リサイクル率について
本市のリサイクル率について平成26年度の速報値18.3%であるものを32年度には28%まであげるという高い目標を掲げている。
そこで、平成32年度におけるリサイクル率の計算式における分母即ちごみ排出量をどの程度とし、分子即ち資源化量の合計をどの程度にすることを考えているのか、また平成29年度からはバイオマス資源利活用施設が稼働する予定となっており、このことにより生ごみが資源化量に組み込まれることになるが、その資源化量をどの程度になると見込んでいるのかについて伺う。
【答弁要旨】
リサイクル率については、平成32年度におけるごみ排出量は約135,000t、資源化量は約37.500tを想定しています。
次に生ごみ等の資源化量について、生ごみを1日当たり約59t取集し、バイオマス資源利活用施設でメタン発酵処理により発生するメタンガスが約2,200t、メタン発酵処理後の汚泥を水分除去して製造する炭化燃料が約800tと想定しています。
これは、生ごみの成分の約80%が水分で、残った有機物がメタンガスや炭化燃料になると想定したもので、得られた資源は発電や石炭代替の燃料として有効活用するものです。
【2回目質問】
平成32年度のごみ排出量が約135,000tということで、これはこれまでのトレンドから見て実現可能性は高いと考えられる。
しかし、資源化量想定値37,500tは26年の値の約42%11,000t強を資源化して行こうというものであり、容易ではないと感じる。バイオマス資源利活用による生ごみの資源化分が約3,000tあるが、それを差し引いても8,000tの資源化量の増加が必要になる。
そこで、さらに4点についてお伺いする。
- 生ごみの資源化量3,000tの根拠となる、生ごみ日収集量59t/日は、生ごみがもえるごみの37%を占めており、その7割を生ごみとして分別収集できるという計算によるとのこと。もえるごみ全体の26%ということになる。先日の新聞報道によれば、既に生ごみの分離収集バイオマス資源利活用を行っている長岡市では、この数値が18%にとどまっているとしている。生ごみの日収集量59t、即ちもえるごみ全体の26%をどのようにして実現するのか、その方策について考えを伺う。
- P.15の表でこれまでの資源化量の増減推移を見てみると、その合計増減はほとんどスラグの増減に左右されている。25年度26年度とスラグの活用量が減少してきているが、その原因と活用量増加に向けた取組の考え方について伺う。
- スラグ以外のごみについては、平成21年度以降資源化量について大きな変化はなく、ほぼ横ばいとなっている。生ごみ資源化分を除く8,000tをどのごみをどの程度資源化していくかということについて、考えを伺う。
- スラグ以外のごみの資源化が進まない大きな理由は、市民による分別が頭打ちになっていることが大きな原因と考えられるが、その原因、そして分別を進める方策をどのように考えているのか、考え方を伺う。
【答弁要旨】
- 生ごみを確保するためには、市民の皆様が生ごみの適正な分別にご協力をいただくことが重要であると考えます。
先進都市の長岡市の分別を見てみると、あさりの殻やタケノコの皮など発酵に適さないものを生ごみとして扱わないこととしていますが、本市の生ごみ分別については、市民の皆様方に協力が得られやすく、かつ、負担が少なくわかりやすいものにすることで、より多くの生ごみを収集できるものと考えています。
なお、長岡市については実績値が報道されており、本市の計画値とは単純に比較できませんが、他都市での事例を踏まえ、より多くの生ごみという資源を回収できるよう検討していきたいと考えています。
また、市民の皆様への分別方法の周知ですが、今後、市議会や自治連合会への説明を行うとともに、パブリックコメントにより市民意見を把握したうえで、来年度も指定ごみ袋制度と同様に地域説明会を実施する予定です。
この他、啓発チラシの配布やごみガイドブックの改訂、映像を用いた視覚に訴える啓発をはじめ、ファミリー層や主婦層などターゲットをしぼった啓発により、きめ細く、また、幅広く周知を行ってまいりたいと考えています。
周知にあたっては、生ごみ分別により得られる環境負荷低減やコスト削減など様々な効果も十分に説明し、より多くの協力が得られるよう努めてまいります。
これらに加え、事業者にも協力を得る中で、事業系生ごみも獲得し、生ごみの収集予定量を確保してまいりたいと考えております。
- スラグの活用量の減少の原因については、県・市における公共工事でのコンクリート2次製品・再生コンクリート及びアスファルト混合物への再骨材利用の利用量の減少、また民間利用としては駐車場を整備する場合のアスファルト混合物への再骨材利用等の利用量の減少によるものが主な原因です。
次に活用量増加に向けた取組の考え方についてですが、スラグの利用促進を図るため、これまでの利用用途として、コンクリート2次製品・再生コンクリート及びアスファルト混合物への再骨材利用に加え、新たに道路埋設物などのクッション材として利用出来るようにガイドライン等を整備する中で利用率の向上に努めております。
また、本市が発注する公共工事のみでなく、あらゆる機会をとらえて国及び県が発注する公共工事に利用してもらえる様に働きかけを行い、幅広い利用先の確保に努めてまいりたいと考えております。
- 生ごみを除いた資源化の考え方としては、現在、もやすごみの中にリサイクルできる古紙が26%、18,900tが含まれています。このうちのおよそ半分を資源化させる考えです。
そのためにも、古紙の回収拠点であるリサイクルステーションを積極的に活用してもらうよう啓発を図るほか、商業施設などで民間が行っている拠点回収も併せて周知することで古紙をリサイクルしやすい環境づくりに努めていきます。
- 資源化が進んでいない要因として古紙の回収量の鈍化があります。このことはペーパーレス化が進んだことで紙の量が減ってきたということがありますが、多くの古紙が再利用されずに捨てられているという現実もあります。引き続き豊橋市のごみの状況を市民の皆様に知ってもらい、「捨てればこみ、分ければ資源」という家庭における分別意識を持ってもらうよう啓発を進めていきます。
なお、平成28年度4月から始まる指定ごみ袋制度を機にごみに対する認識を高め、分別意識の向上を図ってまいります。
【まとめ】
バイオマス資源利活用における生ごみの量の確保については、長岡より生ごみを出しやすい条件にするとのことだった。
生ごみ収集量1日当たり59tは長岡の実績と比べて相当高い目標であることを認識すべき。バイオマス資源利活用事業の収支に係ることでもあり、確保の方策についてはさらに検討し、計画実現に備えていただくことを期待する。
スラグについては、道路埋設物などのクッション材としての新たな利用も考えているとのことだが、リサイクル率に大きくかかわるものであり、新たな需要等さらに検討することを期待する。
古紙の資源化を進めるとのことだが、分別とともに言えることは、これまでの方策だけではこれまでと同様に資源化率が横ばいになってしまうということ。主な方策は啓発ということになるが、本当に市民にメッセージが届いているのか、市民の立場で考えることが必要。また、分別の方法については工夫している市民も少なからずいるはずで、その方法の紹介なども考えられる。とにかく、今までの方法を点検し、効果をあげることを考える必要がある。