2010年10月4日(月) 総務委員会
青字は答弁
質問テーマ [新たな行財政改革プラン] [シティプロモーション推進計画]

新たな行財政改革プラン

○平成22年度までの経営改革プランに替わる「新たな行財政改革プラン」の策定に向けた考え方が示され、その内容について議論が行われました。
【1回目質問】

  1. 目的について
     新たな行財政改革プランの目的が「多様な主体との協働・連携を通じた『豊橋の活力』の向上」となっている。このプランは行政自身の改革を目指すものであり、町づくりの方向性を示すものではない。なぜなら、このプランの上位指針である豊橋市行政改革大綱に示される問題意識は「健全財政を堅持しつつこれらの多様な行政需要に積極的に応えるため、行政全般にわたる総点検を実施し」と記されている。
     『豊橋の活力向上』では、まちづくりの概念まで包含するものであり、行政全般の総点検ということを逸脱しているのではないか。認識を伺う。
  2. 基本方針の順序について
     基本方針の1番目に「市民等の公益的な地域活動の推進」が挙げられている。その重点推進項目の1番目には「市民の自主的・自立的な活動の推進」が挙げられている。これでは、行政自身の改革ではなく市民にその責務を委ねることになりかねない。むしろ、基本方針の2「『自立と責任』の強化に向けた行政体制の整備」、3「財政運営の自立性・健全性の確保」の方が上位にくるべきものではないか。市民協働はむしろこれらを実現する手段であり、最上位に表示されることには違和感がある。認識を伺う。
【答弁要旨】
  1. まず、「豊橋の活力の向上」という今回の目的に関する認識についてです。
     行財政運営における改革の必要性は、行政の効率化や透明性の確保にとどまるものではありません。現行のプランにおいても、第4次総合計画の実現と市民満足度の向上を目的としているのは、安全で活気に満ちた暮らしを実現し、市民としてこのまちを誇りに思い喜びを実感できるまちとなるよう、総合計画と表裏一体となって行財政運営を進める、そうした市民視点に立ったサービスの充実や市民満足度の向上の視点が、行財政改革には求められているものと認識しています。
     そのため、行政全般の総点検においては、行政の効率化の見直しとともに政策を推進する人づくりや組織改革、民間活力を活かした公共サービスの提供、市民協働による多様なニーズへの対応など、行政だけでなく公共を担うさまざまな主体と取り組む内容が含まれており、そうした支え合いの下に本市の財政運営の健全性も確保されているものと認識しています。
     未だ、予断を許さない厳しい行財政環境の中で、今後、地域主権改革の進展など社会経済情勢の変化に対応できる地域の自立性と責任がますます求められてきます。しかし、こうした厳しい時代だからこそ、今の市民が最も求めている地域の活力を、地域と行政が力を合わせてつくる気概が必要ではないでしょうか。そうした意図と次なる改革のステップに進むため、改革が目指す目的として、「豊橋の活力の向上」としたものでございます。
  2. 基本方針の体系についての認識ですが、この体系の並びが、改革の重さの順位を表すものでもなく、行政の責務を市民に委ねる意図を持つものでもありません。
     基本的には、市民、事業者、行政は、それぞれが対等な関係の下に、さまざまな公共の担い手としての役割と責任があるという認識を持っております。
     行政は、市政を運営管理する責務として、自助努力による効果的で効率的な行政執行とその結果に対する説明責任と透明性の確保が重要であると認識しています。
     特に、今後は、地域主権改革の進展により、地方に権限が委譲されることに伴い、自治の自由度の拡大とともに地域のことは自ら決定するという「自立と責任」が一層強く求められるものと認識しています。
     そうしたことから、今回のプランにおいては、行政力の向上を図るため、自立と責任の強化に向けた行政体制の整備と市政運営の基盤となる財政運営の健全性や透明性の確保を基本方針や重点推進項目に掲げており、行政として果たすべき責務をまっとうできるよう、改革に取り組んでまいりたいと考えております。
     また、まちの活力の向上の原動力は、地域力であると考えます。行財政運営においても、強い地域力とともに身近な地域課題や多様な市民ニーズに対して、安定的な提供が可能になるものと期待しており、市民重視の視点に立った行財政運営を進めるため、1番目の体系としたものでございます

【2回目質問】

  1. なぜ行政改革が必要かと言えば、超高齢化社会への突入など大きな時代の変化の中で、税収の伸びが期待できなくなりつつあり、加えて新たなパブリックサービスのニーズの増大もある。このような社会構造変化に行政としてどう対応するか、の答を求めようとするものであるはず。
     答弁で言われるような、当面の社会経済環境の変化に対応するというものとは思われない。行財政改革とは、社会構造変化に伴う歳入歳出バランスの変化にどう対応するかというものではないのか。この際必要なことは、「地域と行政が力を合わせてつくる気概」ではなく、「新たな時代環境の中で実現可能な歳入歳出バランスの仕組みづくり」ではないのか。認識を伺う。
  2. 行財政改革とは従来とは歳出歳入構造が変化する中で、どのようにして行政コストを削減し、歳入の確保をして行くかを目指すものであるはず。一方、市民協働は、市民の生きがいづくりの場を広げることを通じて、行政コストの削減を図ろうとするものであると考える。市民の生きがいづくりの場をつくるということが前に来てこそ、市民は積極的に受け入れることができるのではないか。行政がコスト削減努力を見せる前に、行政コスト削減のために市民参加してくれという話では、積極的参加を得ることは難しいと考える。
     そういう意味で、町づくりの計画であれば、第一に市民協働が位置づけられることに違和感はないが、行財政改革、つまり歳入歳出構造の再構築の筆頭に市民協働が来るのは市民の理解が得られ難いのではないか。認識を伺う。
【答弁要旨】
  1. 行財政改革において、新たな時代環境の中で実現可能な歳入歳出バランスを図っていくことが重要であると認識しています。
     このバランスとは、「人・もの・金」といった資源配分の最適化をいかに図るかということになりますが、これは、単に行政内部の職員や公共財産といった範囲の資源だけでなく、市民や地域の人の力、わらには地域に根差したさまざまな魅力ある資源を含めて最大限に活かすことにより、限られた財源の最も効果的な配分を考えていくことが重要であり、今後の行財政改革の重要な視点となると考えています。
     そのためには、行政だけでなく、市民のみなさんと一緒に、それぞれの役割と責任を考えながら、最適なバランスを図っていくことが重要であると考えています。 
  2. 今回の改革の目的を「豊橋の活力向上」としていますように、行財政改革の取り組みは、行政の努力による歳入歳出構造の再構築など財政運営の健全策や行政体制の整備とともに、市民満足度の向上に向けてどのような地域ニーズを選択し、誰が担っていくことが最もふさわしいのか、市民とともに役割分担を考えていきながら地域の活力を高めるため、協働を基本方針に掲げているものであります。

【まとめ】

  1. 行財政改革において、新たな時代環境の中で実現可能な歳入歳出バランスを図ることの重要性を認識していることは理解した。しかし、その実現に向けては市民の理解を得ることが必要であり、そのためには、適切な表現をすることが重要である。現在の表現では不十分であり、今後研究を進められることを期待する。
  2. 高齢化の進展による新たなパブリックサービスのニーズ増大、人口減少による税収の伸びの低下。これらに向けて、行政の歳入・歳出構造をどう変えていくかを前面に出していくことが必要なのではないか。中途半端な表現では、市民協働への市民参加の意欲は盛り上がらない。行政、市民の双方が、新しい時代のパブリックサービスの提供の仕組みづくりということに、行政・市民ともに意欲を持って臨める目的、さらに基本方針の表現の仕方について、さらに研究を進めていただくことを期待する。
シティプロモーション推進計画

○「豊橋市シティプロモーション戦略ビジョン」の実現に向け、戦略ビジョンの基本方向を踏まえながら具体的な事業展開を明らかにするものとして、シティプロモーション推進計画の案が示され、その内容について議論が行われました。
【1回目質問】

  1. プロモーション活動を行っていくについては、情報発信と併せてコンテンツの改善も進めて行かなければならないと考える。それぞれのコンテンツの質の向上に向けた、情報のフィードバックについてはどのように考えられているのか伺う。
【答弁要旨】
  1. シティプロモーションは、地域間競争に勝ち抜くために様々な手法により豊橋の魅力を発信しながら、対内投資、交流人口、定住人口を増大させ、自立した魅力あふれる都市の実現を目指すために推進するものでございます。
     当面の目標は、本市のことを知ってもらう、認知度を上げることであると考えており、推進計画は、そのための具体的なアクションプランをお示しするものでございます。
     プロモーションの効果を高めるためには、委員ご指摘のとおり、コンテンツや取り組みの質の向上に向けた情報のフィードバックが重要であると考えておりますが、個々の取り組みにつきましては、それぞれ事業評価や改革改善等を行う中で対応していくものと考えております。

【2回目質問】

  1. 大切なことはこの推進計画に関連する全ての部署で、解決すべき課題や情報の共有をすることではないか。例えば、プロモーションの結果、豊橋を訪れた人の全てが満足して帰ることは考えにくい。一部には、大変がっかりしてその結果、逆プロモーションをすることも起こり得ることを想定しなければならない。あるいは、一生懸命プロモーションをしても、期待程に豊橋に来てくれる人がなかったということは十分に予想される。これらをそれぞれの部署で対応ということになれば、その問題の所在を他部署にあるという結論で終わりかねない。コンテンツづくりの組織と情報発信の組織が情報共有をして、相互に切磋琢磨していくことが必要ではないかと考える。このことについて資料には説明がないが、ご認識を伺う。
【答弁要旨】
  1. ご指摘の通り、プロモーション活動の効果や課題を、組織として共有し、対応していくことは極めて大切なことと認識しています。
     個別の事業については担当課が対応してまいりますが、シティプロモーション全体につきましては、市民との意識共有という点では、計画にも提案させていただいた「ええじゃないか豊橋推進協議会(仮称)」、庁内的にはシティプロモーション戦略本部、あるいはその下部組織であるワーキングなどが中心となって、本市のプロモーション活動に対する受け手側の反応や活動した結果として得られる認知度など把握し、官民が成果や課題を共有した上で今後に生かせるよう、新たな仕組み作りを検討してまいりたいと考えています。

【まとめ】
 本当に必要なものは、もっと頻繁に日常的に行われる情報交換の機会なのではないか。例えば、この協議会の下に作業部会をつくり、月に1度程度の情報交換を行ったり、メーリングリストによるリアルタイムの情報共有などが必要と考える。コンテンツづくりと情報発信が相互に刺激し合いながら、互いにより質の高いものにしていく場の形成に、是非とも真剣に取り組んでいただくことを期待して終わる。


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