2010年6月10日総務委員会
青字は答弁
質問テーマ [勤務時間等に関する条例の改正] [芸術文化交流施設のPFI契約締結]

勤務時間等に関する条例の改正

[改正要旨]3歳に満たない子のある職員が当該子を養育するために請求した場合には、当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、時間外勤務をさせてはならないとするものなど。

【1回目質問】

  1. このような条例改正が必要であるということは、3歳に満たない子を持つ職員が、当該する子どもさんを養育するために時間外勤務を避けたいと思いながらも、止むを得ず時間外勤務を行ってきた実態があったということだと思う。こういう人たちが時間外勤務を行わなくなるということは、どこかにしわ寄せが行く可能性が考えられる。この条例改正による職場への影響をどのように考えているのかについて伺う。
【答弁要旨】
  1. 今回の改正により、どれくらいの職員が申請するか、その申請状況にもよりますが、所属によっては業務に支障が生じることも予想されます。一定の要件があれば申請を不承認とすることもできますが、育児と仕事の両立といった趣旨からも、極力承認していかなければならないものと考えております。
     そこで、これまでも時間外勤務の縮減に取り組んでまいりましたが、今回の改正を一つの契機として、職場全体の更なる業務の見直し、事務の簡素化、計画的な業務執行を推進することにより、時間外勤務の総量の削減を進めて参ります。時間外勤務の制限を受けた職員の業務を所属全体でサポートできる体制を構築することによって、育児を行う職員の負担を軽減できる制度の趣旨を十分反映できるよう運用に努めてまいりたいと考えております。

【2回目質問】

  1. 職場環境によっては周りの職員の余裕のなさなど、時間外勤務の制限の申し出をしにくい場合もあるのではないかと考えられる。このようなケースの対策はあるのか?
【答弁要旨】
  1. 育児を行う職員が仕事と家庭の両立を図ることができるよう、職場全体で支援していくことは、公務運営上益々重要になってくるものと認識しています。そのためには、それぞれの職場がこうした両立支援を理解し、その果たす役割を十分に認識することが必要であると考えております。
     こうしたことから、これまでも『仕事と子育て両立のためのハンドブック』を作成し、「育児休業など子育て期間に利用できる制度」や、「子育てをサポートする職場づくり」等について紹介することにより、より多くの職員が各種制度を活用できるよう努めるとともに、各職場の管理職員に対しても両立支援の必要性や職場運営の指針を示すなど、関係職員への説明、制度活用に向けた指導の推進に努め、制度を活用しやすい「風通しの良い職場づくり」を進めているところであります。今後は、仕事と生活の調和の実現に向け、なお一層の取り組みを進めて参りたいと考えております。

【まとめ】
 本市には、職場の問題に対応するための仕組みとして「セクハラ防止対策委員会」「公平委員会」「職員健康相談室」などがある。それぞれの職場内では解決し得なかった問題に対して、相談窓口となるものである。これらがまだ認知度が十分でない可能性もあるので、この条例改正を機に、職場の問題解決手段として積極的に利用するよう周知徹底されることを期待する。

芸術文化交流施設のPFI契約締結

[契約概要]

  • 事業概要:設計業務、建設業務、維持管理業務及び運営補助業務(15年間)
  • 施設規模:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地下1階地上4階
     主ホール:固定席797席(車いす席8席含む)、立見席26席
     アートスペース:移動客席261席(音楽・演劇等に対応)
     創造活動室:7室(稽古場、音楽練習室、バンド練習室等として利用)
     その他施設:研修室(2)、市民活動室、制作工房等
  • 契約価格:6,215,778,731円
  • 契約期間:事業契約締結日から平成40年3月31日まで

【1回目質問】

  1. の事業については総合評価一般競争入札が行われ、3グループが応札した結果、大成建設株式会社を代表とするグループが落札者として決定された。その後、審査講評が公表され、審査における各参加者の点数やその評価内容が詳細に示された。
     今回、入札価格では税抜きで約59億円という参加3グループの中で、最も高額な入札額を投じた大成建設グループが落札をしたが、最も安価な入札額との差は約7億円にもなる。つまり、提案内容の評価点が7億円もの価格差を逆転するものであったということになる。審査講評だけではわかりにくい部分があるので、わかりやすく説明していただきたい。
【答弁要旨】
  1. PFI事業は、要求水準書に基づく施設の機能を担保しながら、さらに民間ならではの創意工夫を求めることにより、より効果的で、効率的な事業実施を目指す方式であります。
     このことから、内容審査においては、要求水準書で要求するもの以上に、どのくらい効果的な提案がなされているのかが審査の対象となっております。大成建設グループの提案については、他のグループと比較して利用者の利便性・快適性、豊橋のランドマークとしてのデザイン、すぐれた観賞環境を実現する機能、長期的な運営視点といった多くの面で、非常に効率的・効果的な提案がなされていました。これらの内容が、結果的には、芸術文化活動の推進や文化の裾野の拡大、中心市街地の活性化につながるものとして、審査委員会での高い評価となったものと認識しております。

【2回目質問】

  1. 要求水準書を上回る、効率的・効果的な提案がなされていた結果であるというお答えだった。
     必要な機能については、要求水準書に示されているはずであり、今回評価された効率的・効果的な提案というものが、本当に市民にとって大きな意味を持つものであったのかという点について、疑問が残る。せっかく作るのであればよりいいものをという考えはわからないではないが、結果として使われることがなく無駄になってしまうということがあってはならないからである。
     要求水準書以上の機能を盛り込んで、高い価格になったものを評価するというのは、理解できないこと。どのような物差しで評価されたものか、過剰な機能が評価されたものではないのか、できるだけ具体的に説明をしていただきたい。
【答弁要旨】
  1. 本施設は、この地域をリードし、芸術文化の裾野の拡大と地域の活性化に寄与できることを目標とした施設であります。  そのためには、演じやすさ、見やすさ、使いやすさという劇場の本来あるべき姿を実現するための機能が必要であると認識しております。  このため、審査委員会ではそういった観点から、どのような創意工夫がなされ、それが本当に演じる者や利用者にとって有効であるのかという点に注目をし、評価が行われたものです。  具体的には他の参加者の提案が劇場の1階を600席以上とする提案であったのに対し、落札者の提案は奥行きを縮めることで、400席強とし、2階客席の電気を落とせば、400から500席の劇場としても運用ができるなど、公演の規模の変化に十分対応できる提案であったこと、また、1階に諸室を集中展開することにより、明快で、連動した配置、動線計画を実現したことが挙げられます。  それに加え、長寿命化機器の積極的な採用や、将来の設備改修を想定した建設計画など、契約期間の15年だけでなく、その先の20年、30年を見据えたロングライフ提案がなされており、結果的に金額提案では一番評価が低くなった訳でありますが、維持管理において他よりコスト縮減が図られるなど、将来の本市の負担軽減につながるものとして、審査委員会から高く評価されたものです。

【まとめ】
 使い勝手のよさ、長期的な維持管理コストの縮減などが評価につながったということで、一定の理解をした。本市の財政状況が非常に厳しい中、今後も、市民にとってどういう意義を持つ施設であるべきかをしっかり見極め、適切な施設整備を進めていただくことを期待する。


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