☆財政調整基金の運用利率
【1回目質問】
- 財政調整基金の運用利息は24,745千円となっている。平成20年度は84,283千円であり、大幅な減少となった。利息の平均が20年度に対してどの程度変わったのか伺う。
【答弁要旨】
- 平成21年7月から全ての基金を一括運用することとしています。ただ、平均の金利は20年度で0.690%だったものが、0.262%まで低下しました。
【2回目質問】
- 財政調整基金の保有状況を見ると、20年度期首と比べ、21年度期首、さらに21年度期末の間に、定期預金、国債、地方債、運用金の残高比率が大きく変わっている。どのような考えに基づくものなのか伺う。
【答弁要旨】
- 20年9月より、公金の運用方針が変わり、もしもの場合に相殺できるように債務のあるところで運用するなど、安全性を確保することを重視して運用を行っています。
【3回目質問】
- 定期預金と国債と、それぞれの金利はどの程度か?
【答弁要旨】
- 定期預金は0.162%であり、国債は0.31%だった。
【まとめ】
従来の定期預金中心から、多様な運用が行われるようになったことで、運用益の減少幅が抑えられたことはよかった。今後も、リスクをしっかり把握しながら、地域経済への貢献ということも視野に入れながら更に積極的に運用益を確保するよう研究を進めていただくことを期待する。
☆新型インフルエンザで学んだこと
【1回目質問】
- 予防接種費について当初予算額5億5千8百万円に対し、補正で1億8千万円が追加されている。しかし、結果的には不用額が8千2百万円となっている。この間の経緯について伺う。
【答弁要旨】
- 予防接種事業費につきましては、昨年度の12月と3月に補正を行い、3月補正のうち次年度に繰り越した3,304万8千円を除き、8,220万円余の不用額が生じております。
不要額の内訳といたしましては、ポリオ等の定期予防接種の不用額3,405万1,919円と新型インフルエンザワクチン接種助成事業の不要額4,815万1,862円となっております。
新型インフルエンザ接種助成事業において不用額が生じた要因でありますが、今回、国の「新型インフルエンザワクチン接種の事業費負担に係る費用軽減事業実施要綱」に基づき、市民税非課税世帯と生活保護世帯に対し接種費用を全額助成することとなり、また、当初、国は、ワクチン接種回数を2回と設定していたため、2回接種分の金額で予算編成をいたしました。
しかし、その後接種回数が1回に変更されたことや、12月下旬には新型インフルエンザの流行が沈静化し、ワクチン接種そのものが減ってしまったことが大きな要因と考えております。
【2回目質問】
新型インフルエンザのワクチン接種回数が減り、接種費用の助成に関する金額が想定より低くなったことが主な原因とのことだった。そこで更に、2点伺う。
- 当初予定していた新型インフルエンザワクチン接種が当初想定したものより相当少なくなったわけだが、接種の協力をお願いしていた医療機関にワクチンの余剰在庫などの負担はかかることはなかったのか?
- 今回の経験は今後発生が予想される強毒性新型インフルエンザを考えた時、絶好の予行演習の機会になったはず。総括はどのような場で行われたのか、さらに何を学び何を課題として把握したのか、について伺う。
【答弁要旨】
- 新型インフルエンザワクチンの需要は、成人の接種回数が2回から1回に変更されたことや、11月末に流行のピークを迎えたことなどの影響により、当初の予想を大幅に下回り、一部の医療機関において余剰を抱え込み、国に対して返品を求める声があったことは承知しております。
- 今回の新型インフルエンザについては、8月10日に世界保健機構(WHO)が、「ポストパンデミック」とする声明を出し、国においても、今回の新型インフルエンザ対策の経験等を踏まえ、高病原性の鳥由来新型インフルエンザが発生した場合に備え、早期に新型インフルエンザ対策の再構築を図るとしています。
本市におきましても、今回の経験を活かし、これまでに色々な場面で、医師会等関係機関との協議の場でありました「新型インフルエンザ医療対策委員会」において、医師会、市民病院、消防等の意見を伺い、今回の新型インフルエンザ対策の検証を進めております。
また、昨年度設置されました「豊橋市新型インフルエンザ対策本部」で協議された「豊橋市新型インフルエンザ対応方針」を更に発展させ、市民への情報提供、感染症予防策の周知の強化を図ってまいりたいと考えます。
【3回目質問】
- 理解した。
- 「新型インフルエンザ医療対策委員会」で検証を進めているとのことだった。
そこで、なぜこれらが21年度中に行われなかったかについて伺う。時間が経てば経つほど、問題意識は薄れ、関係者の記憶も失われていることは明らか。また危惧されている強毒性の新型インフルエンザの発生は、いつおこるかもわからない。
21年度の新型インフルエンザは幸いにも弱毒性であり、本市においては、重篤な状態に至ることはなかったが、強毒性であった場合には、死に至る人も相当数出ることが予想されている。
21年度末にはホイップの設立に向けて多忙であったことは理解するが、多くの市民の命にかかわる問題であり、どんな状況にも優先して対処すべきことであると考えるが、どのように認識し、21年度中に総括をしなかったのか教えていただきたい。
【答弁要旨】
- 済
- WHOは本年8月にポストパンデミック宣言を行いました。今後、今回の新型インフルエンザへの対応について総括していくとのことです。本市においても今後、課題などの把握に努めてまいりたいと考えています。
【まとめ】
喉元過ぎれば熱さ忘れる、ということであってはいけない。昨年新型インフルエンザが弱毒性であったことから、恐れられている新型インフルエンザのパンデミックはこれから到来するということを忘れないで欲しい。WHOは世界を見ているのでポストパンデミック宣言が今年8月になっている。本市では、昨年末でほぼ終息しており、まだ総括されていないのは遅すぎる。豊橋にマッチした時期に、豊橋にマッチした対応をすべき。将来の強毒性の新型インフルエンザに対して、万全の備えを築くことを期待する。
☆地区市民館の指定管理のあり方
【1回目質問】
- 地区市民館管理運営事業費は約253百万円であり、23館の市民館にかかった事業費ということになっている。平均すると1館あたり約11百万円ということになる。校区市民館管理運営事業費は1.4億円余りであり、49館で割ると、1館あたり290万円弱となる。平均で見る限り、地区市民館の管理運営事業費は校区市民館に比べて、約3.8倍かかっている。それぞれの役割の違いがどのように分担され、具体的な費用の差はどの部分で生じているのかについて伺う。
【答弁要旨】
- 地区市民館と校区市民館の役割についてでございますが、地区市民館は、社会教育施設として、講習会、講演会、展覧会等の開催や、図書、資料等の整備を図り、市民の健康増進や教養の向上を図ることを目的としております。一方、校区市民館においては、地域住民の自主的なコミュニティ活動を主な役割としています。
次に管理運営費の差につきましては、人件費が主なものでございます。地区市民館は、館長と主事が常勤しており午前8時45分から午後9時15分までの勤務時間となっております。校区市民館は主事一名で、午後5時間の勤務時間となっており、それが費用の差としてあらわれてきております。
【2回目質問】
- それぞれの地区市民館が社会教育施設としての役割を十分に果たしているのかを、どのようにして把握しているのか(何を物差しにしているか)、不十分である場合にはどのように指導しているのか、また、その指導の実績はどんな状況か、教えていただきたい。
【答弁要旨】
- 館長が企画実施する講座の開催状況(企画内容や応募人数)を含めた館の利用人数、講座終了後のアンケート、施設利用者に対するアンケート等により把握しております。
現在、各地区市民館の館長・主事につきましては適切な業務を遂行していると認識しておりますが、館長については、本市の開催する研修はもとより、県や公民館連合会の主宰する研修に参加したり、毎月館長会を開催し、必要に応じて指導いたしております。主事につきましても、その時々で必要に応じた研修を開催しておりますが、21年度については、応対研修・省エネ研修・普通救命研修・ホームページ研修等を開催いたしました。
【3回目質問】
更に2点伺う。
- 管理運営事業費の比較では市民館は校区市民館の約3.8倍だったが、利用者人数で比較をすると、市民館は1館平均39,900人で校区市民館は20,500人であり、1.94倍に過ぎない。そこで地区市民館が社会教育施設としての役割をしっかり発揮しているか、その判断基準について更に伺う。例えば、館長企画による講座であれば、月にどの程度実施されていることが適切な業務遂行と判断される目安とされているのかなど、適正であるか否かの判断基準を教えていただきたい。
- 現在、地区市民館については、その運営については教育委員会が行い、施設の管理部分のみ運営委員会に指定管理が委ねられている。しかし、各地域の主体性あるいは地域特性を生かした社会教育講座の実施ということを考えた場合、運営についても市民館運営委員会に委ねていくことも考える必要性があるのではないか。21年度においては、このことについて課題も含めてどういう認識を持っておられたのかについて伺う。
【答弁要旨】
- 地区市民館の館長は社会教育指導員として、教育委員会が任命いたします。その業務内容は、講座の企画運営を始めとして、青少年教育、高齢者教育や家庭教育、健康・消費者教育など様々な領域にわたって、直接指導や学習相談に応ずるとともに、PTA・子ども会などの社会教育団体の育成や相談も行っています。
ご質問の地区市民館が社会教育施設として適切な役割を果たしているか否かにつきまして、月に何回講座が実施されたか等の、数値的な判断は行っておりませんが、地域の特色を活かした講座や現代的課題に取り組むなど、社会教育施設して実施すべき講座の内容や他の館の模範となる優れた事例を生涯学習推進大会で発表すること等で評価しております。
- 平成18年度から地区市民館の管理運営、使用承認などは指定管理者である各地区市民館運営委員会にお願いしております。
そこで、企画運営についても、地区市民館運営委員会へ委ねてはどうか、でございますが、各地区市民館で実施される講座の受講対象者は、市内全域の市民であること、また23の地区市民館を一定のレベルに保持していきたいと考えており、従来の手法で行きたいと認識いたしておりました。
【まとめ】
滋賀県米原市の山東公民館を見るまで、これまで市民館の活動というのは、既に十分行われていると思っていた。しかし、山東公民館を見て目からうろこだった。まだまだ市民館はその能力をもっとしっかり発揮できる余力がある。是非、その能力を十分に活用していただきたい。その一つの方法が、運営部分も指定管理に委ねるということではないかと思う。そのためには地域における社会教育推進の力をつける努力も必要である。是非、今後の研究課題としていただきたい。
☆総合動植物公園からみどりの協会への委託内容
【1回目質問】
- 平成21年度の委託費支出4.74億円の内、みどりの協会への指定管理料は4.1憶円である。一方、みどりの協会の経営状況報告書によれば、同協会の21年度の委託料支出は2.13憶円であり、動物園から見て2段階で委託(再委託)をしているものが50%以上となる。この部分を動物園から直接、作業をする組織に委託することで、無駄が省けるのではないかと考える。どのように認識されているのか伺う。
【答弁要旨】
- 指定管理料の委託内容は、入場門の改札管理、遊園地の遊具運転管理、温室・花壇の管理、温室設備の維持管理、屋外植物園の管理、清掃管理、植栽管理などでございます。
その中で、みどりの協会が業者に委託しているのは、遊園地の遊具運転管理、温室設備の維持管理、屋外植物園の管理、清掃管理、植栽管理などでございます。
こうした業務は、園内の施設や設備の円滑な管理運営を行い、健全な利用を図るために、他の指定管理業務とあわせ、平成18年度からみどりの協会へ委託しております。
したがいまして、これまでの実績なども踏まえ、市が直接業者委託することで無駄が省けるというようなことは考えておりません。
【2回目質問】
- 緑の協会が行う植物の維持管理に属する業務を再委託する必要性があることは理解した。しかし、遊園地の遊具運転管理とか園内の清掃管理をみどりの協会に委託することの必然性については、よくわからない。さらに説明をしていただきたい。
- 再委託をしている業務については無駄を省く余地はないとのご説明だったが、どういう根拠で言われているのか? 動物園からみどりの協会にこれらの業務を委託する際、入札を行うなどの競争性の導入こそが、無駄がないという根拠になるのではないか?
二つの視点について、認識を伺う。
【答弁要旨】
- あわせて お答えさせていただきます。
遊園地の遊具運転管理、園内の清掃管理は、平成4年の遊園地などの拡張オープン時から、改札管理とともにみどりの協会に対して継続的に管理委託をしてきました。
その後、平成18年度からの指定管理者制度の導入に伴い、効率的かつ効果的な施設管理、住民サービスの向上を図ることを基本として、市の直営部分、または委託など、指定管理業務の内容、業務範囲なども検討し、公募をしました。当園での現地説明会にも9社が参加をしております。そして、平成18年度から3年間、公募により選定された指定管理者として、みどりの協会が、これらの委託業務を実施してきました。
平成21年度からの5年間の指定管理者の選定にあたりましても、前回同様、指定管理業務の内容などを検討したうえで公募をし、現地説明会には5社が参加しました。審査の結果、指定管理の様々な業務を調整し、円滑に運営できる団体として、みどりの協会が選定されました。こうしたことから、競争性も図られ、無駄に繋がることもないというように考えております。
【まとめ】
総合動植物公園には、毎年10億円前後の一般会計からの繰り入れがある。その支出においては、徹底的に無駄を省く姿勢が必要。特に外郭団体への支出については、市民の関心は高い。透明性を高め、無駄を省く努力を続けていただきたい。まだまだ不十分な可能性がある、今後の徹底した努力を期待する。
☆総合動植物公園と自然史博物館の連携
【1回目質問】
- 平成21年度の総入園者数は732,535人であり、前年度からの増加は5,244人だった。一方、自然史博物館の入館者数の増加は12,582人であり、この分は動物園の入園者増に貢献しているものである。このことを考えると、自然史博物館に寄らずに動物園のみに入場した人は約7,000人減少した、と見ることができる。このことについて、どのように認識されているか伺う。
【答弁要旨】
- 入園者の増加ですが、季節ごとのイベントの開催をはじめ、マスメディアを活用した動植物の最新情報の発信、アジアゾウの借受けなど、様々な取組みの成果だと思っております。
また、自然史博物館で、平成18年のユカギルマンモスミュージアムの開催時に約22万人の入館者がありましたように、様々な行事や魅力ある特別企画展の実施による認知度の向上などの好影響が、相乗効果として入園者増につながったというように考えております。
しかしながら、委員がご指摘されたように、動物園のみの入場者が約7000人減少した。といった見方、考え方もできますので、自然史博物館との連携・協力を密にしながら、総合動植物公園の魅力アップ、認知度の向上を図り、入園者増に努めていかなければならないと考えております。
【2回目質問】
- 自然史博物館と連携した総合動植物公園の魅力アップということについて、21年度はどのように取り組まれたか伺う。
【答弁要旨】
- 当園では、季節ごとに様々なイベントを開催しておりますが、その際に作成するポスターやチラシには、自然史博物館の大型映像や企画展などの情報も掲載し、総合動植物公園として、イベントを実施し、マスメディアなどへの情報発信をしてまいりました。
また、月に2回開催している連絡会議のほか、イベント開催時には随時、情報交換や打合せをし、総合動植物公園の魅力づくりのための検討をしました。
イベントとしましては、サマーイベントでナイトガーデンの開催時に恐竜ナイトツアーを実施し、オータムフェスティバルでは園内の落ち葉を利用したしおりづくり、スプリングフェスティバルではアンモナイトの化石づくりなどを実施しました。
【3回目質問】
- 一定の努力がされていることは理解した。しかし、更なる連携強化が可能ではないか? 職員の皆さんは、連絡会議などをしていれば、なぜ自然史博物館は教育委員会に所属し、動植物公園は市長部局に所属するのか、一つの組織となっていないのかに疑問を持つのではないか。そこで、このことについて伺う。
現在の動植物公園は、極端な見方をすれば、現代の世界における動植物の多様性を展示している。一方、自然史博物館は現代の生物が生まれてきた歴史を展示している。今はまだそれぞれが関連を持った展示ということになっていない。例えば、ある動物の展示スペースに行けば、その動物がどんな歴史を経たどんな系統の動物であるか、という解説が可能であり、その原形は自然史博物館のどこに行けば見られるというようなこと、あるいはその逆に自然史博物館のこの恐竜はその後このように進化し、動物園のこんな動物になっているという、相互に紹介しあう展示方法もあるのではないか。そうすることで、生物の世界の理解はもっと深めることが可能だと思う。
さらに、このことを理解しやすくする観覧順路の設定なども考えられる。豊橋が全国に先駆けて行動展示を行ったが、三次元で生物の世界を理解できる3D総合動植物公園などとすることも可能性はある。これらの可能性を最大限に広げていくためには、現在の動植物公園が都市計画部に、自然史博物館は教育委員会に属するという組織構成より、動植物公園と自然史博物館が一つの組織の中に所属するということが必要ではないかと考える。21年度においては、この辺りの検討はされなかったのか伺う。また、今後の方向性についてのお考えも教えていただきたい。
【答弁要旨】
- 都市計画部の総合動植物公園と教育委員会の自然史博物館との組織の統合についてでございますが、21年度においての検討はしておりません。
しかしながら、組織機構の見直しについて、その可能性、メリット、デメリットなど、今後、時間をかけてしっかりと勉強していきたいと考えております。
【まとめ】
豊橋総合動植物公園は、旭山公園に優るポテンシャルを持つ施設だと考える。行動展示を逸早く取り入れた動物園でもある。全国からもっと注目される存在にならなければおかしい。職員の皆さんがワクワクしながら企画検討できることが大切。世界初の3D動物園のような発想を追及していただくことを期待する。
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