自由民主党豊橋市議団を代表して代表質問をさせていただく。
☆令和3年度予算大綱に基づく取り組み
【1回目質問】
2月26日の本定例議会初日には、浅井市長が就任後初となる、そして第6次総合計画の初年度となる令和3年度予算の大綱が披露された。この予算大綱に基づく取組みについて質問する。
この中で、「まずは、人づくりです」と言っている。さらに、市長就任時の所信や第6次総合計画に続けて、「人づくりはまちづくりの土台である」とも言っている。
分野別計画の最初には「豊かな人間性を備え、未来を創る人が育つまち」を掲げ、子育てや教育に掛かる家計の負担軽減施策、家庭の状況に応じた必要な支援や、とよはし版GIGAスクール・のびるんdeスクール、まちなか図書館開館、などの施策が示されている。しかし、目指している「未来を創る人」と、施策との整合性が分かりにくいので確認させていただきたい。
さらに、「人づくりNo.1のまち とよはし」を全国に発信するとも言っているが、何を発信しようとしているのかの説明がない。「人づくり環境」の何がNo.1であるのかについても確認させていただきたい。
また、予算大綱の終わりの部分では、「豊橋市行財政改革プラン2021-2025にしっかりと取組み、持続可能で市民の皆さまの満足度の高い行財政運営に努める」と言っている。
行財政改革についてまず、令和3年度の新規事業について、1月臨時議会での基本構想に対する附帯決議の項目2の「継続的に行政コストの増加を必要とする新たな施策を講じる場合には、それに対応し得る確実な財源について確保または見通した上で行うこと」に、どのように対応しているのかを確認させていただきたい。
また、行財政改革プラン2021-2025について、「筋肉質な財政構造への転換の取組み」と「公共施設計画の推進」に、令和3年度どのように取り組むかを確認させていただきたい。そして、その結果として令和3年度における純資産変動の見通しについても聞かせていただきたい。
そこで、以下の点について質問する。
- 分野別計画第1「豊かな人間性を備え、未来を創る人が育つまち」について
- 目指す「未来を創る人」と施策の整合性について
- 全国に発信しようとする「人づくり環境」の何がNo.1であるのかについて
- 行財政改革への取り組みについて
- 2月1日に議決した基本構想に対する附帯決議の項目2(継続的行政コストの発生を伴う新規施策における財源確保)への対応について
- 令和3年度における筋肉質な財政構造への転換の取組みについて
- 令和3年度における公共施設計画の推進について
- 令和3年度における純資産変動の見通しについて
【1.a 1回目答弁要旨】
分野別計画第1の「豊かな人間性を備え、未来を創る人が育つまち」についてa.目指す「未来を創る人」と施策の整合性についてです。
本市の未来を創造するにあたりまして、人づくりは全ての分野に共通した最も重要な要素であり、とりわけ本市の未来を担っていく子どもたちに対する施策の充実が極めて重要であると考えています。
そこで、令和3年度における子育て・教育施策としましては、出産や子育てに係る経済面、社会面からの手厚い支援や放課後の居場所づくりなどに重点的に取り組むことで、充実した子育て環境を構築していきます。また、とよはし版GIGAスクール構想を推進し、学びの幅を広げることで、子どもたちの将来の可能性を広げていきます。さらに、まちなか図書館で行われる各種事業を通じて、次世代にわたり、まちの未来を自分のこととして考えることのできる人を育んでいきます。
こうした取組みの結果、まちづくりの礎となる人づくりが着実に進み、「豊かな人間性を備え、未来を創る人が育つまち」が形づくられていくと考えます。
【1,a まとめ】
「未来を創る人」の一つの要素として、答弁の中にあった「次世代にわたり自分のまちの未来を自分事として考えることのできる人」という点については賛同できる。
一方、出産や子育てに係る経済面、社会面からの支援や放課後の居場所づくり、とよはし版GIGAスクール、まちなか図書館などの事業を行えば、未来を創る人が育つのかと言えば、そうかもしれないが、必ずしもそうなるとは言い切れない。この点が危惧されたため、この質問をさせていただいた。なぜなら、この部分に関する総合計画の案を見ると、指標としてアウトプット目標ばかりが並べられていたためである。
事業を行うというアウトプット目標を見据えるのではなく、「未来を創る人」を育てるというアウトカム目標の要素を、もっと明確にした上で、事業を進めていただくことが重要なのではないかと考える。
【1.b 1回目答弁要旨】
全国に発信しようとする「人づくり環境」の何がNo.1であるのかについてでます。
自分たちのまちの未来は、私たち一人ひとりが主役となって、みんなで力を合わせることで切り開かれていくものと考えます。まちの未来をつくる原動力となる人材の育成に注力し、夢に向かって果敢にチャレンジする人をみんなで応援し、支え、地域が一丸となって、あらゆる分野の人材育成に取り組んでいきます。特に、子育て・教育分野は、のびるんdeスクールの拡大やとよはし版GIGAスクール構想の推進、小学校の教育費無償化、保育料の軽減、私学助成の拡充など、重点的に投資をしていきます。
こうした本市の子育て・教育に対する姿勢を明確にすることで、この地域で子育てをしたい、また、教育を受けさせたいという思いを持つ方が増えると同時に、若い世代の経済負担の軽減が図られるものと考えます。その結果、自然とこの豊橋が人づくりNo.1と言われるまちになっていくことを期待しています。
【1.b 2回目質問】
全国に発信しようとする「人づくり環境」の何がNo.1であるのかについて、質問したところ、地域が一丸となって、あらゆる分野で人材育成に取り組むことで、この地域に子育てしたいと思う人が増えて、「人づくり No.1」と言われるまちになっていくとの答弁だった。
これをエクセルに入力すると、循環参照エラーになってしまいそうな答弁だったように思う。そして、少なくとも、令和3年度に「人づくりNo.1のまち とよはし」を発信する考えでないことはわかった。
そこで、「人づくり No.1」と言われるまちになっていくために、この地域で子育てしたいと思う人の数について、いつまでにどの程度とすることを考えているのかについて、2回目として伺う。
【1.b 2回目答弁要旨】
豊橋市が人づくりNo.1と言われるためには、先ほども申し上げましたけれども、何より子育て・教育に手厚い自治体だということが広く市内外に知れ渡ることが大切だというように考えており、まずは、豊橋に住む市民の皆様に認知をしてもらって、実感をしていただくことが大変重要となると思います。
また、いつまでにどの程度といった数値目標を設定しているわけではありませんけれども、例えば、市民アンケート調査などで、子育て・教育が充実したまちであるかどうかの状況を把握していきたいというように考えています。市民の皆様に、このまちと子育てしやすく教育が充実しているまちと一層感じていただけるよう、精いっぱい努力をしていきます。
【1,b まとめ】
「まずは、豊橋市民に実感してもらう」ということだった。予算大綱で言われた、「安心して子育てができる環境整備に努め、『人づくりNo.1のまち とよはし』を全国に発信していきます。」からは、大分トーンダウンした印象がある。
しかし、その気概は大切であると思う。他市では真似のできない、ユニークな教育環境づくりに向けて、しっかり検討していただくことを期待する。
【2.a 1回目答弁要旨】
2月1日に議決した基本構想に対する附帯決議の項目2、継続的に行政コストの増加を必要とする新たな施策を講じる場合には、それに対応し得る確実な財源について確保または見通した上で行うことへの対応についてお答えします。
令和3年度の予算編成におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による市税収入の大幅な減収に対応するため、経常経費の徹底した見直しによる事業費の縮減等を図ることで、財源の確保とともに、財政構造の転換に努めました。
このように編成した令和3年度予算での取組みを含む第6次総合計画の各施策につきましては、今後3年間における具体的な計画について、実施計画(令和3年度-5年度)として取りまとめています。同時に、この中では、実施計画に沿って、新たな施策等を実施した場合における一般会計中期財政見通しをお示ししていますので、附帯決議の項目2については、対応をしているものと考えています。
【2.a まとめ】
基本構想に対する附帯決議の項目2への対応については、新たな施策等を実施した場合における一般会計中期財政見通しを示しているので、問題ないとの認識を示していただいた。
しかし、財政調整基金を取り崩すとか、財政調整基金の積み増しとなるべき剰余金を減らすということであれば、それは、対応し得る確実な財源について確保または見通した上で行う、ということとは違うと思う。令和3年度予算の中での具体的な対応については、予算委員会の中で確認したい。
【2.b 1回目答弁要旨】
令和3年度における筋肉質な財政構造への転換の取り組みについてお答えします。
歳入におきましては、安定した自主財源を確保するため、工業団地の周辺インフラの整備を進めるとともに、引き続き、立地企業の誘致に取り組んでいきます。あわせて、廃止した施設の撤去とともに、土地の処分による基金への積立てを行うほか、ふるさと寄附の機会や手段の多様化に向けて検討を進めます。また、公共施設の使用料等においては、指定管理期間の満了を控えた利用料金制の施設について、順次定期的な見直しを行うとともに、次回の全庁的な見直しについて、受益者負担の観点から、必要に応じて検討を進めていきたいと考えています。
次に、歳出面では、令和3年度予算編成において、経常的な経費の徹底した見直しによる削減を行い、新型コロナウイルス感染症対策や第6次総合計画のまちづくり戦略などへ予算の充実を図るなど、事業の選択と重点化に取り組んでいます。
【2,b まとめ】
令和3年度における筋肉質な財政構造への転換の取り組みについては、安定した自主財源の確保、受益と負担の適正化、事業の選択と重点化の取り組みを示していただいた。確実に目標を達成したいただくことを期待する。
【2.c 1回目答弁要旨】
令和3年度における公共施設計画の推進についてです。
公共施設は、地域コミュニティの活性化や維持可能なまちを実現するために必要なものであり、総量を抑制しつつ行政サービスを提供していくためには、将来的な施設更新費用の低減や後世の負担軽減を念頭に置いた複合化を推進していきたいと考えています。特に本市にとって初めての試みであるり学校の余裕教室を活用した複合化は、将来の豊橋を見据え、地域の方々と共に考え進めることが重要であると考えています。
こうしたことから、令和3年度においては、引き続き、施設保全計画に基づく施設の長寿命化や施設廃止計画に基づく施設の廃止に取り組むとともに、新たに小中学校を核とした複合化モデル事業にも着手していきます。
【2,c まとめ】
令和3年度の公共施設計画の推進については、施設の長寿命化、施設の廃止に取り組むとともに、新たに、小中学校を核とした複合化モデル事業にも着手するとのことだった。
公共施設の総量の中で、小中学校関連施設のウェイトは大変大きいと思う。つまり学校のあり方を考えることが、将来世代の負担の重さを大きく左右することになると思われる。早急に学校施設のあり方について積極的な検討をすることを期待する。
【3. 1回目答弁要旨】
令和3年度の純資産変動の見通しについてです。
純資産につきましては、行財政改革プランにおいて、財政計画に基づき算定した一般会計等の純資産比率を重要業績評価指標としており、2025年度の純資産比率は73%と、2019年度決算における純資産比率75.2%に対し2.2ポイントの減少を見込んでいます。令和3年度については、財政計画を踏まえた予算編成を行っており、純資産変動は減少傾向と見込んでいます。
しかしながら、純資産の減少を可能な限り抑制するためにも、国県補助金の獲得に加え、国の補正予算を最大限活用するなど、積極的にさらなる財源確保を図っていきたいと考えています。その上で、各取組みの結果としての純資産変動は、決算においてお示しをしていきります。
【3. 2回目質問】
令和3年度純資産変動額の見通しを聞いたところ、減少傾向であるが、決算において示していきたいとのことだった。
1月の基本構想特別委員会では、純資産の変動額の計画策定に際して、行財政改革による行政コストの縮減をどの程度見込んでいるのかの質疑をさせていただいた。その時の答弁では、「平常時において財政調整基金に過度に頼らない、メリハリのある財政構造に転換するため、財政調整基金の残高について、2025年度末時点で75億となるよう目標を定めた」という趣旨の答弁をいただいた。
そこで、この計画に沿った令和3年度における財政調整基金残高の増加計画はいくらであるのか、またその実現を目指した予算となっているのか、認識を伺う。
【3. 2回目答弁要旨】
第6次総合計画の財政計画では、令和2年度末から3年度末における財政調整基金の増加は約2億6,000万円を見込んでいました。新年度予算は、総合計画に比べ財政調整基金の取崩額が増加し、その結果、令和3年度末残高は令和2年度末残高から8,000万円ほど減少し、令和3年度の予算においては、結果として総合計画を下回る見込みです。今後は、財源確保や、さらなる経常経費の見直しにより、75億円の目標達成に向け、取組みを進めていきたいと考えています。
【3, まとめ】
財政調整基金については、財政計画では令和3年度中に2億6,000万円の残高増加を見込んでいたが、令和3年度予算では残高は増加ではなく8,000万円の減少になるとのことだった。
つまり、令和3年度予算では財政計画の見込みより3億4,000万円も下方修正ということになる。大変望ましくない状態だと思うが、なぜなのか、詳しくは予算委員会で確認させていただくことにしたいと思う。
☆新型コロナウイルス感染症対策
【1回目】
2019年末からの新型コロナウィルスによる感染症拡大への対応として、期待されたワクチンの開発がいよいよ進み、国内においても2月17日からは医療従事者への接種が開始された。新型コロナ対策が新たなフェイズに移行しつつあると思われる。新たなフェイズにおける課題をしっかり把握し、適切な対策を講じていただくことを期待し、この質問をさせていただく。
まずは、ワクチンにより新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、その接種を安全かつ早急に進めることが必要となる。どのように接種体制を確保しようとしているのか、また重症化リスクが高いと言われる高齢者への接種が急がれているが、高齢者への接種目標についても確認させていただきたい。
また、今後出現するかもしれない新たな感染症に対しての備えが必要であることも、広く認識されるようになっている。社会や経済への影響をできるだけ少なく抑えるための防御策について、この一年の経験を活かして考えておくことが必要と考える。
このことについてはまず、新型コロナウィルスによる感染症拡大で最も危惧されていたことは、医療体制の崩壊ということだったと思う。実際に医療体制が大変厳しい状況に直面することもあったと思われるが、今回明らかになった課題を踏まえ、今後の感染症医療体制についての考え方について確認したい。
また、社会活動については、三密を避けることについて様々な対策がなされてきた。中でも、ICTを活用したリモート会議やリモート授業などは有効な方策として、多くの企業や教育機関での導入が進んだ。しかし、市民の地域活動ではICTの活用はまだ一部のみに限られており、地域活動の縮小が危惧される状態にある。感染症流行期にあっても、一定水準の市民の地域活動ができるように、自治会など地域活動のICT化を促進することも必要ではないかと考える。
そこで、以下の点について伺う。
- ワクチン接種について
- ワクチン接種体制の確保の考え方について
- 高齢者への接種目標について
- 感染拡大の反省を踏まえた新たな日常について
- 感染症医療体制について
- 自治会など地域活動のICT化促進について
【1.a 1回目答弁要旨】
ワクチン接種体制の確保の考え方についてです。
ワクチンの接種体制につきましては、市民の皆様が安心して接種を受けることができるよう、豊橋市医師会の大きな御理解、そして、御協力のもとで、かかりつけの医療機関などで接種を行う個別接種を基本に、日曜・祝日には集団接種を補完的に行う体制を確保していきます。市民全員を対象としたこれほど大規模な予防接種は、いまだかつて例がなく、実現に向け、豊橋市医師会の皆さんと協議を進めてまいりました。これまでも何年にもわたり新型インフルエンザの住民接種計画を医師会と議論してきたことから、結論に至るまで、それほど意見の食い違いはございませんでした。様々な場面で市民の健康を支えてくださってきた豊橋市の医療機関の皆さんに御協力をいただいて、ワクチン接種の体制を確保し、実施してまいりたいと考えています。
【1.a まとめ】
ワクチンの接種体制の確保について、医師会の皆さんと協議を進めてきたこと、個別接種を基本に、集団接種を補完的に行うことなどお答えいただいた。
2月の半ばの東海地区のテレビニュースで、愛知県内各市町村の接種方法について、個別、集団、併用が色分けで表示、説明がなされているのを見た。そこでは、豊橋市は個別接種のみということだった。誤った情報が流れてしまったものと感じている。
また、今回のワクチン接種では、副反応の有無を確認するため、接種後15分から30分の待機が必要とされており、規模の小さい診療所などでは、その待機場所の確保が難しく接種を行えないところもあるという話を耳にしたこともある。こういうことも含め、医師会での協議がまとまる前に個別接種のみという情報が流れてしまったように感じる。
市民の中で高い関心を持たれることについては、医師会など関係機関との協議を積極的に行い、逸早く正しい情報発信に努めていただくことに期待する。
【1.b 1回目答弁要旨】
高齢者への接種の目標についてです。
高齢者へのワクチン接種に関しましては、国の指示のもと、3月中旬以降にクーポンをお送りして、4月から接種を開始する予定でありましたが、ワクチン確保の問題から、後ろ倒しとなる見込みです。ワクチンが順調に確保されれば、3か月程度で高齢者に関しては接種が完了できるものと試算をしており、高齢者につきましては、8割の接種を目標としているところです。多くの方が接種をしていただけるよう、ワクチンの効果や副反応のリスクなどの情報を提供し、皆さんが正しく判断できるような啓発を進めてまいりたいと考えています。
【1.b 2回目質問】
高齢者へのワクチン接種目標については、接種開始後3カ月程度で対象者の8割接種を目標としているとのことだった。
そこで2回目として、目標期間の3カ月の間に、特定の日時や場所に偏ることなく、接種作業を平準化するための方策について、考え方を伺う。
【1.b 2回目答弁要旨】
本市のワクチン接種は個別接種を基本としているため、日ごとに、医療機関ごとに、決められた予約の枠で接種を受ける人数をコントロールできますので、日時や場所で接種者が偏るといった心配はございません。
なお、予約につきましては、インターネットやコールセンターで空き状況を調べることができる予約システムの導入を検討しており、皆さんが予約に困ることがないようにしていきます。
【1,b まとめ】
インターネットやコールセンターで空き状況を調べることができるとのことだった。
個別接種ということになると、接種を受ける医療機関の数は大変多くなることが考えられることに加え、かかりつけ医を持たない市民も多くいることも考えられる。ある地域を選択すると、その地域における各医療機関の予約状況が一覧できるなど、ウェブページの見やすさの工夫をしていただくことを期待する。
【2.a 1回目答弁要旨】
コロナの医療提供体制については、豊橋市の急性期を担う主な病院や医師会との連絡会議を随時開催し、協議をしてまいりました。第3波におきましては、市内においても病床が逼迫する状況にあり、東三河南部医療圏内や愛知県内の病院との入院調整を行うこともございました。このような経験を踏まえ、医療圏唯一の感染症指定医療機関である豊橋市民病院の機能強化と関係する医療機関との役割分担は欠かせないものと認識をしているところであり、豊橋市内はもちろんのこと、医療圏における病院との平時からの情報共有や連携は重要であると考えています。さらに、東三河全体でスムーズな意思疎通を図る必要があるため、協議の場の設置について県に働きかけてまいりたいと思っています。
【2.a 2回目質問】
第三波の経験を踏まえ、医療圏における病院との平時からの情報共有や連携が重要と認識していること、議論の場の設置について県に働きかけていくことなどお答えいただいた。今回、医療崩壊へのプロセスが他市事例などにより見えてきたと思う。このことを踏まえ、東三河での議論の場の設置にはすぐにでも動いていただくことを期待する。
そこで、2回目として、医療崩壊を防ぐ方策にもなり得る、軽症や無症状の方のための宿泊療養施設の課題と対応について、考え方を伺う。
【2.a 2回目答弁要旨】
宿泊療養施設につきましては、東三河の市町村と医師会との要望によりまして、豊川グランドホテルを愛知県で3か所目の施設として設置していただきました。第3波の感染拡大時におきましては、家族との隔離が難しい無症状者、軽症者の入所を受け入れ、有効に機能したところです。
現在は感染者が少なくなり、利用率は低くなってきていますが、施設の維持には、県の財政的負担や応援職員を出す関係市町村の人的負担も引き続き必要です。
また、開設当初には、利用者の退所後の消毒作業がフロア単位で行われていたため、次の受入れまで一定時間がかかっておりましたが、現在では部屋単位の消毒に変更され、効率的な運営に改善されています。
施設の在り方につきましては、この先、感染状況に応じ柔軟に対応していく必要があると考えていますが、現段階におきましては、再拡大に備え、引き続き確保が必要なものと考えています。
【2.a まとめ】
宿泊療養施設については、消毒作業の課題も解消され効率的な運営を行うことができるようになっているとのことだった。この経験は、次にあるかもしれない新たな感染症への対応に、是非、役立てられるようにしていただきたいと思う。
【2.b 1回目答弁要旨】
新型コロナウイルス感染症の拡大により、新しい生活様式の実践が求められており、これまでも地域の方々から感染リスクを心配する様々な声が市にも寄せられています。社会情勢が大きく変化し、自治会など地域活動においても新しい取組みが必要になっていると認識をしています。リモート会議などICT化の促進は、感染症対策として有効な手段であると考えます。必要な情報を地域の方に迅速に伝達できることは、利便性の向上も期待ができるわけです。デジタル環境の整備など課題はありますが、自治会などの地域活動におけるICT化の促進に向けた取組みについて、例えば、市役所が会場となる自治連合会の会議の一部にリモート会議を取り入れたり、ICTに関する研修会を開催するなど、市としてもできる限りの支援を行っていきたいと考えています。
【2.b 2回目質問】
新たな日常における自治会など地域活動のICT化促進については、感染症対策としても利便性の向上ということでも期待できるものであり、市として研修など支援していきたいとお答えいただいた。
では、2回目として、期待できる効果を上げることができるものとして、どのような技術をどのような場面で利用することが想定されるのか、スマートシティを標ぼうする、浅井市長としての現時点での認識を伺う。
【2.b 2回目答弁要旨】
AIやITを積極的に取り入れたスマートシティ化を進める中で、地域活動においても、ICTを活用することで新しいスタイルで地域活動を継続し、大切な地域のつながりを守り続けていけるものと認識しています。
地域活動を行う中で、顔の見えるお付き合いももちろん大切ですが、コロナ禍においては、集まらなくてもつながることができるオンラインツールを活用したお付き合いも重要と考えています。自治会や自治会役員が所有するスマートフォンやタブレットを使用したリモート会議を行ったり、情報提供のツールとして、一部の地域で取り組まれているホームページやFacebook等の活用をそれぞれの地域に広めていくことも大切と考えています。
ICTの促進に向けては、自治会の皆さんの御意見を聞きながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
【2,b まとめ】
地域活動におけるICT化ということについて、スマートシティを考える中でどんな方策を考えているのか確認させていただいたが、具体的な部分についてはまだあまり検討されていないという印象を受けた。
答弁にあったように、自治会の会議や情報発信のICT化ということはもちろん大切なことである。そして、さらに大切なことは、感染症拡大時期においても、どうやって住民同士のきずなを育んでいくのかという、その方法を考えることなのではないかと思う。
こういったことを実現する技術の研究や、Wi-Fi環境の拡充など、答弁で言われたように自治会の皆さんのご意見をしっかり聴きながら、積極的な取組みを期待する。
☆広域連携の在り方
【1回目質問】
地方自治体が発信力や影響力を高める手段としてまた施策のスケールメリットを得る手段として、広域的な地方自治体の連携は有効な手段であると考える。東三河広域連合はまさにこの考えに従い設立されたものと理解している。
浅井市長は「浅井よしたか『豊橋新時代宣言』 豊橋市長選立候補に向けた私の基本的考え方と主要施策」の中で、広域連携の推進を掲げており、「東三河全体の広域計画の作成を目指す(湖西市とも連携)」ということが記載されている。一方では、「東三河振興ビジョンの推進」ということも言っている。東三河広域連合では令和2年度から6年度を計画期間とする広域計画が動き始めたところである。浅井市長が言われる「東三河全体の広域計画」がどういう位置づけのものであるのか意味不明であり、説明していただきたい。
次に、東三河広域連合のホームページには、「取り組みのねらい」の2番目に「権限の委譲を受け地方分権改革を進めます。」ということが記載されており、既に介護保険や旅券発行に関連する事務等の権限移譲を受けている。今後も様々な県事務の権限移譲が行われると思われるが、東三河内の複数市町村にまたがるものについて、その受け皿を東三河広域連合とすべきか、豊橋市とすべきか、考え方を確認したい。
三点目として、浅井市長は「浅井よしたか『豊橋新時代宣言』」の中で、「三遠南信地域との連携推進」や「湖西市との連携」にも言及している。これらについて、広域連合設立の考え方について確認したい。
そこで、これまで申し上げたことについて、以下の3点について質問する。
- 浅井市長の主張する「東三河全体の広域計画の作成」について
- 東三河内の複数市町村にまたがる県事務の権限移譲先の考え方について
- 県境を越えた広域連合について
【1. 1回目答弁要旨】
市町村連携の強化に向けた当地域の広域計画といたしましては、愛知県が主体となって策定し地域の産学官で進める東三河振興ビジョンがあり、また、地方自治法に基づき、東三河8市町村が行う共同処理事務などを規定した東三河広域連合広域計画があります。そのいずれも、既存の枠組みの範囲において、地域のさらなる発展に向け様々な取組みが進められているところです。
こうした中、私たちの暮らすこの東三河地域は、県内でもいち早く人口減少局面に突入して、山間地域を中心に、大変厳しい状況を迎え、地域の衰退を招くことに大きな危機感を持っているところです。
さらには、新型コロナウイルスの感染拡大を契機とし、社会に大きな変化の波が押し寄せる中、既存の枠組みでは対応していない、また、対処できないなど、様々な課題に適応した新たな広域連携事業を見出していくことも必要であると考えています。その際、県や近隣自治体をも巻き込んだ新規事業の展開を図るには、既存の枠組みにとらわれず、各関係機関と闊達に議論をしていきたいという思いの中で、新たな広域計画の作成も見据えていきたいということの考えから、東三河全体の広域計画の作成を目指すと表現をさせていただいたものです。
【1. 2回目質問】
「東三河全体の広域計画」がどういう位置づけのものであるのか質問したところ、既存の枠組みに捉われることなく、県や近隣自治体をも巻き込んだ新規事業の展開や新たな広域計画の作成も見据えていきたい、とのことだった。
東三河全体の広域計画ということであるので、対象地域が東三河であることは疑いようがないと思われる。そして、既存の枠組みに捉われないということは、東三河広域連合でもないし、東三河県庁でもない、新たな枠組みを作ると理解せざるを得ない答弁だった。
そこで2回目として、東三河広域連合でもなく、東三河県庁でもない、新たな枠組みとしてどのようなものを想定しているのか、考え方を伺う。
【1. 2回目答弁要旨】
広域的な地域課題を解決するためには、その課題に応じて、最適な手法や枠組みで対応していく必要があると考えています。私たちの地域を取り巻く課題は様々ございまして、東三河8市町村共通のものもあれば、その一部のみの市町村が抱えるもの、また、県境を越えた市町村、あるいは、県や経済団体など、市町村以外の団体等と共通するものなど、多種多様であると思います。
また、その連携手法につきましても、広域連合を受け皿とする場合もあれば、同盟会といった任意団体として実施するものなど、様々な枠組みでの対応が想定をされます。
したがいまして、連携体制や連携手法は、一律で考えるのではなくて、地域の実情や課題に応じて最適な在り方を模索していくことが肝要であると考えています。
【1. まとめ】
東三河全体の広域計画策定の枠組みを質問させていただいたが、東三河の一部市町村の課題とか、県境を越えた市町村などを例にあげて答えていただいた。
私の疑問に答えるものではないと感じると同時に、豊橋新時代宣言にある東三河全体の広域計画策定ということについては、今のところ明確な考えはないようだということはよくわかった。任期中には明確に答えられるように、今後しっかり考えていただくことを期待する。
【2. 1回目答弁要旨】
東三河内の複数市町村にまたがる県事務の権限移譲先の考え方についてです。
生産年齢人口の減少に加え、新型コロナウイルス感染症蔓延による地域経済の低迷などを背景に、各自治体では財源や人員など、厳しい行財政運営が強いられる状況となっています。こうした中、地域住民にとって、真に暮らしやすく魅力あふれる地域を築いていくためには、県から必要な権限移譲を受けるなど、住民目線に立ったきめ濃やかな行政サービスの提供が必要と考えています。現在、東三河広域連合で実施している一般旅券事務など、一部の共同処理事務は県から権限を移譲されたものですが、そのいずれも地域住民への行政サービスの維持や事務の効率化といった観点から、権限移譲先として東三河広域連合が最適であるとの判断に至り実現したものとなります。
しかしながら、複数市町村にまたがる県事務の権限移譲先は画一的に全て東三河広域連合でというものではなく、該当する事務ごとに調査研究を行い、市町村議会や連合議会などでしっかりと議論を重ねる中で、地域にとって最適な権限移譲の在り方を目指すことが必要と考えています。
【2. 2回目質問】
今後、権限移譲を受ける事務が複数市町村にまたがるものについて、その受け皿について考え方を聞いたところ、画一的に東三河広域連合でというものではなく、市町村議会や連合議会での議論を重ね最適なあり方を目指すとのことだった。
しかし、もし複数市町村にまたがる事務を豊橋市で権限移譲を受けるということになると、豊橋市以外の自治体のための県の機関は存続することとなり、新たな豊橋市の機関と重複して類似した事務を行うこととなる。間違いなくスケールメリットはなくなるわけで、非効率になることが考えられるとともに、利用者の混乱もあるかもしれない。
そこで2回目として、成長する広域連合を掲げる東三河広域連合がある中で、複数自治体にまたがる事務の権限移譲を、豊橋市分のみについて、本市が単独で受け皿となることがあり得るのか、あるとすればその理由について伺う。
【2. 2回目答弁要旨】
事務の権限移譲を検討するにあたりまして、最も遵守すべきことは、地域の自主自立など、地方分権の原則のもと、住民にとって何が大切なのかを適切に捉えた、住民目線に立った行政サービスを提供することであると考えています。
こういった考えのもと、例えば、豊橋市保健所は、市民生活に最も身近な、本市が運営するからこそ迅速で地域に寄り添った感染症対策が可能であるというように実感をしています。権限移譲による身近な行政サービスの提供が住民福祉の増進につながるのであれば、費用対効果も踏まえた上で、本市が単独で受け皿となることもあり得ることと考えています。
【2. まとめ】
豊橋市保健所を例にあげ、本市が単独で受け皿となることもあり得るというお話をしていただいた。
しかし、豊橋市保健所ができたのは、東三河広域連合ができる前のことであり、中核市として権限移譲を受けたものである。成長する広域連合を掲げる東三河広域連合がある今とは事情が異なる。スケールメリットを犠牲にしてでも得られる効果を狙ったというものではない。
そのことを踏まえ、今後の権限移譲ということについては、権限移譲を受けることによる便益の向上と、負担増加のバランスについての検討をしっかりすべきと考える。
【3. 1回目答弁要旨】
県境を越えた広域連合についてです。
東三河、遠州、南信州からなる三遠南信地域もまた、古くからの文化的・経済的な結びつきを背景に、多様な取組みを展開しているところです。広域連携を進めるにあたっては様々なアプローチの仕方がありますが、ここでも最も大切なことは、真に地域住民が求める行政サービスをいかに提供するかということであり、住民目線に立った新たな共同処理事務等を見出していく連携の在り方の選択肢の一つに広域連合があると考えています。
県境を越えた連携において、とりわけ隣接する湖西市とは、仕事や買物などで日常的に行き来があり、先月には水道料金収納業務等の共同化に関する基本協定を締結するなど、住民生活の実情を踏まえた連携事業を積極的に見出していきたいと考えています。このため、今後におきましても、様々な可能性を検討し、最適な連携手法を選択しながら、地域の実情に沿った広域連携事業を積極的に推進していきます。
【3. まとめ】
三遠南信地域や湖西市など、県境を越えた広域連合ということについて、住民目線での共同処理事務等を見出す中で、広域連合など最適な連携手法を選択するとのことだった。
湖西市とは日常生活の上での関連は深く、特に通勤時間帯の交通渋滞の解消や、浜松三ケ日・豊橋道路建設推進など、両市が連携して取り組まなければならない大きな課題があると考える。しかし、それ以上に重要なことは、本市の持続可能性を脅かす、人口減少や気候変動などに起因する様々な課題に対して、市単独ではなくより大きな力で対応するものとして、広域連合などを考えるべきだと思う。
目先のことを考えるだけであってはならない。常に将来世代のことを考えることが重要である。より先のことを考えるためには、より広い枠組みで考えることが求められるはずである。大きな課題への積極的なチャレンジを期待する。
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