2010年4月27日総合計画調査特別委員会
青字は答弁
質問テーマ [地方自治法改正による影響への対応] [「とよはし21世紀ビジョン」との関連] [「目指すべきまちの姿の考え方」]

地方自治法改正による影響への対応について

【1回目質問】

  1. 政府は3月5日、地方自治法改正案を閣議決定した。6月の国会で議決され、9月施行の見通しと言われている。この改正では、地方分権改革推進計画に基づき地方公共団体に対する義務付けを撤廃するという方針に沿い、市町村の基本構想策定義務の撤廃が行われることになっている。地方自治体の自主性・自律性発揮の観点によるものであると言われている。本市においても、この機会に、より一層の自主性、自律性を高めることを考えるべきではないか。そういう意味において、第5次総合計画の策定方針について、検討されたのかについて伺う。
【答弁要旨】
  1. 現在、地方公共団体の組織及び運営について、その自由度の拡大を図るなどの理由から、市町村基本構想の策定義務の廃止を含む地方自治法の一部を改正する法律が国会に提出され、審議されており、9月中旬頃には策定義務が廃止されることになるものと伺っております。
     しかしながら、このことによって、市民と行政とのまちづくりの共通の指針であるという総合計画の位置付けが変わるものではなく、これまでも自主的・自律的な考えの下で策定作業を進めていることから、影響はないものと考えております。

【まとめ】
 今回の地方自治法改正で総合計画の策定義務を削除されたことは、各自治体の意識が高まったことと合わせ、総合計画の実効性を高めるためには自発的に策定されることが必要であるとの認識によるものであることが推測される。つまり、これまで以上に戦略性の高い総合計画策定への期待が持たれるということであり、その質の差が地域間競争の結果に大きな影響を及ぼす可能性があるということにもなる。影響はないとのご認識だったが、一層の戦略性の追求を期待する。
 また、総合計画の策定義務の削除は同時に、基本構想が議会の議決事件からはずれることも意味する。今後、総合計画に関する議決を行うためには条例を制定する必要があるが、どこまでを議決事項とすべきかについては、今後、研究を要するところであるということを認識して参りたい。

「まちづくりの基本理念」(案)と「とよはし21世紀ビジョン」との関連について

【1回目質問】

  1. まちづくりの基本理念「ともに生きるまち」は、第4次総合計画における基本理念と同じであると同時に、とよはし21世紀ビジョンに掲げるまちづくりの理念でもある。第4次総合計画、とよはし21世紀ビジョンともに、約10年前につくられたものであり、当時予想した2010年の時代環境は当たっている部分もあり、異なる部分もあるはずである。また、これらは早川市長の下でつくられたものであり、当時とは市長も変わっている。新たなものにすることも考えられたのではないかと思うが、どのような検討が行われた結果、第4次と同じ基本理念としたのかについて伺う。
【答弁要旨】
  1. 今回提案させていただいたまちづくりの基本理念「ともに生きるまち」は、平成11年に策定した「とよはし21世紀ビジョン」に位置づけた理念でございます。
     当時は、20世紀から21世紀への世紀替わりの節目であり、今後の豊橋市の歩むべき方向を考えるときに、私たちのまちの生い立ちを振り返ると同時に、地方自治体のおかれた立場、地方自治の本旨をあらためて見つめなおし、未来を展望したものでございます。
     「ともに生きるまち」は、時代の趨勢に影響を受けるものではなく、私たち豊橋市民が共通して認識する普遍的な理念であると認識していますが、今回、市民自治やストックの活用に対する意識の高まりを受けて、役割と責任の自覚や限られた地域資源の活用に関する表現を付け加えさせていただきました。

【2回目質問】

  1. 「ともに生きるまち」は時代の趨勢に影響を受けない普遍的な理念だという認識だが、その解説には追加された部分があるということだった。豊橋21世紀ビジョンがつくられた10年前の予想に比べて、現在はもっとドラスティックな変化が起こっている。「ともに生きるまち」が時代の趨勢に影響を受けない普遍的な理念であったとしても、優先順位としてさらに上位にくるべき理念がある可能性もある。さらに検討されることを期待する。
     一方、とよはし21世紀ビジョンは、第5次総合計画と目標年次も近く、内容的にも類似するものである。第4次総合計画策定時にはさらに長期の見通しを持つという存在意義があったことは理解できるが、今後については、これらが併存することはむしろ市民の間に混乱を招く恐れがある。既に役割を終えたのではないかと思われるが、廃止する考えはないか伺う。
【答弁要旨】
  1. とよはし21世紀ビジョンは第4次総合計画の策定に先立ち、長期的な展望に立って現下の財政状況などに囚われることなく、21世紀に向けた夢を語り本来あるべき姿を描こうという趣旨で策定したものです。したがって、ビジョンは独立した計画として存在しているものではなく、そこにうたった基本理念や取り組みに対する考え方を引き継いでいるものでございます。

【まとめ】
 豊橋21世紀ビジョンは第5次総合計画と併存させるというお答えだった。今後、第5次総合計画の策定が進み、21世紀ビジョンと異なる内容が多く含まれるようになるのであれば、やはりこれを見る市民の側は混乱することになることが考えられる。逆に、同じような内容になるとしたら、新たに第5次総合計画を作る意味がない。今後、それぞれの性格の違いを明確に表現していただくことを期待する。

「目指すべきまちの姿の考え方」について

【1回目質問】

  1. 「目指すべきまちの姿の考え方」あるいは「目指すべきまちのすがたのイメージ」のいずれも、内向きな話ばかりであり、東三河、愛知県、中部圏などに対してどのように貢献していくかということが全く示されていない。地方分権により、国や県と市町村の関係は、上下関係ではなくなったものの無関係になったわけではない。対等の関係の中で、相互に盛り上げていくことが今まで以上に重要な時代になったと考えるべきではないか? 広域的に本市がどのように互恵関係を構築していくのかについて示すべきではないか? 認識を伺う。
【答弁要旨】
  1. 本市は、これまでも道路・港湾を始めとする社会資本整備や各種のソフト施策の展開など、様々な場面で、国や県の支援・協力を得ながら、あるいは東三河の市町村が一体となって取り組んできましたが、地方分権の進展さらには地域主権時代が展望される中、今後は、これまで以上に自主的で自立した行政運営が求められるとともに、国県や他都市との連携・協力関係を築くことの意義はますます大きくなるものと認識しています。 こうした認識につきましては、総合計画の中で一定お示しする必要があると考えていますが、記載箇所につきましては「目指すべきまちの姿」を含めて現在検討中でございます。

【まとめ】
 広域的な互恵関係の構築に関する内容は、掲載場所も含め検討中であるとのことだった。本市には、東三河地域の中で期待される役割もあるはずである。また、本市が発展するためには、中部圏の中であるいは日本の中で、重要な役割を持つ存在になることが大きな意味を持つはずである。愛知県の政策指針、三遠南信ビジョン、国土形成計画の中部圏広域地方計画などの広域計画を参照する中で、積極的に本市の位置づけを示していくよう検討していただくことを期待する。


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