心できる状況にあるとは言えないものであっただけに、今後の施策を検討する際にはこれらの数値には十分配慮していただくとともに、積極的な公表をしていただくことを期待する。

  5. 生活道路の整備について
     前期には指標として舗装改良工事延長があげられていたが、後期の指標としては舗装工事施工延長として、32年度までに88.9kmと記載されている。前期の総括には、道路ストックの点検調査に基づく計画的な改良修繕ということが記載されている。
     市道3,400㎞の舗装を積極的に更新していくことは重要なことと考えるが、舗装の耐用年数を考えた時、平均すると1年に10km未満の舗装改良というのは3,400kmに対して少なすぎるのではないかと感じる。どのような考え方によるものか伺う。

    【答弁要旨】
     現在、市道延長は3,400kmです。舗装率は85.6%となっており、舗装延長は約2,950kmとなっています。この内訳としては、市道の幹線道路である1、2級道路は約275km、残りは生活道路となっています。現在、公共施設等総合管理計画を策定中であり、どこまで含めた管理計画とすべきかの検討を行っており、今後その計画に沿った維持管理を行っていきたいと考えています。

    【まとめ】
     今後策定される公共施設等総合管理計画に沿った維持管理を行っていくとのことだった。単純計算すると2,950kmの舗装道路の改良を行うのに150年以上かかる計算になる。しわ寄せができないように、早期の計画策定と実施に期待する。


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