☆自主防災組織の体制強化
【1回目質問】
自主防災組織の活動における地域間格差の軽減と活性化に向け、校区防災会ブロック協議会を設定することとなっている。必要なことだと考えるが、地域による住民意識の格差について、地勢などそれぞれの地域特性との相関を調べ、それに応じた意識啓発の方法も検討する必要があるのではないか?
【答弁要旨】
自主防災活動における地域間格差の軽減や組織の活性化については、重要な問題であると認識しています。この問題の解決に向け、地域の防災活動におけるリーダーの育成や防災リーダーの活動事例報告会などを通し、それぞれの地域が、主体的な活動ができるよう努めています。また、防災訓練や防災講演会、出前講座を通し、市民の防災意識の向上や啓発を図っています。
今後につきましても、これらの活動を継続するとともに、新たな活動方法にも取り組みながら、自らリスクを認識し、自らの責任で判断・行動できる市民の育成に努めてまいりたいと考えております。
【2回目質問】
自らリスクを認識し、自らの責任で判断・行動できる市民を育成する方法についてさらに考えていただけるとのことだった。そこで、そのためのもう一つのアプローチとして、地域内での自主防災体制確立の必要とあわせ、向う三軒両隣スケールの共助の意識を高めることも考えなくてはならないのではないかということについて、認識を伺う。
地域が壊滅的被害を受けた時には自主防災組織も機能することが難しいことが予想される。それに備えて、隣近所の共助の意識を高めることが必要と思われる。そして、そのことがボトムアップ的に地域の防災意識を高めることになるのでは?
【答弁要旨】
ご指摘のとおり、向う三軒両隣の共助は、防災に限らず、助け合いの基本であると考えております。大きな災害からの復旧・復興を考える時、大きなスケールでの共助が必要であることから現在様々な取り組みをしているところです。
向う三軒両隣の共助とは、与えられるものではなく、防災にとらわれるものでもありません。地域にもともとある祭礼などの活動や取り組みの中で育まれていくものであると考えております。人と人とのつながりが、希薄になっていく中で、このことについては、防災という枠の中で考えるのではなく、市民一人ひとりが考え、行動し、災害のときにも活かすことが基本であり、全市的な取り組み全般の中で意識していく課題であると考えております。
【まとめ】
地域にもともとある祭礼などの活動や取り組みの中で育まれていくべきものとのお考えだった。ただ、これまで都市化が進む中で、隣近所の付き合いは希薄化する傾向にあることは事実だと思う。
隣近所の共助の意識を高めることは、第五次総合計画で目指している共助のまちづくりの基本となる部分であるとも考えられる。市民の関心の高い「防災」を糸口に、隣近所の共助の必要性についての意識啓発をしていただくことを期待する。
☆帰宅困難者の支援
【1回目質問】
豊橋市の特性として、昼夜間人口比率が1未満であること、車通勤の人が多いこと、東海道新幹線の駅があることなどがある。これらを考慮した時、帰宅困難者支援施設として「こども未来館」を指定しているが、これだけでは不十分ではないかと考えるが、認識を伺う。
【答弁要旨】
まず災害が発生した場合、鉄道が停止したことにより、豊橋駅で約3万人の人が帰宅困難者となると想定されています。この帰宅困難者は、一時的に「こども未来館」への避難を定めていますが、当館の収容者数は2,559人であり、充分な対応ができないことから、今後駅周辺に整備される施設を帰宅困難者支援施として位置付けることを検討してまいります。
また、事業所や学校などの組織があるところは、発災時には組織の責任において、安否確認や交通情報等の収集を行い、災害の状況を見極めた上で、従業員、学生等の扱いを検討し帰宅する者の安全を確保し、帰宅させるものと豊橋市地域防災計画で定めています。
【2回目質問】
豊橋駅周辺での帰宅困難者の避難施設については、さらに検討していただけるとのことだった。また、事業所などについては、発災時、組織の責任で帰宅者の安全を確保することになっているとのことだった。
そこで、各事業所が的確な判断をするための交通情報提供の在り方についての認識を伺う。災害時緊急メールメール、ウェブサイト、FMラジオ、ケーブルテレビなどの方法設定とあわせて訓練なども必要と思われる。本市には多くの外国人も居住しており、外国人向けの情報提供方法も考えるべきだと考える。以前にも申し上げたことがあるが、外国語による災害時緊急メールなどについても考えておく必要があるのではないか?
【答弁要旨】
交通情報を含めて災害情報を素早く的確に発信することは、重要でありますので、市民の皆さんには携帯電話〜情報を得る「豊橋ほっとメール」の登録を勧めております。
また、ラジオやテレビなどの媒体を通じて情報提供につきましては、「エフエムとよはし」及び「豊橋ケーブルネットワーク梶vティーズと災害時における非常災害放送に関する協定を締結しております。
次に、外国人に対する情報提供といたしましては、「豊橋ブラジル境界」と災害時におけるポルトガル語での非常災害放送に関する協定を締結し、「ラジオニッケイ」で放送するとともに、「豊橋ほっとメール」のポルトガル語版、英語版の準備を進めております。
【まとめ】
帰宅困難者への交通情報提供についても、豊橋ほっとメール、FMとよはし、ティーズなどで流して頂けるとのことだった。
また、外国語版の「豊橋ほっとメール」を準備していただいているとのことであり、早期の実現に期待する。
今後、他都市で行われている様々な防災対策を参考にすることと合わせ、豊橋市の特性を十分に考慮した対策づくりについても、しっかり検討していただくことを期待する。
☆豊橋市津波避難計画の見通し
【1回目質問】
津波の恐れのある低い地域の住民等が標高の高い場所へ避難できるようにするため、津波避難計画を見直すとある。避難をする地域の対策ばかりでなく、非難を受け入れる地域の対策として、受け入れる施設や物資の確保、あるいは住民の意識啓発などについてどのように考えているのか?
【答弁要旨】
津波避難計画の見直しについてですが、現在、新たな被害想定を踏まえ、避難所全体の見直しを行っており、指定されている避難所が津波避難に適正かどうか判断してまいりたいと考えております。
また、津波避難計画を見直す中で、津波が来ると考える地域の避難施設には、地域住民や仕事などで滞在している人など多くの人が来られることが想定されますので、備蓄食糧等についても見直しを検討してまいりたいと思います。
次に、市民への意識啓発につきましては、地域の防災訓練や防災研修会など様々な機会を通して、まず、自分の命は自分で守る、そして、地域の人たちに声をかけ助け合う、自助、共助の意識付けに努めたいと思っております。
【まとめ】
津波などで被害への対応を、被害を受ける地域だけでなく、豊橋市全体で困難を乗り越えていくという一体感づくりということにも、一層留意していただくことを期待する。
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