2019年3月6日(水) 一般質問
青字は答弁
質問テーマ [財務諸表から得られるコスト情報やストック情報の活用]

財務諸表から得られるコスト情報やストック情報の活用

【1回目】
 本市では、平成28年度決算より、統一的基準による財務諸表の作成を行っており、平成30年度には監査法人と財務諸表を作成、活用支援の業務委託契約を結び、専門的な意見を聞きながら分析を始めている。
 また、総務省が作成する平成29年と平成30年版地方財政白書においては、財政マネジメントの強化として、2年連続で以下の記載がされている。
 まず、地方公会計の整備と活用の促進の項では、地方公会計について、現金主義会計では見えにくいコスト情報やストック情報を把握することを可能とするものであり、中長期的な財政運営への活用が期待できるものであるとしている。また、人口減少、少子高齢化が進展している中、財政のマネジメント強化のため、地方公会計を予算編成等に積極的に活用し、地方公共団体の限られた財源を賢く使う取り組みを行うことは極めて重要であるということも言っている。さらに、事業別・施設別のセグメント分析を行い、資産管理、予算編成や行政評価等に積極的に活用していくことが重要であるということも言っている。
 本市では、人口減少、少子高齢化の影響もあり、平成28年度決算、平成29年度決算において、一般会計と全体会計ともに純資産の本年度差額がマイナスであり、減少となっている。
 持続的な市政を確実にするためには、戦略的取り組みを行えるようにするためにも、一層の財政マネジメントの強化が必要であると考える。そこで、以下について質問する。

  1. 財務諸表の活用支援委託をしている監査法人の専門的意見による分析の状況について
  2. 財務諸表活用に関する総務省通達への対応について
    1. 中長期的な財政運営への活用について(総合計画、行財政改革プラン等)
    2. 資産管理への活用について
    3. 行政評価等への活用について

【1. 1回目答弁要旨】
 本市が委託しております監査法人からは、固定資産台帳の管理・運用及び財務書類の作成や活用に関する助言指導をいただいています。
 まず、財務書類の作成につきましては、経費の仕訳方法などの疑問点への技術的な指導や、各種指標に対する職員の分析に対し、発生主義会計に精通している専門的な立場から意見をいただいています。なお、今年度は監査法人から指導を受けまして、河川等の資産に係る過年度修正を行いました。
 また、その活用につきましては、財務書類の分析手続の一つでありますセグメント分析の実施方法について助言を受け、試行的に施設をセグメントとした財務書類を作成しているところです。

【1. 2回目質問】
 監査法人の専門的意見による分析の状況について、主に2点お答えをいただいた。
 まず、一つ目の、監査法人の指導による河川等の資産にかかわる過年度修正ということについては、91億円にも上る大変大きな修正だった。このことについては、昨年の決算特別委員会で質疑をさせていただいており、誤って計上してしまった経緯とか再発防止策ということについては既に確認をさせていただいているので、このことについてはこれ以上ここでは聞かないこととする。
 二つ目の、セグメント分析の実施方法について助言を受け、試行的に施設をセグメントとした財務書類を作成しているということについて伺う。
 セグメント分析をする大きな理由の一つは、全体の傾向の原因を探るため、まず大分類による分析を行い、さらに中分類による分析、小分類による分析を行い、真の原因を突きとめ効果的な対策を講じることにあると考える。
 今回、施設をセグメントとする分析を行おうとしているのは、いきなり小分類に相当する分類の分析を行うことであるかのように見える。これで全体の傾向の真の原因を突きとめ適切な対策を講じるということにつながるのかどうか、疑問に思われる。
 施設をセグメントとした財務書類の作成とその分析を行うことについては、監査法人はどのような助言をされているのかということについて伺う。

【1. 2回目答弁要旨】
 まず、総務省のマニュアル等におきまして、セグメント分析は行政内部のミクロ的視点での活用を主に想定しているものです。
 また、監査法人からは、セグメント分析について、まずは施設別のセグメントから作成することが望ましいと助言を受けています。
 その理由ですが、行政内部の活用として、個別施設の統廃合の検討に有効であることや、施設の受益者負担の適正化に活用ができること、また、行政の外部への活用として、施設のセグメントを公表することでわかりやすい情報提供が可能となることなどです。

【1. 3回目質問】
 セグメント分析は、個別施設の統廃合の検討や施設の受益者負担の適正化に利用できるということで、まず施設単位でのセグメント分析を行うという考えであることについては理解した。ぜひ、分析結果についてしっかり活用していただくことを期待をしたいと思います。
 そして、先ほど申し上げたように、地方財政白書では、同セグメント分析ということについて事業別・施設別のセグメント分析を行い、資産管理、予算編成や行政評価等に積極的に活用していくことが重要ということを言っている。
 施設別セグメント分析については、御答弁にあったように、既に着手をしている。そこで、事業別のセグメント分析に今後どのように取り組んでいくのか、その予定について考えを伺う。

【1. 3回目答弁要旨】
 事業別セグメント分析の今後の予定でありますが、まずは施設別セグメント分析によるコスト評価を順次行いまして、その結果をどのように活用できるのかを検討したいと考えています。
 事業別につきましては、先進事例等を参考に、活用場面を考えながら段階的に拡大していきたいと考えています。

【1. 4回目質問】
 先進事例を参考にしながら段階的に拡大をしていきたいという趣旨の御答弁でありましたけれども、かなり時間がかかりそうだなという印象であります。
 (2)のaの1回目の答弁の中には、財政状況や財務分析を踏まえ総合計画の策定をしていくということを言われておいる。総合計画の策定は、10年に1度のことである。新年度からはその策定の準備が始まると思われるが、今回の総合計画の策定に当たっては、事業別セグメント分析の結果を反映させる考えはないということになるのかどうか、お考えをお聞きしたい。

【1. 4回目答弁要旨】
 現在は、文化施設5施設を対象として、試行的に施設別セグメント分析を実施し、この活用法を検討しています。
 その後、事業別セグメント分析については順次試行する中で、どのように活用できるかを検討していくという予定でありますが、セグメント分析は部分的な分析を行うものでありますことから、個別の事業の効率化、あるいは事業費削減等を図る上では大変有効なツールであります。しかしながら、総合計画への直接的な反映は難しいものと考えております。
 1回目の答弁でお答えしましたとおり、総合計画の策定に当たりましては、財務諸表から得られる情報を含めた財政状況を土台として活用していくことを考えています。

【1. まとめ】
 総合計画の策定に当たっては、財務諸表から得られる情報を含めた財務状況を土台として活用していくというお答えでだった。事業別セグメント情報については、ちょっと間に合わないということだろうかと思う。既に次期総合計画の策定まで残り2年ということであり、それもやむを得ないかというように思われる。
 ただ、今後、5年後には後期実施計画ということがあるが、その際には、事業別セグメント分析の結果を反映できるように、監査法人のアドバイスを受けながらぜひ検討していただくということを期待をしたい。1.については終わりたい。

【2.a 1回目答弁要旨】
 固定資産台帳の整備に伴い、将来において公共施設等の維持・更新費用の増大が見込まれることがわかりましたので、これに備えるため、今年度、公共施設等整備基金を造成し、計画的に積み立てることとしています。
 総合計画は、目指すまちの姿とその実現に向けたまちづくりの基本的な考えを示すものでありますが、財政状況や財政分析を踏まえて策定すべきものでありますので、そういった面での活用を考えています。
 また、行財政改革プランへの活用につきましては、ストック情報やコスト情報を評価指標に設定することが考えられますので、活用手法については今後勉強してまいりたいと考えています。

【2.a 2回目質問】
 中長期的な財政運営への活用ということについて、3点のお答えをいただいた。
 まず、1点目の公共施設等整備基金については、1年前の予算特別委員会で考え方等を確認させていただいており、今回はこれについて聞ない。
 もう一つ、3点目の行財政改革プランへの活用については、ストック情報、コスト情報を評価指標に設定することについて勉強していくとのことであり、今後に期待をしたい。ぜひしっかり勉強していただきたい。
 そこで、2点目で言われた、総合計画は基本的な考え方を示すものだが、財務分析を踏まえ策定すべきものであり、そういった面での活用をしたいという答弁について、さらに伺う。
 まず、これまでの右肩上がりの時代における総合計画の在り方と、これからの人口減少、少子高齢化が進展している中での総合計画の在り方については、同じようなものであっていいのかということについて考える必要があると思う。
 先行き不透明な時代になる。先行き不透明な時代であるからこそやらなければいけないというのは、目標を定め、積極的にあるべき姿を示し、それを追求していくということが必要なのではないか。
 既に本市においても2年連続で純資産が減少をしている。今後さらに厳しさが増すことが予想される中、純資産の減少が続けば、充実した行政運営の阻害要因になることは十分に考えられる。そうならないように、自治体の持続可能性を確かなものにすることが、次の総合計画に求められる大きな要素なのではないか。地方財政白書で言うところの人口減少、少子高齢化が進展している中、財政のマネジメント強化のため、地方公会計の予算編成等に積極的な活用をということは、今、私が申し上げたようなことを言っているのではないかと思う。
 先ほど答弁で言われたとおり、これまでの総合計画は基本的な考えを示すものであり、財政の見通しについては、実施計画の中で、一般会計中期財政見通しとして参考的に示されるものだった。しかし、次の総合計画については、自治体としての豊橋市の自立した行政運営を確実に持続できるよう、財政マネジメントの強化をするべきと考える。
 そういう意味で、これまでの総合計画の在り方とは一線を画して、純資産の変動額を総合計画における主要な目標としておくべきではないかと考えるが、認識を伺う。

【2.a 2回目答弁要旨】
 総合計画策定に当たっては、長期の財政見通しを的確に見積もる必要があり、財務諸表もそのための材料の一つになるものと考えられますが、純資産の変動額を主要な目標とするかについては、計画全体の構成の中で検討していくものと考えています。

【2.a 3回目質問】
 総合計画の中で財務諸表の活用を考えるけれども、純資産の変動額を主要な目標とするかについては今後の検討ということだった。そういうことであれば、これ以上聞くことはなかなか難しいと思われるので、このことについては別の角度から一つ確認をさせていただきたい。
 これまでの総合計画の実施計画における中期財政見通しでは、一般会計についてのみの見通しが示されていた。
 公営企業とは会計方式が異なるため、一般会計と公営企業を同列に並べることができないというのはやむを得ないことであるというように思う。しかし、統一的基準による財務諸表では、一般会計等のほかに特別会計や企業会計など全ての事業を含む全会計の財務諸表もつくられている。そして、その中には、純資産変動計算書があり、全会計の場合、純資産変動額としては、平成29年度の1年間で26億円が減少し、平成29年度末では、豊橋市全体として約5,000億円の純資産があるということが示されている。従来の会計処理の中では、こういったことを示されるということはなかったと思う。それがはっきり見えてきたというのは、本当に重要なことではないか。
 自治体が自立した運営を確保することが難しくなりつつあるのかどうか、その判断基準としては、従来型の会計から得られる数値と比べて、財務諸表における全体会計の純資産変動額ははるかにわかりやすいものであるというように言えると思う。
 そこで、今後、財政マネジメントの強化を進める中で、全体会計の純資産変動額は特に重視すべき目標であると考えるが、当局としてどのように認識をされているのかということについて伺う。

【2.a 3回目答弁要旨】
 市の主要な会計は一般会計ですが、各会計へ繰出金を繰り出しているといったことを考えると、全体会計の純資産変動額を分析することで市全体の純行政コストが税収や保険料、国庫補助金等でどの程度賄われているか、また、どの会計でより行政コストの縮減等を推し進める必要があるかを判断するという点で、重視すべき指標であるものと認識しています。

【2.a まとめ】
 全体会計の純資産変動額について、重視すべき指標であるという認識をお示しいただいた。
 財政マネジメントの意義は、自治体の持続可能性、まちの持続可能性を確かなものにする方策を確立することであるというように考える。全体会計の純資産を確保するために、全体会計の純資産変動額について、総合計画など中長期計画の主要な目標として積極的に取り組むことを期待をする。先ほどはまだまだ今後の検討ということだったが、ぜひともこの辺は検討していただきたい。以上でaについては終わりたい。

【2.b 1回目答弁要旨】
 資産管理への活用につきましては、2点あります。
1点目は、施設の使用料及び利用料につきまして、受益者負担適正化の観点から、算出の基礎として減価償却費を活用し、改定を行いました。
 2点目は、公共施設白書の作成において、現金主義会計では見えない減価償却費を盛り込むことで、市民へのわかりやすい情報提供を行うとともに、担当課のコスト意識の向上に努めているところです。

【2.b 2回目質問】
 資産管理への活用ということについては、施設利用料の改定に減価償却費を考慮したこと、公共施設白書に減価償却費を盛り込むなどを行っているということだった。ただ、一層の財政マネジメントの強化のためには、市が所有する資産の総量について判断し、方向性を示していくことが重要ではないか。
 本市が公表する財務諸表には、財政指標も記載されている。幾つかあるが、その中で資産管理に関連するものとして、歳入額対資産比率、あるいは有形固定資産減価償却率、これは資産老朽化比率という説明もついているが、これらが挙げられている。ストック情報の活用ということでは、これらは重要な指標になる。
 平成28年と平成29年でどういうトレンドがあったかというのを見たいのだが、先ほど申し上げたように、平成29年度決算においては90億円を上回る無償所管換等で大きな金額が動いており、ホームページに示されているものではすぐにわからない。
 そこで、このことを訂正した上で、一般会計等の歳入額対資産比率や有形固定資産減価償却率の値、あるいはトレンドについてどのように判断し、課題として何を把握しているのかということについて、認識を伺う。

【2.b 2回目答弁要旨】
 平成29年度決算で過年度修正を行ったものは、対象の資産及び資産に係る平成28年度までの減価償却累計額です。
 修正の影響を除いた平成28年度決算を考える場合には、平成27年度までの減価償却累計額を控除する必要があり、実際の修正との差額である1年分の減価償却額の算出に当たり相当な時間を要するため、トレンドにつきましては、平成29年度に過年度修正を行わなかったと仮定して、平成28年度と比較してお答えさせていただきます。
 まず、形成したストックとしての資産が歳入の何年分かを示す歳入額対資産比率です。これは、資産合計が分子にあって、歳入総額が分母にあります。平成29年度は、前年と比較して分母の歳入のうち税収等が増加した一方で、分子の資産が減少したため、値は小さくなっています。類似都市と比べて少なくなく、この値は、資産形成の度合いとして適切な範囲内であると考えています。
 次に、耐用年数に対し資産取得からどの程度時間がたっているかを示します有形固定資産減価償却率、先ほどの資産老朽化比率ですが、公表している値では微減となっていますが、修正の影響を除きますと、実質は増加して、老朽化しており、他都市と比較しても高い状況にあります。
 このことから、引き続き公共施設等総合管理方針に基づき、施設の長寿命化や施設保有量の適正化に取り組む必要があると考えています。

【2.b 3回目質問】
 歳入額対資産比率は適正な範囲であり、値は減少している。また、有形固定資産減価償却率、つまり資産老朽化比率については他都市と比較して高い状況にあり、値は実質的には増加であるということだった。つまり、他都市と比べて資産の老朽化が進んでいる、更新がおくれ気味であるということで、さらにそれがこの1年間、平成28年から平成29年にかけて進んだということである。
 あらかじめ伺ったところでは、歳入額対資産比率の分子の計算の中で、資産形成額より減価償却費が上回ったために、分子が小さくなっているということです。つまり、減価償却で資産の価値が下がります。本来であれば、それ以上の更新をして新たな資産が計上されていけば分子は減らないが、減価償却に相当する分だけの新たな施設更新がされておらず、この部分からも償却資産の更新がおくれ気味であるということがわかる。また、その対応として、引き続き、公共施設等総合管理方針に基づいて施設の長寿命化や施設保有量の適正化に取り組むということだった。
 公共施設等総合管理方針については、その目標に関する記述の中で、長寿命化実施後(耐用年数47年から80年)の建物の維持・更新費用は以下のとおり平成47年度までの間は比較的少なくなるものの、平成48年度以降は増加していきます、とあります。これは、一見すると負担の先送りであるかのようにも見える。
 コスト情報やストック情報の有効活用を行うことで、将来世代に負担の先送りをしないようにすることを考えるべきではないか。
 私なり、具体的にどうすればいいのかということを考えてみた。一つのやり方としては、まず、減価償却費が平準化されるような施設等の更新計画の策定をしていく。そして、その減価償却費を含む行政コストが予想される財源を上回らないように、公共施設等の減価償却費の総額を見定め、そこから逆算をして、保有可能な公共施設等の総量を算出し、それを公共施設等の保有総量の目標として設定することというのも、一つの方法としてあるかというように思う。
 このような方法により、将来世代への負担の先送りをすることがないように、コスト情報やストック情報を有効活用することについて、その必要性について認識を伺う。

【2.b 3回目答弁要旨】
 コスト情報やストック情報の有効活用により将来世代の負担を考えるということは、大変重要であります。しかし、将来世代の負担だけを意識するということは、現在の市民への行政サービスが低下することにつながる恐れがあります。
 このため、施設の総量につきましては、利用状況や人口推移等を注視しつつ、行政サービスを提供するのに必要な公共施設はどれくらいかを検討し、更新等の際に機能の複合化を行うなど、適正化を行ってまいりたいと考えています。
 また、その他業務の効率化などとも合わせまして、全体として行政コストの削減及び財源の確保を図り、将来世代の負担の軽減を目指していきたいと考えています。

【2.b まとめ】
 今のお話の中で、将来世代への負担のことばかり考えると現世代へのサービスが低下するというおそれもあるということも言われたが、私が申し上げているのは、負担ばかりの話だけではなくて、便益、負担、両方を含めた意味で、現世代、将来世代の間が大きな差がないようにしていかなければいけないということだ。ぜひともそこら辺のことについて検討していただきたい。

【2.c 1回目答弁要旨】
 先進事例では、事務事業別の行政コストを算出し、行政評価の指標の一つとしている自治体もありますが、システム面等で全ての事業について網羅的に作成する体制ができていませんので、財務諸表の情報を行政評価へ活用するにまでは至っていません。
 施設の評価に係る活用としては、今年度、施設別の行政コスト計算書の作成を試行しており、今後、個別施設の統廃合の検討などに当たり、類似施設のコスト情報を比較するなど、判断材料の一つとして使用することを想定しています。

【2.c 2回目質問】
 行政評価への活用は行っていないこと、個別施設の統廃合の検討での判断材料として活用することを想定していることなどお答えをいただいた。コスト情報の活用ということについては、さらに検討していく必要があると考える。
 ちなみに、財政指標の中には、市民1人当たり行政コストや行政コスト対税収等比率が示されている。これらについても、減価償却費の計算などにおいても無償所管換等の影響があると思われる。
 この影響を是正した上で、一般会計等における市民1人当たり行政コストや、行政コスト対税収等比率の値やトレンドについて、どのように判断し、課題として何を把握しているかということについて認識を伺う。

【2.c 2回目答弁要旨】
 先ほどと同様に、過年度修正を行わなかった場合の比較でお答えしますと、まず、市民1人当たり行政コストについては、平成28年度と平成29年度でほぼ横ばいであり、同規模自治体と比較しても低く抑えられているので、効率的な行政活動が行われていると考えています。
 次に、純経常行政コストに対しまして、どれだけが当年度の税収等の税財源で賄われたかを示す行政コスト対税収等比率、これは、分子に行政コストがあって分母に財源があります。これについては、市況を反映し、税収が増加したことから、平成28年度と比較して改善していますが、100%を超えています。ということは、蓄積された資産が取り崩されたということを示していますことから、さらなる行政コストの縮減及び財源の確保が課題であると認識しています。

【2.c 3回目質問】
 市民1人当たり行政コストや行政コスト対税収等比率について、認識をお示しいただいた。また、そこから導かれた課題については、さらなる行政コストの縮減及び財源の確保が課題であるということだった。
 これらの課題について、今後、どの計画の中で対応策を講じていくことを考えているのか、また、その計画の中に行政コストの縮減額、財源増加の必要額を目標として明示していく考えがあるのかどうかということについて、お考えを伺う。

【2.c 3回目答弁要旨】
 コスト縮減や財源の確保の観点から言えば、行財政改革プランの中で対策を講じていくべきものと考えますが、どのような形で目標に反映させるかについては、次期プラン策定の中で考えていきたいと考えています。

【2.c 4回目質問】
 行政コストの縮減額、財源増加の必要額については、次期行財政改革プラン策定の中で考えていくということだったので、期待をしつつ注視したい。
 そこで、最後に、今回の質問全般を通じて一つ確認をさせていただきたい。
 昨年の3月定例会一般質問におきいて、純資産変動額の改善ということについて質問をさせていただいたとき、金田副市長から、答弁として、今後においては純資産が減少する要因を明らかにし、それを踏まえた対策をしっかりと講じるとともに、財務諸表を活用した予算編成や資産管理を取り入れながら、将来を見据えた財政運営を行っていきたいということをお答えいただいている。
 しかし、今回質問をさせていただいた感想としては、この1年で施設単位でのセグメント分析への取り組みということは行われているが、ほかの動きはなかなか見えないようで、どうもスピード感が感じられない。
 今後の人口減少、特に生産年齢人口の減少が加速すること、そして、10年に一度の次期総合計画の策定が間近に迫っていることを考えると、対応が後手に回ってしまうことがないのかということが危惧される。
 今後の純資産確保に向けた、コスト情報、ストック情報の活用への取り組みの考え方をお伺いいたします。

【2.c 4回目答弁要旨】
 財務諸表に関しまして、昨年3月定例会で私の答弁を踏まえての御質問ということですので、私から答弁させていただきます。
 今、議員のお話の中で、この1年の取り組みを踏まえると、スピード感に乏しいのではないかというような御指摘をいただきましたけれども、コスト情報やストック情報をしっかり活用していくという基本的な考え方については、いささかも変わるものでございません。これからもしっかりやっていきたいと考えています。
 この統一的基準の財務諸表については、平成28年度からであり、作成開始から2年ということで、まだデータの蓄積に関してはやはり不十分かなという点もあるかというように思います。ただ、これまで公表されている他都市との比較ですとか、この経年変化を見る中で、本市の改善すべき点も見えつつあるというように思っています。
 また、総務省から平成28年度の全国の財務諸表の書類の集計がこれで公表されるというように聞いているところですので、他都市との比較が可能な状況になってきますので、さらに細かな分析ができるだろうと思いますし、そこから見えてくる改善点も出てくるのだろうというように思っています。
 純資産確保に向けての対応ですが、これまで財務部長から御答弁申し上げたとおりですので、ファシリティマネジメントの施設の量や質の適正化を初めとして、既存事業の見直し、それから費用対効果の検証、さらなる歳入確保策の検討など、順次進めていきたいというように考えています。
 また、財務諸表の総合計画への活用の問題ですけれども、目標ということを議員のほうからいろいろ言われておりますが、計画期間において、財務状況が計画期間の中でどういう姿になっていくのかということについては、やはりこれは一定の把握をしていかなくてはいけない内容だろうというように思っていまして、どういうあらわし方ができるかということについて策定をしていきますので、その策定過程の中で検討をしていきたいというように考えています。

【2.c まとめ】
 まず、今後総務省から全国の平成28年度財務書類の集計が公表されるということで、比較が可能な状況になってくるので、細かく分析を進めて改善点を明らかにしていきたい、対応をしていきたいということであったので、そのことについてはぜひ確実に進めていただくことを期待したい。
 それから、総合計画のコスト情報、ストック情報に関する目標になるのか、見通しなのか、そういったことについての表現の仕方については今後勉強していきたいという御主旨であったというように思う。総合計画へのコスト情報、ストック情報に関する見通しの仕方について、ぜひ、そういう部分では、検討していただけるということは望ましいことだと思うので、しっかりやっていただきたい。
 私としては、目標にしていただくことをぜひ期待したいと思うので、そういったことも検討していただきたい。
 人口減少、少子高齢化など、これまで経験したことがない状況に的確に対応していくためには、財政マネジメントの強化は必須のことであろうというように考える。
 その対応のためには、コスト情報やストック情報の活用ができるような職員教育の実施、あるいは専門的な知識を持つ人材の育成が急務であるというように考える。つまり、専門的に分析する人も必要だし、一般の職員の皆さんもそのことについて理解をし、対応するという知識を身につけるということ。そういう意味で、コスト情報、ストック情報を存分に発揮できる人材育成ということについて、積極的な取り組みをしていただくことに期待をしたい。以上で私の質問を終わる。


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