2017年12月4日(月) 一般質問
青字は答弁
質問テーマ [内部統制の充実に向けた取り組み][豊橋市人材育成基本方針]

内部統制の充実に向けた取り組み

【1回目】
 平成26年度予算では、行財政改革推進事務費の中に初めて「内部統制の整備・運用」が含まれた。この年が、豊橋市の「内部統制」の整備・運用に取り組むこととなった初年度ということになり、それから3年半が経過した。
 この年の予算委員会でその予算計上に至った経緯を質疑したところ、平成21年に総務省が公表した「地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会最終報告書」において、業務リスクに着目した組織マネジメントの構築などの提言がなされていたことから、地方分権改革が進展する中で、業務の効率化や法令等の遵守を図り、市民に信頼される地方自治体を目指す必要がある、と考えたとのことだった。そして平成23年度には、庁内に組織を立ち上げ内部統制のあり方や方向性についての検討を行い、26年度の予算計上に至ったという主旨の答弁がなされている。
 さらにこの予算委員会における答弁では、「対象とする業務については、概ね3年間をめどに順次拡大を図っていく」ということも言われている。平成28年度終了時点で、節目となる3年間が経過したことになる。
 また、今年6月9日には「地方自治法等の一部を改正する法律」が公布された。この法律により、平成32年度から都道府県と指定都市は、内部統制に関する方針を定め、これに基づき必要な体制を整備しなければならないことになった。指定都市以外の市町村については努力義務を負うこととなっており、方針を策定した自治体は毎会計年度に、内部統制評価報告書を作成し議会に提出することとなった。
 総務省の調査によれば、指定都市を除く全国の市町村1,510の内、内部統制体制の整備・運用を行っているのは103であり、6.8%しかない。その内の一つが豊橋市であり、先進的に取組む姿勢には敬意を表したい。
 そこで、この内部統制の整備・運用の成果をより確実にすることを期待し、以下の点について質問する。

  1. 内部統制に取り組む目的について、これまでの認識と今後の考え方について
  2. これまでの取り組みの評価と今後の取り組みについて
    1. 対象領域についてに)
    2. 次世代が望むまちづくりの方向性について
    3. 手法について
    4. 成果について
  3. 地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)への対応について

【1. 1回目答弁要旨】
 内部統制に取り組む目的についての認識と今後の考え方についてです。
 本市では、行政サービスを支える制度の複雑化や、行財政改革による正規職員の定数抑制などにより、事務の不適正な処理のリスクが拡大する傾向にある中で、市民に信頼される自治体であることが不可欠と考え、その適正さを確保するため、国の法令等の整備を待つことなく、先行して内部統制の構築を図ってきました。平成26年度から本格的な取り組みを開始し、平成27年度に「業務の有効性及び効率性の向上」、「財務報告の信頼性の確保」、「事業活動に関わる法令等の遵守」、「資産の保全」の4つの目的を達成するため、「豊橋市における内部統制基本方針」を定め、本市の各業務に内在する様々なリスクを未然に防止することに努めてきました。
 今後においても、今回の地方自治法の改正の動向にも注意しつつ、基本的には本市基本方針に基づき、内部統制に向け、必要な取り組みを進めていきたいと考えています。

【1. 2回目質問】
 27年度に、内部統制に取り組む目的として4つのことを定め、それを達成するために「内部統制基本方針」を定めたとのことだった。また、今後については、自治法改正などの動向にも注意を払っていくとのことだった。
 そこで、目的と基本方針の関係についてさらに伺う。
 基本方針のあるべき姿としては、目的を確実に果たすことができるように、着眼点とか対応方法などを示すべきものなのではないのかと思う。因みに、改正自治法の中では、「方針を定め、これに基づき必要な体制を整備するように努めなければならない」としている。
 一般的に内部統制の目的としては、本市が掲げているように四つがあげられる。そして、四つの目的を達成させるための仕組みとして、六つの基本要素が示されている。@統制環境Aリスクの評価と対応B統制活動C情報と伝達DモニタリングEITへの対応、である。
 本市の基本方針ではこれらの基本要素の半分程度しか含まれていないし、基本要素を含んでいるように見えるものについてもわかりにくい表現となっている。ここのところが的確に表現されていなければ、必要な体制が作れないのではないかと考えるが、認識を伺う。

【1. 2回目答弁要旨】
 六つの基本要素は、四つの目的を達成するための基本要素、手段であり、内部統制を構築する上で重要な要素であることは認識しています。
 本市の内部統制基本方針策定に当たっては、特に重要な事項であるリスクの管理、それから業務の執行に当たっての法令等の順守の確保、先ほど御答弁しました四つの基本方針を定めており、そうした中では、特に統制環境、あるいはITへの対応の二つの要素が直接的には表現されていないような形に見えますけれども、私どもとしては、こうした要素も踏まえつつ体制を整備し、内部統制の構築を進めていきたいというように考えています。
 今回、地方自治法の改正等もありますし、また国のガイドラインも示されます。こうした中で、こうした表現ができるだけわかりやすいような表現をというお話でしたので、そうしたことも踏まえて、しっかり国のガイドラインを読み解きながら考えていきたいと考えています。

【1. まとめ】
 内部統制という言葉は馴染みが少なくわかりにくいが、いろんな問題解決手法があるうちの一つということなのではないかと思う。そして、内部統制という手法の要件は6つの基本的要素から業務をみることで、潜在的な問題を見出していく、という手法ということができるのではないか。
 例えば、経営戦略の策定手法の一つにSWOT分析というものがある。強み、弱み、機会、脅威の4つの側面から分析を行うものである。それと同様に、6つの基本的要素から業務の信頼性を確認していく手法が内部統制であると理解すべきであり、内部統制と6つの基本的要素はセットと考えるべきだと思う。
 答弁では、「統制環境」・「ITへの対応」について取り組まないように見えるが、その二つの要素も踏まえ内部統制の構築をしている、ということだった。そうであったとしても、庁内全体がきちんと理解するためには、しっかり表現すべきである。
 国のガイドラインが示された時には、このことをしっかり踏まえ基本方針の見直しを検討していただくことを期待して、1.については終わる。

【2. 1回目答弁要旨】
 これまでの取組の評価と今後の取組について、aからcまでまとめて答弁させていただきます。
 これまでの取り組みとしては、基本方針に基づき本市の業務執行におけるリスクを把握するため、財務事務における法令等の違反リスクなどを洗い出すため、契約検査業務、備品管理業務、現金同等品管理業務に関して、全庁的標準マニュアルの整備と運用モニタリングを実施しました。
 また、事務事業において事故や誤りが発生した場合の報告に関する手続きを定め、再発防止策の検討などを行う、事故発生時報告制度を整備しました。
 また、各課が把握するリスクの内、発生を未然に防ぐ必要性の高いものについて対策を行う、課別リスクマネジメントを実施しました。
 こうした3年間の取り組みの成果については、職員に内部統制の考え方を周知することができたこと、また、さまざまな内部の仕組みを導入し、リスクの把握とその発生の未然防止に向けた制度体制を整備することができたものと考えています。今後も基本方針に基づき、職員等の人事異動後の事務事業の進捗や事務処理誤り等のリスクに多大な影響を及ぼす事務引き継ぎについて、マニュアルを整備するなど、リスクの抑制に努めていきたいと考えています。

【2.a. 2回目質問】
 まずaの対象領域ということについては、契約検査に関する業務と備品や現金同等品を扱う業務としたという答弁だった。契約検査に関する業務と現金同等品を扱う業務は問題が起きた時の反響が大きいことが考えられ、まず取り上げたことは理解できる。
 しかし、発生頻度という面から考えると、市の業務の中で最も多くの問題が起こっているのは交通安全に関することなのではないのか。定例会ごとに必ず交通事故に関わる損害賠償の報告が行われており、減少の傾向にあるとは思われない。市民からの信頼を損ねる恐れがあることを重く受け止めるべきではないのか。
 「市民に信頼される地方自治体を目指す必要から取り組んだ」という内部統制であることを考えると、早急に内部統制の対象とすべき課題だと考えるが、認識を伺う。

【2.a. 2回目答弁要旨】
 契約検査業務などの財務に関する事務の執行における法令等の違反リスクを最初に取り組んだのは、総務省の報告書において、最低限評価すべきリスクとして、財務に関する事務が国の指針で示されたことが大変大きなことです。先ほどもお話ししたように、私どもとしては、ほかの自治体に先行して、独自のいろいろな勉強、調査をしながら取り組んできましたので、導入に当たっては、最低限行うべきものを一つの考えとして取り組んだものです。
 ご提案のありました交通安全に関するリスクについて、確かに、この定例会等で何度も報告させていただきまして、私どもとしては、これまで以上にいろいろと考えなければいけないようになっています。ただ、この内部統制で、どのような形でこの交通安全のリスクを未然に防ぐための防止策が考えられるのか、こうしたことは、我々としては、なかなかその内容をどのようにしたらいいのかということも、今の段階では何とも言えないところではあります。先ほどから何度も言いますけれども、地方自治法、国の関係で、いろいろな情報等もこれで示されてきます。そうした中で、この交通安全に関するリスクの取り組みについても、検討する一つの取り組みというように考えています。

【2.a. まとめ】
 交通事故に関しても、内部統制の枠組みに入れることも検討するということだった。
 内部統制の対象領域というのは、業務の性質やその組織のステークホルダーによって変わるべきものだと思う。因みに、会社法と金融商品取引法では義務付けしている内容は大きく異なっている。
 交通事故の他にも、今年6月には国保の保険料の誤徴収や、7月には生活保護費の誤支給がニュースとなったということもある。市民の信頼をより確かなものにしていくためには、今後、問題や苦情の多さについて業務ごとに調べるなどにより、どこが重要かをしっかり見定めて対象領域を考えていただくことが必要なのではないか。
 今後の対応に期待して、2.のaについては、終わる。

【2.b. 2回目質問】
 手法についてはマニュアル整備による業務の標準化、誤りが発生した場合の再発防止策検討の仕組みづくり、運用状況のモニタリングなどを行ってきたとのことだった。
 再発防止策の検討ということについては、是非、表面的な原因に対する対策のみでなく、その裏にある真の原因を追究し対策を行うこと、また庁内のグループウェアの活用などにより類似業務についても確認し、必要なところはマニュアルの修正を行うなど、対策を共有することをしっかり進めていただくことを期待する。
 そこで、マニュアルについてと、モニタリングについて、実効性という観点からそれぞれ順次伺っていく。
 まず、マニュアルについては、あらかじめサンプルを見せていただいた。大変細かく定められていることは理解した。ただ、業務を行う都度確認をできるようなものとは思われないし、毎度見ていたら事務の能率低下につながりかねない、とも感じた。
 内部統制を行う目的の一つである「効率性の向上」ということに逆行することがないように、留意しなければならない。効率的かつ効果的なマニュアルの運用についてどのような配慮がなされているのかについて、認識を伺う。

【2.b. 2回目答弁要旨】
 契約検査に関する業務マニュアルは、既存の業務は、まず見える化を行いたいというように考え、業務リスクの低減及び職員の適正な業務執行を図るものとして作成しました。したがいまして、今、見える化するためにも、できるだけ細かい形のことも表すように今回は配慮したものです。
 また、当該マニュアルは、業務を行う都度、確認することを想定したものではなく、初めて業務に携わる場合など、必要に応じて業務手順等を確認するものであり、効率性の向上に資するものとは考えていますけれども、先ほど豊田議員が言われますように、余りそれが細かくなっても、いわゆる非効率な面も生じてくると認識しております。
 また、マニュアル導入に当たっては、職員向けの研修を実施しています。ただ、マニュアルですので、それぞれの課、あるいはグループの中で、そのマニュアルが、正確性、あるいは有効的なマニュアルになっているかどうかというのは、それぞれの職場の中で、常に考えて改善をしてもらうことが必要だと思います。当該マニュアルの効率的かつ効果的な活用につきましても、そうしたことも含めて周知徹底をしてまいりたいと考えております。

【2.b. 3回目質問】
 マニュアルについては、初めて業務に携わる場合など、必要に応じて業務手順等を確認するものである、との答弁だった。 ということは、一度見たらファイルにとじて、しまわれてしまうということになってしまうことが予想される。普段仕事をする時、普通の人は気を付けるべきことを意識して仕事をするのでミスは起きない。しかし、何らかの事情で集中できていない時に、気を付けることを忘れてしまうのでミスが起こる、ということだと思う。
 そのことを考えると、重要な要素については、手順書を見なくてもいやでも目に入るところに掲示するなどの方策をすべきではないのか? 効率を落とすことなく確実にミスをなくすための方策について、どうすべきか考えを伺う。

【2.b. 3回目答弁要旨】
 確実にミスをなくすための方策は、どうしても、先ほど言いましたように、詳細なマニュアルをつくりがちですけれども、こうした効率を落とすようなことにもつながりかねないケースもままありますことから、大変難しいところでもあります。豊田議員の言われます、見に見えてしまうところに貼ってしまうというようなことも、有効な手だての一つというように思います。こうした、目に入るところに掲示することが可能な業務、あるいは、そういったマニュアルであれば、そうしたことも取り入れるようなことも、例えば職員の説明会もありますので、こうしたところで、そうしたことを紹介していくことも可能ではないかと考えています。
 常々、市長、あるいは副市長から指示、指摘されていることですけれども、管理、監督する職員が、その業務を決定する際、あるいは決裁する際に、しっかりとチェック、あるいは確認することをしていかなければいけないのではないかということも、あわせて考えています。このように、管理、監督する職員のチェックの精度をより一層高めることにも注力していきたいと考えています。

【2.b. 4回目質問】
 重要なことは目に見えるところに掲示することは進めていただけるということだった。製造業の中では、「品質を作りこむ」という考えがある。作ってから品質を確認するのではなく、作る過程で不良品は作ることができない仕組みのことを言う。内部統制においても、このような考え方を導入することも考えていただきたい。今後の検討に期待する。
 次にb 手法の中のモニタリングということについてさらに伺う。
 具体的にはどのような方法によるモニタリングなのか、また、その方法は内部統制として行う以前とどのように変わったのかについて伺う。

【2.b. 4回目答弁要旨】
 モニタリングの手法につきましては、内部統制として行う以前、以後の違いもあわせてお答えさせていただきます。
 これまでは、現金同等品や備品につきまして、それぞれの課で所有の現金同等品や備品を適正に管理しているかを、出納簿や備品台帳などで、それぞれの課長が確認するといったモニタリングを行ってきました。内部統制として取り組んだ後は、現金同等品等の管理につき、課内だけではなく、別の部署によるモニタリングが重要と考え、それぞれの主務課の課長の確認に加えまして、会計課によるモニタリングを実施しているところです。

【2.b. 5回目質問】
 内部統制に取り組んでからは、備品等の管理について主務課長の確認に加えて会計課によるモニタリングを実施することとしたとのことだった。
 契約検査業務については、内部統制実施後に新たに行うモニタリングはなかったものと思われる。
 いずれにしろ、従来の確認に加えて月に一度とか年に数度の確認を会計課がしたとしても、問題の早期発見は難しい。毎日の仕事の中で確認できる、「目で見る管理」の手法を取り入れるべきではないかと、考える。モニタリングの手法の見直しについて、認識を伺う。

【2.b. 5回目答弁要旨】
 現在の手法は、主務課でチェック機能が完結するのではなく、他の課からモニタリングされることにより、適正な事務執行に対する意識が高まり、毎月課内で実施している確認につきましても、その精度が向上していく方法の一つと考えています。 豊田議員の言われます、目で見る管理の手法については、その詳細な内容や効果などについて勉強不足ですので、改めて詳しい内容をお聞かせいただければというように思います。

【2.b. まとめ】
 目で見る管理の定義としては「管理の対象物を誰が見ても、一瞬に正常な状態か、異常な状態かが正しく判断して、異常の処置方法が明確に成っている管理」と言われている。具体的な方法については研究していただきたいし、必要であれば協力させていただく。

【2.c. 2回目質問】
 成果については、職員に内部統制の考え方を周知できたこと、備品及び切手などの管理を徹底することができたことなど、の成果があったとのことだった。
 当初期待していた成果と比べてどの程度の達成度だったのかについて伺う。

【2.c. 2回目答弁要旨】
 これまでの3年間、内部統制に関しての課題に対応するため、さまざまな取り組みを、他の自治体に先行して行ってきました。内部統制の取り組みを通して言えば、本当に試行錯誤の毎日で、制度や体制を整備するところまで、ようやくたどり着けたというのが実感です。
 当初期待していたことは、内部統制に関しての重要性、あるいは大切さを職員にしっかり理解させ、行動してもらうということでありました。一定の成果や効果はあったものと思いますが、先ほど豊田議員も言われましたけれども、これまでの間、報道などで市民の信頼を損ねる重大なミスなどが発表されますと、まだ道のりは遠く険しいものだと痛感し、その歩みをとめることなく、確実に前に強く踏み出していかなければならないものと感じています。

【2.c. 3回目質問】
 これまで達成度を数値等で表すことが難しかったについては、理解した。
 ただ、今後、成果を確実なものにしていくためには、成果が上がっているのかどうかを数値的に判断する必要があるのではないのか。そのためには目標を設定し、随時達成度を確認することが必要だと考える。今後、目標を設定し、達成度を測る目安としていくことについて、認識を伺う。

【2.c. 3回目答弁要旨】
 現在、行財政改革プラン2016の中で、内部統制の法令順守に関する内容の目標として、重大事項による報道発表件数というものを評価目標に設定しています。まずは、この指標、重大な事故による報道発表が行われることがないような結果を出していきたいというように考えていますが、制度、体制を整備した今、また国からガイドラインが示されるこうした時期だからこそ、例えばどのような指標に取り組んでいかなければならないのか、あるいはふさわしいのか、民間でもいろいろな新聞報道で品質管理の不正等も現れています。これは行政に限らず、それぞれの企業体、組織として、内部統制というのは本当に永遠のテーマになることではないかというように思いますので、しっかりそうした情報、あるいは、いろいろな取り組みのことも研究をし、いろいろな意見や情報を集めて、今一度考えなければいけない状況にあるものというように感じています。

【2.c. まとめ】
 達成度を測る数値目標の設定については、今後、考えていただけるとのことだった。期待したい。以上で2.については、終わる。

【3. 1回目答弁要旨】
 地方自治法の改正への対応についてです。
 今回の地方自治法の改正については、地方公共団体における適正な事務処理等の確保や、組織及び運営の合理化を図るために、内部統制に関する方針の策定などを行うものです。
 現在、国において、平成32年度から都道府県と政令指定都市に義務づけられた内部統制の体制整備などについて、導入のためのガイドラインの作成が進められているところであります。今後、国からのこうしたガイドラインが示され次第、本市の基本方針と比較する中で、必要な見直しなどの対応を図っていきたいと考えています。

【3. 2回目質問】
 自治法改正への対応としては、国からのガイドラインが示され次第、市の基本方針と比較する中で、必要な対応を図っていきたいとのことだった。
 今回、内部統制について質問させていただいたが、内部統制という言葉は聞きなれないし、関心を持つ人も少ない。しかし、今後、市民から一層信頼される行政であるために大変重要なことだと考える。まずは、議会としても必要性を認めた時には調査研究ができるように、対応方法について検討する際は、考え方などを随時情報提供していただくことが必要なのではないかと考えるが、認識を伺う。

【3. 2回目答弁要旨】
 今後、国のガイドラインを参考に、本市の内部統制の方向性なども検討することとなります。
 先ほどお答えしましたように、指針等の見直しにつきましても、考えなければならない局面が来るというように考えておりますので、こうした国のガイドライン、地方自治法の改正に伴っていろいろな動きがありますので、そうした見直しの際には、市議会に情報提供をさせていただくことになるというように思います。
 また、豊田議員が質問の中で紹介されましたように、地方自治法の改正の中では、政令都市などについては、議会の報告が義務づけられることになっています。その辺の報告義務の内容だったり、あるいは、その趣旨であったり、そうしたことも一定参考になるのではないかというように考えていますので、こうしたことも踏まえ、議会への対応について検討していきたいというように考えています。

【3. まとめ】
 内部統制に関する国のガイドラインへ参考に指針等の見直しの際には、議会に情報提供していただけることを確認させていただいた。
 内部統制ということについて、本市は国の法令等の整備を待つことなく先進的に取り組んできたことは間違いない。しかし、求めなければならないのは、内部統制の取り組みの成果を他市にさきがけて出すこと、と考えるべきである。その成果に大いに期待する。

豊橋市人材育成基本方針

【1回目】
 平成28年3月、地方制度調査会は内閣に対して「人口減少社会に的確に対応する地方行政体制及びガバナンスのあり方」と題した答申を提出している。
 この中で「人口減少が地域にもたらす具体的な影響は、地域によって多様であるが、地域社会の持続可能性についての危機意識が急速に高まっている」と、人口減少社会に対する現状認識を述べている。また、地方行政体制のあり方については、「行政サービスの持続可能な提供のための地方行政体制を確立することが、人口減少対策を的確に講じることにつながるものと考えられる」としている。
 本市においては、平成28年度の純資産変動計算書における、純資産減少額が100億円を超えるという結果となった。持続可能な行政サービス提供に向け、業務の見直しを進めることが喫緊の課題になっているものと認識しなければならないと考える。
 地方分権が進展する中でのことであり、自らの創意工夫により自らの業務の見直しを進めることが求められている。そして、そのためには行政職員の一層の資質向上が重要な課題となる。
 平成25年度から始まった豊橋市人材育成基本方針の改訂版「自律型プロフェッショナル職員への挑戦」は、平成29年度が実施計画の最終年度となっている。状況変化等を踏まえ、新たな人材育成の取り組みを考えていく必要がある。
 そこで、持続可能な行政体制づくりを実現するための人材育成のあり方という視点から、以下の点について質問する。

  1. 人材育成基本方針(改訂版)中の人材育成への具体的な取り組みに関する実績評価と今後の対応について
    1. 能力開発の取り組みについて
    2. 人材活用の取り組みについて
    3. 評価の取り組みについて
  2. 市政を取り巻く状況変化の認識と必要とする職員の知識・能力の認識について

【1.a. 1回目答弁要旨】
 取り組みの評価と今後の対応についてですが、具体的な取り組みとしては、aの能力開発では、地方分権の進展などを踏まえながら、職場内、職場外での研修や自己啓発への支援を通じ、組織のマネジメント能力、企画立案能力、市民対応能力などの向上を図ってきました。

【1.a. 2回目質問】
 能力開発ということについては、組織のマネジメント能力、企画立案能力、市民対応能力などの向上を図って来た、ということだった。
 もう少し具体的に教えていただきたい。組織のマネジメント能力、企画立案能力ということについて、それぞれどのようなスキルをどのような対象に対して、向上を図って来たのかということについて伺う。

【1.a. 2回目答弁要旨】
 組織のマネジメント能力については、階層別研修などを通して、各役職段階に応じた能力向上に努めてきました。
 主査職については、グループリーダーとして必要な業務の進捗管理、部下の能力、あるいは状況を把握するスキルなど、基礎的なマネジメント能力の向上に取り組んできました。
 また、課長補佐職以上の管理職につきましては、課を運営するという立場から、部下へのコーチングやコミットメントの方法、問題解決の基本プロセスなどを学び、組織機構の強化を図ってきました。
 次に、企画立案能力の向上ですが、主に主査職以下の職員を対象に、政策形成研修や政策課題研修などを通して、型通りの考え方にとらわれず、自由な発想で現状を打開するための方法や、活動手順、必要な資源、想定されるリスクなど、事業計画を立案する上で抑えるべきポイントなどを習得してきました。
 こうした研修のほかに、部局横断的なワーキンググループなどにおいて、本市が抱える課題を検討し、解決策を企画、提案することや、外部機関への派遣研修を通して視野を広げ、知識、あるいは情報を習得することなどにより、事業を立案する力もあわせて養ってきました。

【1.a. 3回目質問】
 マネジメント能力や企画立案能力のスキルについてお答えいただいたが、具体的なスキルの名称としては、「コーチング」があげられたが他のものについては具体的なスキルの名称は見当たらなかった。内容的には、現状分析の手法があげられていなかったが、マネジメントにしろ企画立案にしろ、その出発点としての現状分析が重要であることから、今後、現状分析手法の教育ということも是非考えていただきたいと思う。
 また、職員教育の成果を一過性で終わらせないためには、日常業務との連携が重要だと思う。例えば、日常業務の目標である行政評価指標を達成していくために必要なスキルを整理し、階層別研修の中でそのスキルの取得を位置付けていく、ということも考えられる。
 何らかの方法で、今の市役所の業務で必要なマネジメントや企画立案に必要なスキルを抽出・整理し、その上で研修やOJTでどのように能力開発していくのかという体系を作っていくべきではないかと考えるが、このことに対する認識を伺う。

【1.a. 3回目答弁要旨】
 現状分析の手法と体系の関係で、二つあったかと思いますけれども、まず現状分析の手法に対する教育については、研修メニューの中で、今ある状態を正しく認識し、問題を引き起こしている原因、結果に対する因果関係を明らかにし、問題点について整理する能力について、習得しているところです。
 また、必要なスキルを抽出、整理し、能力開発に結びつける点については、人材育成基本方針に定めている階層ごとに必要とされる能力を習得するため、研修の内容をリンクさせ、育成に取り組むなどの体系を整備しているところです。
 今後も成果を確認し、研修内容につきまして見直しを図りつつ、さらに、研修で習得した内容を職場でしっかり実践することが大切でありますので、例えばOJTの在り方についても、しっかり検討していきたいと考えています。

【1.a. まとめ】
 能力開発として身に着けるべき知識・スキルは、二つに分けることができると思う。一つは豊橋市役所の職場風土形成に必要なベーシックものであり、もう一つは各職場で必要な専門的なものである。
 専門的なものについては、自ずと日常業務と結びつくことになるが、ベーシックなものについては、研修と日常業務の連携を特に考えていく必要がある。研修を職場風土づくりに積極的に活用することを期待する。

【1.b. 1回目答弁要旨】
 bの人材活用では、職員一人一人が能力を発揮できるよう人材公募制度を導入したほか、民間企業等職務経験者採用、派遣研修修了者の効果的な人材配置、さらに女性職員のキャリア形成支援を行ってきました。

【1.b. 2回目質問】
 人材活用ということについては、人材公募制度の導入、民間企業等職務経験者、派遣研修修了者の効果的な人材配置などを行ったとのことだった。これらの対象となるのは、職員全体の中では一部の人、ということになるものと思われる。
 基本方針の人材活用の中では、もっと多くの職員に関わるものとして、キャリアデザイン研修等と連動した複線型人事制度の充実や、専門能力の向上を意識したジョブローテーションなどにも取り組むということが記載されている。
 複線型人事制度の充実、専門能力向上を意識したジョブローテーションということについて、具体的にはどのように取り組んだのか、ということについて伺う。

【1.b. 2回目答弁要旨】
 複線型人事制度につきましては、これも、先ほどの内部統制ではありませんけれども、本市が先行してというのか、独自の人事制度の設計の中で、その制度を構築、導入しているものです。
 この制度は、各職場における主要事業や懸案事業において、特に専門的な知識や能力を生かして専任的に業務に当たる必要がある場合に、専任主査、あるいは専門員、専門員は課長補佐級でありますけれども、こういった専任職を配置し、高度化、専門化する行政の役割に的確に対応しているところです。
 専任職を育成していく過程では、ジョブローテーションにより、採用後10年程度、複数の分野を経験し、ベースとなる知識や経験を身につけられるようにしていますけれども、日々の業務の中で本人の適性を自己分析し、求められる専門的な知識や能力についても理解できるよう、職場内でのOJT、あるいは職場の上司との面談などにおいて、意識づけを行うよう努めてきました。
 また、並行して、キャリアデザイン研修において、職員自身のキャリア形成を意識させ、どのように能力を伸ばしていくべきなのかを認識させることで、主体的な能力開発に意欲的に取り組むよう意識づけをしてきました。
 そのような職員のキャリアプランについては、自己申告書の中で、専任職を目指すのか、あるいは総合職を目指すのかといった意向を確認しながら、その意向にマッチングできるような専任職ポストがある場合には、積極的にそうした人事異動の中で反映していくこととしています。

【1.b. まとめ】
 複線型人事制度等について、お答えをいただいた。
 専任職のことが主だったと思うけれども、専任職については、総合職とどう違うのかというのが、私たちの目から見て少しわかりにくい。その専任職になると、どういう権限ができるのかとか、あるいは在任期間をどのように持っていくのかというようなところも、いろいろな職場の事情はあり、一律にというわけにはいかないと思うが、そういったところもできるだけわかりやすくなるようなことも、今後研究していただきたい。
 専門的なジョブ・ローテーションについては、専任職のジョブ・ローテーションということになるが、総合職のジョブ・ローテーションについても、また今後検討していただける部分があるのではないか。
 今、大体3年から5年くらいで異動しているということであり、そうなると、各職場の職員の平均在職年数は二、三年ということになってしまう。その職場で必要とされる専門的知識やスキルを身につけたころには異動してしまうということになりかねない。高い専門性を育むためには、異動の範囲をある程度限定していく。市役所の一番こちらからこちらへ行くのではなくて、ある分野の中で異動していく。そのようなことが、いろいろな職種を経験する必要はある中で、ジョブ・ローテーションは必要だけれども、どこかに範囲を限定した中でということも、今後検討していただく必要があるのではないか。

【1.c. 1回目答弁要旨】
 cの評価については、職員が個々に設定した業務目標に対する進捗管理を行うとともに、その過程と評価結果を管理職と共有する仕組みを取り入れることにより、職員のチャレンジ意欲や仕事へのモチベーションを高めてきました。
 このような取り組みを進めてきたことにより、東三河地域などの広域連携や海外に向けた活動のように、国内、国外を問わず、広い視野を持って新しい施策にチャンレジできる職員や、市制施行110周年関連イベントのように、市民、あるいは事業者とともに事業を進められる職員が育ってきているものと感じております。今後も本市が魅力と活力あふれるまちとして存続していけるよう、新たな時代の地域課題に積極的かつ主体的に取り組み、市民の皆さんとともに考え、力を合わせて施策を展開できる職員を引き続き育成してまいりたいと考えております。

【1.c. 2回目質問】
 評価については、職員が個々に設定した業務目標に対する進捗管理を管理職と共有する仕組み、つまり目標管理制度ということになるが、これを実施しているということであったと思う。
 目標管理制度は、本来マネジメントツールとして開発されてきたものだ。上司が組織目標を示し、部下は、そこから個人の目標を設定し、その整合性について面談し、進捗状況や成果について、面談の中で、部下が自ら課題を見出していくというものだと思う。
 目標管理制度をマネジメントツールとして使うとともに、評価の手段として利用しているところは多い。せっかく行っているのであれば、マネジメントツールとして役割をしっかり機能させるべきだと考える。
 そのために最も大切なことの一つは、面談がしっかりできるかどうかであるというように思う。面談をする上司に対して、どのような指導を行ってきたのか、あるいは面談をされる側である部下の感想や要望をどのように取り込んできたのかについて、伺う。

【1.c. 2回目答弁要旨】
 目標による管理制度の運用におきましては、上司と部下の面談は、1年の間で、期首、期中、期末の年3回行っています。人事考課で行う評価者に対して、これは上司ですけれども、年度当初に人事評価の研修会を開き、人事評価は職場での対話を促進し、組織の生産性を上げていくために行うものであるということもしっかり認識しております。
 また、期末面談を行う際にも説明会を開催し、面談に対する心構えなども話す中で、職員の1年間の行動の中で、よかった点、しっかりできた点などを評価すること、また、こうしたことから不足している点なども指摘し、さらにアドバイスをつけ加えるようなことも話し、次年度に向けた動機づけを行うことなども指導しているところであります。
 また、面談を行った後の部下の感想や要望については、職員自身がこの人事評価の再評価を申し出ることができる制度をとっており、上司と再評価について話し合ったり、その結果を人事課がしっかり最終の人事評価として反映する仕組みを取り入れています。

【1.c. まとめ】
 職員が主体的に仕事に取り組むことができるようにすることが大切であり、そのためには内発的動機付けを行うことができる面談ができるようになることが重要であると考える。

【2. 1回目答弁要旨】
 市政を取り巻く状況変化として、人材育成基本方針の改定を行った5年前は、地方分権の進展、行政課題の広域化、団塊の世代の大量退職に伴う職員の年齢や性別構成の変化などがあり、それらに対応するため職員のキャリア形成を支援し、成長意欲を高めるとともに、行政経営能力や政策形成能力の向上などに努めてきました。
 そして、今後はこうした変化に加え、人口減少、高齢化による労働人口の減少、それに伴う都市間競争の激化や、ICT、AIなど、情報技術の進歩がこれまで以上のスピードで進んでいくものと認識しています。人口減少に歯止めをかけ、持続可能な未来を実現していくためには、社会の変化を的確に施策に反映していくことが求められています。また、本市だけでなく、東三河地域の連携強化により、住民サービスの維持、向上を図っていくことが重要であると考えています。
 このような持続可能なまちづくりを担っていく職員に求められる知識や能力として、市民満足度の高い行政サービスを提供するための、高度かつ最先端の専門知識のほか、広域的な視点やチャレンジ精神、社会の変化をいち早く感じ取り、みずから必要な施策を考え、実行する力、職員のやる気や能力を引き出すマネジメント能力などがさらに必要であると認識しています。

【2. 2回目質問】
 状況変化とそれに対応するために、必要とされる職員の知識・能力について認識を答えていただいた。
 因みに、1.のaではこの5年間で取り組んできた能力開発ということについて、「マネジメント能力、企画立案能力、市民対応能力の向上を図ってきた」というお答えだった。状況変化があるとの認識が示されたものの、職員の必要とする能力の認識が変わっていないように感じられる。
 地方制度調査会の答申では、「地域社会の持続可能性についての危機意識が急速に高まっていること、行政サービスの持続可能な提供のための地方行政体制を確立することが、人口減少対策を的確に講じることにつながること」などの課題を述べている。
 人口減少、高齢化の影響で、税収の低迷、社会保障費の増加などが、行政サービスの持続可能性危うくすることに対して、対策を講じておかなければいけないということを言っていると解釈すべきだと考える。近年の本市の財務諸表の数値を見れば、他人事として聞き流すことのできない指摘だと思う。
 本市においても、行政の生産性を一層向上させるということに、戦略的に取り組んでいかなければならないということなのではないのか? このことに人材育成の面からどのように対応していくのか、認識を伺う。

【2. 2回目答弁要旨】
 行政の生産性を一層向上させていく上で、これまでどおり行財政改革に引き続き取り組むことにより、少数精鋭の体制を維持、向上させていく必要があるということから、人材育成の面からも、職員一人一人の生産性を高めることが求められているというように考えています。
 管理監督職のマネジメントを強化することで、職場風土の醸成に引き続き取り組むとともに、職場外研修、あるいは、その支援制度の充実により、高度専門能力・・・。《時間切れにより終了》


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