東三河広域連合は東三河8市町村の参加により、昨年1月30日に発足し、ちょうど1年が経過した。設立趣意によれば、設立を必要とする認識を持つに至った外部環境変化として二つのことが示されている。
一つは、経済のグローバル化や人口減少・少子高齢化などの社会構造変化に伴う、未だ経験したことのない課題に直面していること。もう一つは、国が分権型社会の構築に向けた動きを進めており、地方行政に対して個々の自治体経営のみならず広域的な視点に立った行政運営が求められるようになっていることである。
そのため、地域の力を結集し新たな魅力と活力の創造に努めるため、東三河広域連合の設立に至ったと示されている。広域連合設立の大きな意義は、大きな外部環境変化に適応するために広域的な全体最適を求めていく方策であると言える。
ということは、施策によっては局所的に個別自治体にとって必ずしも利益とならない事態が生じることも容易に想像できる。また、すべての構成団体にとって利益となり得る施策だけではかなり限定された活動となってしまうことが考えられる。
広域連合の設置目的を達成していくためには、今後の事業選択に際して、全体最適と部分最適のバランスについて考えることが必要であると考える。
そこで、以下2点について質問する。
- 成長する広域連合として、事業拡大におけるバランスの考え方について
【答弁要旨】
東三河広域連合は、この地域が経済構造、人口構造の変化や地方分権型社会に対応し、将来にわたって持続的に発展していくために、市町村の枠を超えた新たな広域連携体制として設立されました。
東三河広域連合が、今後とも成長する広域連合として事業拡大を行う際には、東三河地域全体の発展が各市町村の発展に繋がるという観点に立ち、地域全体に利益をもたらすと考えられる事業を中心に行っていく必要があるものと認識しています。
東三河広域連合の「設立趣意」にもあるとおり、「東三河は一つ」という想いを胸に深く刻み、これまで以上にお互いに協力し合い、支えあっていくことで東三河地域全体の振興・発展を図っていきたいと考えています。
【2回目質問】
「東三河地域全体の発展が各市町村の発展に繋がるという観点に立ち、地域全体に利益をもたらすと考えられる事業を中心に行っていく必要がある」という認識を示していただいた。
地域全体に利益をもたらすということが大前提になるということだと思うが、その事業においては、全ての構成自治体に利益をもたらす、または一部の構成自治体に利益をもたらす、さらには一部の団体にとっては不利益となるということもあるかもしれない。
今後、成長する広域連合としてどのような事業を行っていくか選択する際に、まず、全体最適とはなるが一部自治体には不利益となるものを採択することは考えにくいと思う。しかし、一部自治体には利害が生じないが広域連合全体には利益となる事業には取り組むべきではないか。全ての自治体に利益となる事業だけを行うこととするより、成長の幅を広げることができるはず。
また、全体最適となるが、一部自治体には特に利害が生じない事業を積極的に発掘していくためには、構成自治体からの積極的な提案を受け付けていくことが必要であると考える。
そこで、全ての自治体に利益が及ぶものではないが、全体最適となる事業を積極的に取り入れていく考えがあるのか、また、そのために構成自治体からの提案を積極的に受け入れていく考えがあるのかについて、認識を伺う。
【答弁要旨】
広域連合が事業を選択する場合は、東三河地域全体での利益を考え、構成市町村すべてを対象として事業を行うことを基本として検討を進める必要があると考えます。
しかし、構成市町村すべてを対象とした事業だけでなく、地理的な要因など事業の性質上、一部の構成市町村のみが対象となる場合もあるものと考えています。
こうしたことから、構成市町村の提案を含め事業を選択する場合は、地域全体を発展させていくという基本認識に立ち、効果を十分検証した上で、どのような形で事業を推進していくのが最良であるかを、その都度構成市町村と十分協議しながら、事業を行っていきます。
【3回目質問】
地理的な要因など一部の構成市町村のみが対象となる事業もあり得ること、構成市町村の提案も検討対象とすることなどを答えていただいた。
成長する広域連合として事業拡大していくためには、構成自治体の職員の皆さんがそれぞれの地域の課題を解決しようとする時、自治体の枠にとらわれず広域的に対策を考えようとする意欲を高めていくことが重要だと考える。
言い換えれば、構成自治体の職員の意識を、自治体単位の個別最適という目標ばかりでなく、東三河広域連合としての全体最適の目標にも向けていくことが必要なのではないか。そのことにより広域連合としての事業が充実し、大きな環境変化に対して広域連合が力を発揮していくことにつながるはず。
そこで連合長にお伺いしたい。
広域連合として、構成自治体の様々な部門の部長職クラスの職員に対して、広域的な発想を促すための意識啓発をしていくということについて、どのように考え行動していくのかについて認識を伺う。
【答弁要旨】
職員に対しての広域的な視点を持つことについての啓発ということですが、まず、現状についてご説明をさせていただきたいと思います。
一点目として、広域連合が発足する以前からどの市町村においても多くの職員が広域的視点を持っていたと私は思っています。穂の国こどもパスポートもそういった取り組みでありますし、企業誘致、国の内外への穂の国ブランドの情報発信、施設園芸などで使うペレットストーブの豊橋市と豊根村とが一緒になった取り組みを行っています。
行政の取り組みばかりでなく、文化団体においてもいろんなホールでの出し物や人を招へいする事業において、お互いに勉強し連携するという視点で進められています。そういった意味で、広域連合の発足があって職員が広域連携に臨んでいるのではないと思っています。
2点目は行政的な仕組みの問題ですが、広域連合長の立場で職員に対して何かをするといっても、まだ職員はそんなにいないのでその視点ではなく、副連合長さんも含めそれぞれの市町村の職場において広域連携の視点を持っていただくようにするということだと思います。こうしたことを踏まえてお答えしたいと思います。
議員お話の通り自治体の政策を立て、推進していく立場の幹部職員が常に広域的な発想をもって業務にあたることは重要なことであると認識しています。
幹部職員は、これまでの行政経験や置かれている職階からも、広域的な発想をもって業務にあたる能力を兼ね備えていなければならないものと思いますが、さらに自らを研鑽していくとともに、所属の職員を育成していくことも、求められる役割であると考えます。
我々、正副広域連合長としましても、それぞれの市町村において常日頃の業務を通して幹部職員にそうした意識を持たせるよう、意識啓発を行っていくことが必要であると考えています。
またそういうことを実現する場としていろんな場面があると思います。これまでも行っていました部課長連絡会議の中でも意見交換や議論を充実させていくことも重要であろうと思いますし、いろんな階層別研修や課題別研修を一緒になってやっていくことでさらなる広域的視点や、それぞれの地域が持ついいところや困っていることを学ぶことができるであろうと思います。行政のどの場所においても東三河は一つという意識を持っているという組織を作っていきたいと考えています。
【まとめ】
広域連合ができる前から広域連携体制はできており、各市町村の職員の皆さんの中には広域連携をしていこうという意識はあったというお話があった。しかし、それより一段上に行くことが必要であると思う。そのために必要なことは組織全体としてそういう流れを作っていくということだと思う。そういう意味で、私は部長クラスの幹部職員ということを申し上げた。組織の上部がそういう意識を持つことで組織全体の意識が作られると思う。
研修のことにも触れていただいた。しかし、27年度についても28年度についても、研修の対象は勤続10年未満の若手とか、10年から20年の中堅職員ということになっている。組織全体の意識啓発を進めていくためには、幹部がそういった意識を持つことが大切である。先ほどお話にあった部課長クラスの連絡会などの場も活用していただくことが必要であろうと思う。
各自治体の幹部職員が常に広域的な発想を持って業務にあたることの重要性の認識を示していただくとともに、正副広域連合長として幹部職員の意識啓発をすることが必要であるとのお答えをいただいた。
各自治体の幹部職員の中に、広域的に課題解決をしようとする意識が高まることにより、東三河が一層大きな力を発揮できるようになることに期待する。
設立趣意にある大きな環境変化を乗り越えるため、東三河の総力が結集させることを期待する。
- 広域連合としての意思決定のあり方について
【答弁要旨】
東三河広域連合は、規約で広域連合長を執行機関の長とするいわゆる独任制をしいているため、最終の意思決定権は広域連合長にあります。
しかしながら、東三河広域連合は、「東三河は一つ」を合言葉に設立された広域連合であり、将来にわたって持続的に発展していくためには、構成市町村との連携が不可欠であります。
そうしたことから、東三河8市町村長の協議の場の中で、東三河広域連合や東三河地域の広域的な課題についての意思疎通を図り、その意見を反映させながら広域連合としての意思決定を行っているものです。
【2回目質問】
広域連合の意思決定に際しては、東三河8市町村長の意見を反映させながら、執行機関の長である連合長が最終の意思決定をしていくということだった。
説明の中では副連合長が登場しないが、このプロセスの中で、副連合長はどのようなタイミングでどのような役割をはたしていくことになるのか、認識を伺う。
【答弁要旨】
東三河市町村長の協議の場は、市町村長としての立場だけでなく、広域連合長並びに副広域連合長としての立場を踏まえた意見を述べていただいており、その意見集約を図ることで広域連合の方針も決まってくるものです。
したがいまして、現在の協議の場において、副広域連合長としての役割も果たしているものと考えています。
【3回目質問】
豊橋市を除く7市町村長はそれぞれ副連合長に就かれている。市町村長の協議の場での発言は、個別利益の代表者としての発言であるはずであり、副連合長が副連合長としての発言をするためには、市町村長会議とは別の場があるべきではないのか。
そういう意味では、市町村長の協議の場と正副連合長の協議の場は明確に線引きをした上で進めるべきではないかと考えるが、認識を伺う。
【答弁要旨】
先ほども答弁させていただきましたが、東三河市町村長の協議の場は、市町村長としての立場だけでなく、広域連合長並びに副広域連合長としての立場を踏まえた意見を述べていただき、意見集約を図っていることから、現状でも十分その機能は果たしているものと認識しています。
【まとめ】
現状でも十分その機能は果たしている、という答弁だった。
でもやってみないとわからないことはある。できたら一度試していただきたい。思わぬ効果の発見があるかもしれない。
東三河広域連合規約によれば、調査研究に関する事務を行う対象として「広域にわたる新たな連携事業」と「事務権限移譲に係ること」の二つがある。どちらも成長する広域連合であるために不可欠な重要な調査研究事項であると言える。
しかしながら、その調査研究内容については、アンテナショップ事業について調査委託が行われるという以外、市民には公表されていない。それぞれ、どのような調査がどのような進捗状況にあるのかについて伺う。
- 新たな広域連携について
【答弁要旨】
新たな広域連携事業の調査研究として想定する分野については、これまでの広域産業振興、広域観光振興、広域環境・新エネルギー、広域防災を例示してきました。
これらの中から広域連合が優先的に調査研究するテーマとして、この地域の羅針盤として既に共有している東三河振興ビジョンのリーディングプロジェクトに位置付けられており、観光と産業の両方の分野での効果が考えられるという観点から、まずはアンテナショップ事業の調査研究から取り組み始めたところです。
今年度は、アンテナショップ実現可能性調査として、首都圏においてアンテナショップの実態調査や利用者調査などを行っており、東三河の特産品等の現状を認識するとともに、現地消費者ニーズなどを的確に捉え、東三河が出店を目指すべきアンテナショップのコンセプトやモデルの構築を行っているところです。
【2回目質問】
新たな広域連携事業の選択にあたっては、東三河振興ビジョンのリーディングプロジェクトでもあり、観光と産業の両方の分野での効果が期待できることから、アンテナショップ事業の調査研究から取り組むこととしたとのことだった。
しかし、新たな広域連携事業として設立当初から具体的な内容について検討するとして示された、四つの事業についてどのような検討がされたのかということについての説明がなかった。
一般的に言って、複数の事業の内、何を選択するかという時には、それぞれの事業について、必要性、緊急度、難易度、効果の大きさなどを評価し、総合点により判定するというような作業が行われるものなのではないのか?
事業の選択を行う時に、四つのそれぞれの事業について、どのような要素について検討を行ったのかについて伺う。
【答弁要旨】
広域産業振興、広域観光振興、広域環境・新エネルギー、広域防災というのは、あくまで広域連携事業として考えられる分野としてお示ししているものであります。
今回、アンテナショップを調査研究の対象として選択したのは、一つには優先度が高いかどうかで、東三河振興ビジョンのリーディングプロジェクトの中で地域連携事業の戦略展開として、この地域が取り組むべき優先事業として位置付けられたものであること、二つ目は効果の大きさですが、広域連合が主体となって取り組むことで、東三河地域での効果が見込まれること、加えて構成市町村や関係機関との合意もなされていることから、早期に取り組む事業として相応しいと判断したものです。
【3回目質問】
広域産業振興、広域観光振興、広域環境・新エネルギー、広域防災というのは、あくまで広域連携事業として考えられる分野として示しているものという答弁だった。
平成26年7月の豊橋市議会東三河広域連合調査特別委員会の議事録を確認したところ、当局の説明は「新たな広域連携事業。記載のとおり広域観光振興、広域産業振興など、四つの分野を設立当初から具体的な内容について検討をしてまいります。」となっている。
答弁で言われるような例示だとか、考えられる分野というような不確定要素を含む表現ではない。はっきりこの四つの分野の検討をする、と言っている。
その後、広域計画でも予算の中でも「新たな広域連携」の調査研究の内容について触れられることなく、今日に至っている。答弁を聞く限りでは、これらについての調査研究がこれまでのところまだ進展している様子は窺えない。
そこで、今後、広域産業振興をはじめとする四つの新たな広域連携事業について、どのようなスケジュールで調査研究を進めていくのかについて、考えを伺う。
【答弁要旨】
現在、全国的にも地方創生への取組みが求められております。広域連合が総合戦略を策定することができるというこになりましたことから、この地域の喫緊の課題として考えられるのがやはり人口減少、そして首都圏の人口一極集中の是正ということであると思います。そこでまずは、東三河広域連合としても「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定を優先的に進めてまいります。
その過程で、どの分野のどのような事業を地方創生事業として行うのかを検討をすることとなりますが、4つの分野も含めて、東三河として優先的に取り組むべき事業は何かを見極めてまいりたいと考えています。
【まとめ】
これから地方創生総合戦略を作っていく中で、この4つの広域連携事業についても検討していくということだったと思う。
この総合戦略を作っていくということはまだ規約には定められていない。ということはこの検討が始まるのはまだ先ということになる。それまでには時間がある。そのことを考えれば総合戦略の検討を始める前に考えるべきではないのか。総合戦略の中でそれをどう取り扱っていくのかということも考えなければいけないわけであり、あらかじめ4つの広域連携の方向性を定めておき、それをどう総合戦略に盛り込んでいくかというように考えるべきではないのか。
現状、当局においてはまだ検討が進んでいないようなので、先送りすることなく、総合戦略の策定に間に合うように早急に新たな広域連携ということについて検討していただくことを期待する。
地域づくりを進めていくには、市民や民間事業者の協力を得ることは重要なことである。そして、東三河広域連合の成果に期待をする市民は多い。
計画を示し、その進捗状況を節目ごとに説明していくことは市民の協力を得るために不可欠と考えるべき。新たな広域連携に関する調査研究の進展に期待する。
- 権限移譲について
【答弁要旨】
権限移譲の調査研究については、以前から例示していました「児童相談所」と「保健所」の分野について調査研究に取り組んでいます。
今年度は、広域連合総務課と豊橋市の関係課の職員で調査研究を開始し、県とのヒヤリングも行いながら、児童相談所と保健所が実施している業務の現状把握や権限委譲に向けた課題の整理などを行っているところです。
【2回目質問】
保健所の設置については、中核市に委譲することができるとされる事務であり、児童相談所の設置についても、児童福祉法の改正によって2006年4月より中核市でも設置が可能になっている。中核市である豊橋市の持つ権限を、東三河全域が広域連合として権限委譲を受けていくことには大きな期待がある。
27年度はこの二つの権限について課題の整理などを行っているということだったが、児童相談所と保健所の権限委譲について今後の見通しについて、どのように認識しているか伺う。
【答弁要旨】
児童相談所と保健所に関する調査研究については、今年度取り組んでいる現状把握や課題整理の後に、権限移譲に向けた可能性を探るため、県や構成市町村の関係かなどを加えたワーキンググループを設置するなどして、調査研究をさらに深めていきたいと考えています。
全国的にも広域連合が児童相談所・保健所の権限を受けた事例はないこともあり、権限移譲に向けた本格的な協議に至るまでには、多くの法的、財源的及び人的課題を整理する必要がありますので、しっかりと時間をかけて検討していきたいと考えています。
【3回目質問】
児童相談所と保健所の今後の見通しについては、まだ多くの課題があり時間がかかるとのことだった。拙速であってはいけないが、できるだけ早く成果を出していただくことを期待する。
そしてこの二つの他にも、東三河広域連合にはさらなる権限委譲への期待がある。さらなる権限委譲に向けて、長期的にどのような検討スケジュールを考えているのかについて、認識を伺う。
【答弁要旨】
権限移譲については、まずは児童相談所や保健所の調査研究をしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
その後の展開としては、中核市や政令指定都市に与えられている権限などを基準に、東三河地域にとってどのような効果を得られるのかを検証し、今後のスケジュールを作成していきたいと考えています。
【まとめ】
児童相談所や保健所の調査研究に全力を傾注しているところであるということだと思う。
権限移譲の調査研究ということについても、新たな広域連携の検討と同様に、計画と進捗状況の情報提供をしっかりしていただくことを期待する。
- 総合戦略への反映について
【答弁要旨】
現在、人口減少や少子高齢化などによる社会基盤の弱体化に対応するため、全国の自治体では地方創生に向けた様々な取組みが進められています。
こうした中、昨年12月のまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に関する通知の一部改正で、規約に地方版総合戦略の策定を位置づけることにより、広域連合も総合戦略を策定することができるとされました。
このことは、広域連合が地方創生に向けた役割を担っていくことへの期待の表れであり、東三河広域連合としても総合戦略の策定に向けた検討を進めていきたいと考えています。
地方創生では、市町村間の連携による取り組みが重要な視点となっていますが、広域連合が策定する総合戦略に位置づけられる取組は、まさに市町村間連携事業であります。
これまで広域連携事業の調査研究の可能性が高い分野として、観光をはじめとする産業振興、防災、環境・新エネルギーなどを例示としてあげてきましたが、今後は、これに加え地域創生の取組みも新たな広域連携事業の柱となっていくものと考えています。
【2回目質問】
広域連携事業の可能性が高い分野として四つの分野を例示してきたが、これに加えて地域創生の取組みも新たな広域連携事業の柱となっていくものと考えているとのことだった。
そもそも例示された分野というのは、人口減少問題に対する緩和策と適応策の中の、緩和策における社会動態の改善に寄与するものが多く含まれるものである。そういう意味では、今後の事業選択の優先順位を考える時に、社会動態の改善に寄与するものをより重視していくということになるのであろうと考える。
さらに、各市町村の総合戦略の社会動態改善に向けた事業の効果を高めるために、広域連合として全国に向けて発信し、地域外からの人の転入促進をするということも考えられる。
適応策ということについては、東三河全域でどのように資産の効率的運用を進めていくか、ということの検討も重要な課題になることが考えられる。
現状の広域連合専従職員は、既存の業務で追われている中で、これらの検討をさらに追加して行わなければならないということになる。専従職員の負荷が過大になるとすれば、どこかに何らかの問題が出るという恐れが高くなることが予想される。
専従職員の負荷を過大にすることなく、総合戦略の策定という新たな業務をタイムリーに進めていくためには、専従でなくとも兼務でこの仕事に従事する職員を増やす体制を考えるべきではないのか。各市町村の総合戦略との整合性を保つためにも兼務職員の存在は有意義であると考える。
そこで、各構成市町村にも検討作業を割り振ることができるように、市町村の企画担当職員に併任をかけていくということが必要ではないかと考えるが、認識を伺う。
【答弁要旨】
広域連携事業を進めるにあたっては、これまでも構成市町村とは、企画担当職員との意見交換や、企画担当課長との協議など、連携をしながら取り組んでおり、また必要な資料の収集をはじめ、様々な協力をいただいています。
現時点においては、このような連携・協力体制で検討作業を進めていきたいと考えていますが、将来的に広域連合が扱う事業が拡大し、今の体制で対応が困難となった時には、構成市町村の企画担当職員に併任をかけることなども含め、体制の見直しを検討する必要があると考えています。
【まとめ】
東三河広域連合は成長する広域連合であることを目指している。このことは事務局の仕事のボリュームが次第に拡大していくということを意味するものであることを忘れてはならない。しかし、市町村の役場ではそういうことは起こりにくい。
それだけに、仕事量に見合った事務局体制づくりということについて、特に注意を払っていただくことが、広域連合の成長にとって大変重要な意味を持つことになると考える。
広域連合の成長に合わせて、適切な事務局体制が作られ、調査研究がしっかり進められることを期待する。