2020年9月18日(金) 決算特別委員会
青字は答弁
テーマ [普通地方交付税の不交付の影響について] [純資産本年度差額△58億円について]
[行財政改革プラン2016と財務諸表の関係について][資産の老朽化について]
[財務諸表数値改善の取り組みについて]

☆普通地方交付税の不交付の影響について
【1回目質疑】
 主要施策成果報告書によれば地方交付税467,323千円は前年度△48.3%となっている。その説明によれば、不交付団体になったためであるとのことであり、その影響について確認したい。
 普通地方交付税が不交付となったことで、臨時財政対策債の償還が実質的に市の負担になることになったと思われる。交付税算定における基準財政需要額の中で臨時財政対策債の元利償還額は、いくらだったのかについて伺う?

【答弁要旨】
 令和元年度の普通交付税を算定する際の基準財政需要額における、臨時財政対策債償還費の額は35億4,224万9千円でした。

【2回目質疑】
 総務省HPの地方債に関するQ&Aには、臨時財政対策債について「元利償還金相当額については、全額を後年度地方交付税の基準財政需要額に算入することとされ、各地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう措置されています。」とある。
 しかし、臨時財政対策債を発行後に不交付団体となることで、元利償還金を市が負担することになってしまうのは、地方普通交付税や臨時財政対策債の主旨に反するのではないのかと思われる。このことについて、どのように認識しているのかについて伺う。

【答弁要旨】
 普通交付税は、人口、小中学校の学校数・学級数・児童・生徒数、道路延長や道路面積などから算定した個別算定経費と、臨時財政対策債の元利償還金などの公債費を積み上げた基準財政需要額から、基準財政収入額などを差し引いて算定されます。
 このことから、臨時財政対策債の元利償還金は、基準財政需要額を引き上げる要素ではありますが、普通交付税の交付団体であっても、臨時財政対策債の元利償還金の全てを普通交付税で賄われているとは言えない状況と認識しています。
 このため、以前より、中核市市長会を通した国への提言において、地方財源不足の解消については、臨時財政対策債の発行等ではなく、地方交付税のさらなる引き上げにより対応するよう、継続して見直しを求めているところです。

【まとめ】
 地方の財源不足に対して、臨時財政対策債ではなく地方交付税の引き上げにより対応することを求めているとのことだった。
 また、令和2年度予算の予算説明書によれば、元年度末の臨時財政対策債の残高は353億円となっている。臨時財政対策債の元利償還金を上回る普通地方交付税が交付され続ければ、この金額は豊橋市の実質的な負債とはならないはず。不交付団体である限りはこれが豊橋市の実質的な負債になるわけで、財政健全化へのモチベーションに影響するものである。
 臨財債は資産の取得を伴わない負債であり、まさに次世代への負担の先送りということになる。今後、臨在債の発行を極力抑えるため、要望活動も含め最大限の努力を期待する。

☆純資産本年度差額△58億円について
【1回目質疑】
 一般会計等、全体会計のいずれもが純資産変動額が改善されていることは喜ばしいことであり、貢献された方々に敬意を表したい。
 その上で伺う。令和元年度の一般会計等の減少額は77億円であり、全体会計の減少額は58億円となっている。ここからわかることは、一般会計等以外の部分では19億円の純資産の増加があったということである。
 これに対して、平成30年度の一般会計等の本年度差額は116億円の減少であり、全体会計の減少額は118億円億円となっている。つまり、一般会計等以外の部分で2億円の純資産減少があったということがわかる。
 平成30年度と令和元年度を比較すると、一般会計等では純資産の減少額が116億円から39億円の改善がなされたものの、まだ77億円の純資産の減少となっている。これに対して、一般会計等以外の部分では、2億円の純資産減少が19億円の純資産の増加に転じたことになると思われる。これらについて、どのように分析し評価しているのかについて伺う。

【答弁要旨】
 純行政コストと財源との差額である本年度差額につきましては、一般会計等では、前年度で臨時損失に計上した豊川用水負担金の皆減により純行政コストが17億円改善されたこと、また、税収及び国県等補助金などの財源が23億円増加したことなどから、前年度に比べ39億円改善し、純資産の減少が抑制されたものと分析しています。
 一般会計等以外では、主に下水道事業において、前年度に比べ純行政コストの減や繰出金等の減により9億円の増、繰延収益として経理した国県等補助金の増により11億円の増となったことなどにより純資産が19億円増加したものと分析しており、特別会計や企業会計における純資産の増加が、全体会計における純資産の減少額の抑制に寄与したものと評価しています。

【2回目質疑】
 特別会計や企業会計における純資産の増加が全体会計における純資産の減少額の抑制に寄与したとのことだった。
 ここから見えてくるのは、令和元年度の財務諸表の純資産変動状況を見る限り、一般会計等以外の部分の合計は健全な状態にあり、全体会計の改善のためには一般会計等の改善が特に必要ということだと思われる。ただ、一般会計からは他会計に対して、様々な操出金が支出されている。一般会計にそのしわ寄せが寄っていると考えられなくもない。
 そこで、一般会計から他会計への繰り出し状況について確認したい。他会計への繰り出しということについては、総務省から操出基準が定められている。平成元年度の一般会計から他会計への繰出し額の合計は133億円あまりとなっているが、操出基準外に相当するものがどの程度あるのか、またその主な内容について伺う。

【答弁要旨】
 一般会計から他会計への操出金のうち、総務省が示しているのは地方公営企業に対する操出金のみですが、操出基準に含まれないものは、生ごみ、し尿・浄化槽汚泥の処理費用として下水道事業に対し繰出したバイオマス利活用センター負担金3億5,155万2,122円及び地域下水道事業に対する使用料改定負担軽減特例措置補助金4,914万9,090円があり、133億円の他会計への操出額のうち、約4億円が操出基準外に相当しています。

【まとめ】
 基準外操出の主となるバイオマス利活用センター負担金については、資源化センターのコスト縮減に寄与するものであり、相殺すると一般会計の大きな負担になっていないものと考えられる。ただし、特別会計への繰出しが適正であるのかについては、今回は確認できなかったが、確認する必要があると思う。

☆行財政改革プラン2016と財務諸表の関係について
【1回目質疑】
 行財政改革プラン2016取組状況報告書と財務諸表の関係について伺う。
 行財政改革プラン2016取組状況報告書の「プラン2016における重点目標の達成状況」の中の経済的効果額では、令和元年度の単年度の実績は9億934万円となっている。
 改善を行った場合、プラス効果に伴ってマイナス効果が生じることもあり得る。それらを含め精緻に計算されたものであるのか? この行財政改革プランの経済的効果額はどのように算出しているのか、その方法について伺う。

【答弁要旨】
 行財政改革プラン2016の経済的効果額の算出方法でございますが、新たな歳入の確保や経費の節減など、プランの取組項目により生じました歳入の増加額及び歳出の抑制額を積み上げたもの、すなわち経済的効果のプラス額を効果額として算出しております。

【2回目質疑】
 経済的効果のプラス額を効果額として算出しているとのことだった。マイナス効果については計算されていないということのようであり、改善・改革効果の評価方法としては、疑問が残る。
 次に、行財政改革プラン2016取組状況報告書p.4の「経済的効果額」の右端、「指標について」というところには、「事務の効率化、事業の見直しや人員の削減による経費削減」と書かれている。
 財務諸表のp.10、行政コスト計算書では、一般会計等の上から3行目、人件費は2億円増加しており、全体会計では3億円増加している。平成29年度から30年度にかけては、一般会計等も全体会計も12億円増加している。
 行財政改革プラン2016取組状況報告書の「⑥定員管理と給与の適正化」の総合評価欄には、「定員管理と給与の適正化については、おおむね順調に進んでいる」と書かれている。
 財務諸表の人件費の推移と行財政改革プラン2016の評価には違和感がある。どのような認識を持っているのか説明をお願いしたい。

【答弁要旨】
 行財政改革プラン2016の重点推進項目である「定員管理と給与の適正化」では、2つの施策「定員適正化と効果的な人員配置の推進」、「給与の適正化」において、それぞれ「概ね成果があがっている」、「成果があがっている」という評価結果になり、また、施策の下に位置付けられる3つの取組「定員適正化計画の計画的な執行」、「給与の適正化」、「各種手当の要件確認」において、全て「概ね順調に進んでいる」という評価結果になったことから、総合評価として「概ね順調に進んでいる」と記載したものです。
 この行財政改革プランの評価と財務諸表の人件費の推移との関係の認識でございますが、財務諸表が各会計の決算数値による金額ベースの報告資料であるのに対し、行財政改革プランは、定性的、定量的な目標設定の取組を組み合わせて評価したものであり、財務諸表と行財政改革プランでは作成の目的や評価の視点が異なるものです。

【3回目質疑】
 行財政改革プランでは、定性的、定量的な目標設定の取り組みを組み合わせて評価したものである、という答弁だった。
 しかし、行財政プラン2016取組状況報告書p.4の「指標について」というところでは、「経費削減や」「歳入の増加などの金額の総計を言います」と記載されている。評価においては定性的な取組み実績を含める、という説明は見当たらない。行財政改革プラン2016の評価はわかりづらいと言わざるを得ない。
 経済的効果額の目標自身についても、先ほど申し上げたように財務諸表の結果と比べてわかりにくいところがある。今後の行財政改革の目標のあり方について、改善すべきところがあると考えるが、その認識を伺う。

【答弁要旨】
 行財政改革プランの目標につきましては、目標をどのレベルにするのか、また、適正な指標は何かなど、これまで以上に財務部と連携しながら、適正でより分かりやすいものとなるよう努めるとともに、決算等と連動させるよう改善を検討していきます。

【まとめ】
 経済的効果額の目標を、決算等と連動させることなどを検討する必要があるとのことだった。
 計画の目標を確実に達成していくためには、主となる計画の目標と、ブレイクダウンした各種計画の目標が、直結したものであることが重要だと考える。下位の目標達成が、主となる計画の目標達成状況に見えるようにすることがモチベーションにつながるはず。
 また、主となる目標としては、長期的な展望を持つために必要な、資産や負債の状況まで見ることができる財務諸表を活用することが望ましいと考える。今後の検討に期待することとする。

☆資産の老朽化について
【1回目質疑】
 財務諸表に有形固定資産減価償却率についての記載がある。資産老朽化比率とも言われるものである。 一般会計、全体会計ともに、平成29年度以降上昇傾向となっている。そして、全体会計より一般会計の方が5%程度高い状態になっている。
 因みに各企業会計について計算してみると、病院事業会計は55.7%であり、水道事業会計では51.6%、下水道事業会計は49.2%、になると思われる。いずれも、全体会計の62,9%をかなり下回っている。これらから、一般会計と、もしかすると特別会計とが、資産の老朽化比率が高い原因になっていると思われる。
 公共施設等総合管理方針の中で、施策の方向性の一つとして、施設の長寿命化ということが言われており、資産老朽化比率が上がることは考えられる。しかし、長寿命化工事をすることで資産価値は上がるはず。
 このことを踏まえ、一般会計や特別会計の資産老朽化の現状をどのように分析し判断しているのか、認識を伺う。

【答弁要旨】
 本市の一般会計等における有形固定資産減価償却率は、中核市平均と比較して比率が高くなっており、資産の老朽化が進行しているものと認識しています。また、全体会計で見ますと、一般会計では市営住宅及び学校施設、特別会計では公共駐車場の比率が高くなっています。
 老朽化対策の一つである施設の長寿命化工事については、資産形成分の資産価値は増加するものの、更新とは異なり、資産本体の耐用年数を延長するものではないため、有形固定資産減価償却率の改善効果は限定的ではありますが、適切に手を入れることで、現有資産の長期にわたる活用が可能となり、施設のライフサイクルコストの低減に寄与しているものと認識しています。
 資産老朽化については、公共施設等総合管理方針等を踏まえ、有形固定資産減価償却率などの財務諸表の情報も参考としながら、個別施設計画に従って適切に対応していくものと認識しています。

【まとめ】
 資産老朽化については、個別施設計画に従って適切に対応していくとのことだった。 個別施設計画については既に策定作業も進んでいると思われるが、その計画により、行政コストがどう変化するのか、資産老朽化比率がどう変化するのかについては、あらかじめ検証し適正であるのかどうか慎重な判断をしていただくことを期待する。

☆財務諸表数値改善の取り組みについて
【1回目質疑】
 豊橋市全体会計の純資産額は平成28年度末の5,170億円に対し令和元年度末では4,883億円となっており、3年間で287億円も減少している。市民一人あたり約40万円減少しているということになる。
 このまま減少傾向を見過ごすべきではできないと考える。中長期的に資産老朽化比率や純資産変動額の改善の目標を建て、戦略的に改善の取り組みをすることが必要と考える。今後の取り組みのあり方について認識を伺う?

【答弁要旨】
 資産と負債の差引であり正味の財産を表す純資産は、行政コストの増減やそれを賄う税収等の状況が影響するもので、資産老朽化比率は、固定資産の耐用年数に対して取得からどの程度経過しているかを示すものです。
 これらは、これまでに行財政運営に取り組んできた結果を示しており、効率的な行財政運営に向けて必要なツールであると認識しておりますので、貸借対照表の数値や指標等を参考に、財政計画を策定していくことを考えています。
 今後は、これら財政計画や個別施設計画に沿って、選択と重点化による効率的な予算配分と、新たな財源や国庫補助金の確保などの取組を行うことが重要であると認識しています。

【まとめ】
 現在の統一的基準による財務諸表は平成28年度決算から作成されるようになり、既に4年分のデータが蓄積された。大変な労力を費やしたと思われるが、まだその成果を十分に活用しているようには見えない。まずは財務諸表の徹底した分析が必要だと考える。


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