外国人子弟の大学進学状況について
【1回目質疑】
多文化共生推進計画には平成28年度外国人県民アンケート(豊橋市)の結果がグラフで表示されており、「あなたは日本に何年住んでいますか」という問いに対しては10年以上日本に住んでいる人が約70%になる。「今後も日本に住み続けますか」という問いに対しては、「ずっと日本に住み続ける」という人が50%います。このことから、豊橋市内には既に豊橋市内で生まれたあるいは相当小さい時期に豊橋に来て、育った子供さんが多くいることが推察される。
そして、次のグラフには「あなたは子供にどこまで進学して欲しいですか」という問いに対する答えとして、「日本の大学・大学院を卒業」というのが47.3%であり一番多くなっている。そこで、現在の豊橋の外国人子弟の大学進学状況または高校進学状況について教えていただきたい。
【答弁要旨】
大学の進学率については把握していません。高校進学率の推移は、27年度で89.2%、28年度で91.3%、30年度は95.8%です。
【2回目質疑】
高校進学率は着実に上昇しており、いい方向に進んでいると考える。大学進学率については、これだけ多くの希望がありながら、把握がされていないということなので、今後把握の努力をしていただくことを期待する。
2010年6月の一般質問で私が外国人の就業環境の改善とか就業支援ということについて質問させていただいた時、答弁の中で「外国人の子ども達が夢を持って社会生活を送ることができ、幅広い職業の選択ができるような教育環境の充実に取り組で参りたいと考えています」という、素晴らしいことを言っていただいている。逆を言うと、夢を持てない子ども達が増えれば社会の中の不安定な要因になることが考えられる。社会が安定しているためには、子ども達が取り残されることなく夢を持って育つことができる環境づくりが大切であると考える。
そこで今回、このアンケートの中で日本の大学や大学院を卒業させたいという外国人の親御さんが5割近くあることに対して、今回の計画の中でどのような方策を考えているのかということについて認識を伺う。
【答弁要旨】
本市では児童・生徒への就学支援として、小中学校にプレクラスとかこの4月に豊岡中学に開校した「未来」による日本語初期支援を実施しています。また、国際交流協会とかNPO法人アーベーテーブラジル協会による小学生のサマースクールとか、中学生のアフタースクールなど幅広い支援に取り組んでいます。
これらの取り組みにより、高校進学率は先ほど申し上げたように95.8%となっており、ほとんどの生徒が進学の道へ進んでいます。
今後は高校進学後も日本語学習を進めることができるように、計画に記載の通り、定住外国人高校生の日本語学習支援事業に取り組んでいきたいと考えています。また日本語能力試験助成事業ということでもサポートしていきたいと考えています。
【まとめ】
外国人高校生の日本語学習支援事業、日本語能力試験助成事業などを行って、外国人子弟の日本語能力を高めることがより高い教育機関に進むために必要であるとのことであり、それは必要なことと考える。
私が住む地域には多くの外国人が暮らしている。そういう外国人の子弟がコンビニでアルバイトをしているのを見かけることもある。目をつむっていれば日本人か外国人かわからないほど流ちょうな日本語を話すし、読み書きもできる。このことを考えると、日本語の支援をすれば進学率が上がるということではないと思う。経済的なこともあると思われるが、一つ言えるのは進学指導ということなのではないか。自分がこういう仕事につきたいと思ったらどういう学校に行けばいいとか、その学校に行くためにはどんな勉強をすればいいのかなど、教えてくれる環境が足りていないのではないのかと感じる。この辺りも考えていただけるといいのではないかと思う。また、一人だけでは心が折れるということもあり得る。仲間が作れる環境ということも考えていただけたらということも感じる。
少しそれるが平和・交流・共生の都市宣言についても申し上げたい。国連ではユネスコが平和ということに積極的に取り組んでいる。その考え方としては、無知と偏見をなくすことが平和につながるということだと理解している。豊橋市にはユネスコスクールがあり、持続可能な社会づくりの教育、いわゆるESDに取り組んでいる。日本で一番ユネスコスクールの多い町である。
豊橋市の平和・交流・共生の都市宣言ではSDGsということも言われており、持続可能な社会づくりが平和に重要な意味を持つことが認識されている。ユネスコスクールということについても、この計画の中に位置付けていただくこともご検討いただければと思う。