緩和策の目指す目標、適応策の目指す目標について
この総合戦略は2060年における持続可能なまちづくりを実現するための、一里塚ともなるべきものと考えられる。そういう意味では、2060年の目指すべき状態を明らかにして、2019年における緩和策の目指す目標、2019年における適応策の目指す目標も明確にすべきではないかと考えるが、認識を伺う。
【答弁要旨】
将来の人口の維持に向けた緩和策と、現下の人口減少に対する適応策は、性質が違い、アプローチも異なるため、それぞれの塊で目標を示すべきとも思います。
しかし、この2つは互いに影響を及ぼし合い、交わる部分も多いため、施策及びそれにひもづけられる事業の関係性が複雑になります。
そうしたことから、5つの戦略ごとに区分し、取組みの成果を分かりやすく整理しながら推進することを優先したため、緩和策・適応策といった単位での目標は設定しておりません。
しかしながら、2060年を展望した5年間の総合戦略でありますことから、その推進、評価・検証においては、個々の目標値の達成度を見るのみならず、そのままで将来の人口展望を達成できるかどうかといった視点を持ちながら取り組んでいきたいと考えています。
【2回目質問】
2060年に向けた一里塚となるように、2019年における緩和策や適応策のそれぞれの目標を明確にすべきではないかということに対して、その必要性がないわけではないが5つの戦略ごとの目指すべき成果を表現することを優先させたとのことだった。ただ、将来の人口展望を達成できるかという視点を持ちながら取り組みたいとのことだった。
戦略の取り組み主体である行政の皆さんがそういう気持ちを持つことは大切だと思う。しかし、このことは行政だけが理解していればいいというものではないはずである。前回の委員会での答弁でも言われたように、市民の皆さんにも現状と課題の認識を共有していただくことが大切なことである。
ところが、2019年までの取り組みが2060年の人口減少社会へのソフトランディングに向けて、順調に進展しているのか、あるいは不十分なのかということについて、市民の皆さんがこの戦略の推進の過程で理解しやすいものになっているとは言い難いと思う。沢山の指標を見て判断して下さいというのは無理がある。総合的な判断ができる指標を示してこそ市民の関心と理解は深まると考える。市民の理解を得やすくするために総合的な判断ができる指標づくりをすることについての認識を伺う。
【答弁要旨】
市民に分かりやすい総合的な指標づくりということと思いますが、総合戦略は、将来的な人口減少の緩和策から現下の人口減少への適応策まで、産業、交流、子育て、都市計画など、幅広い分野にわたる施策と数多くの事業で構成しているため、それらの成果及び目標の達成状況と、2060年の目指す人口33万人への進捗状況をひとつの指標に総合させることは困難です。
しかしながら、総合戦略の成果向上を図り、5年後(2019年)の数値目標を達成し、2060年の目指す人口へ近づいていくには、何よりも市民の皆様のご理解が欠かせないと認識しています。
基本目標、KPI以外の指標は考えておりませんが、市民の皆様に対しまして、総合戦略に位置づけた事業の検証結果とともに、基本目標とKPIの目標値に対する毎年の実績値の一覧表や、その時点での人口の現状や今後の見通しの分析結果を示すなど、様々な判断に使っていただけるよう、分かりやすく正確な情報提供に努めてまいります。
【まとめ】
市民の理解促進をはかるための戦略進捗状況を総合的に判断できる指標づくりということについては、困難とのことだった。
人口減少下で自立的な行政を実現していくためには、前回の委員会で申し上げた財政のシミュレーションを行うことで、それを可能にするための制約条件が明らかになると考えられる。その制約条件の克服度合いは一つの判断指標になるものと考える。今後の検討に期待する。