☆ホームページリニューアルについて
リニューアルの目的として、「最新の市政情報やイベント情報をわかりやすく提供」「ポルトガル語版ホームページのリニューアル」「バナー広告の掲載による財源確保」ということがあげられている。このことに関連して3点伺う。
【1回目質問】
- 「最新の」ということになると、いち早く読者に見てもらう必要がある。市役所が伝えたい情報を、迅速に伝えるための方策をどのように実現しようとしているのか?
- 「わかりやすく提供」ということをどのようにを実現しようとしているのか? レイアウト等デザインの変更で分かりやすさが実現できるのか?
- ポルトガル語版ホームページのリニューアルに生活情報等を充実とあるが、どんな内容を想定しているのか?
【答弁要旨】
- 現在は、担当課が掲載情報を更新した場合、担当課からの連絡を受けた広報広聴課がトップページに更新情報を手作業で掲載しておりますが、平成22年度に実施するリニューアルで更新情報をデータベース化していくことで、担当課の入力後、自動的にトップページに更新情報として反映させていく予定です。
- 読者が知りたい情報に迅速にたどり着けることを第一に考えており、トップページのレイアウトの見直しを行うとともに読者の視点に立った掲載情報の整理も実施して、読者が飽きることなく、楽しみながら利用できるものにしたいと考えております。また、平成22年度よりバナー広告を掲載する予定ですが、掲載するにあたり、ホームページのイメージや機能を損なわないように広告の種類や範囲、規格や掲載数、位置などに基準を設け、市政情報との差別化も明確にしていきたいと考えております。
- 外国人登録や残留手続き、国民年金、医療保険、病院、育児、教育など、生活に必要な生活情報や災害などの緊急情報を日本語と併記していく予定です。
【2回目質問】
- 迅速な情報提供のため、各課データを更新後、トップページの表示更新を自動的に行うとのことだった。もっと重要なことは、各課がデータを如何に迅速に更新するかということではないか?
- 市民に迅速に情報を伝えるためには、ホームページというプル型の情報提供ではなく、メールマガジンなどのプッシュ型の情報提供手段を考えるべきではないか? 定期的にホームページをチェックする市民が多いとは考えられない。更新情報を定期あるいは不定期の一斉メールで伝えることにより、飛躍的に新規情報の閲覧者を増やすことが期待できるのではないか?
- わかりやすいページづくりということについて、レイアウトの見直し等を行うとのことだが、「定住者」と「来訪者」とでは、知りたい情報が異なる部分が多い。「来訪者」用の入り口を設置する考えはないか?
- 検索については、以前に比べかなり改良されてきてはいる。しかし、条例の検索などはまだ不便な状態にある。その他の部分も含め、検索機能の充実ということについての考えを伺う。
- 生活情報の中でも最も重要なものは、生命の危険を回避するためのものである。ポルトガル語版ページに地震や台風などの予報、被害状況などを優先して掲載していく考えはないか。
- 日本語では「あんしん・防災ネット」により、地震、台風などの予報、被害状況などが、携帯電話宛てにいち早く伝えられるようになっている。携帯メールによる、外国語版あんしん・防災ネット等の充実こそ喫緊の課題ではないか?
【答弁要旨】
- ホームページの即時性を各課が有効に活用していくことは、大変重要なことであり、このことについては、広報広聴主任者の会議や担当者のホームページ作成研修また、庁内メールなどで各課の職員への周知徹底を図っていきたいと考えております。
- 今回のリニューアルでは「RSS」配信という機能を入れることを予定しており、事前に市民がこの機能に登録することにより、ホームページにアクセスしなくても自動的に最新情報のタイトルや概要をメール配信することも可能になり、このプッシュ型の情報提供手段で、市民への情報伝達も迅速になり、向上するものと考えております。
- 定住者である市民は主に生活情報を、市外からの来訪者は主に観光情報を知りたいと思われますので、このことについては、トップページのレイアウトの工夫の中で十分検討していきたいと考えております。
- 条例については、現在検索対象に含まれていないことから、平仮名と片仮名の相互検索や類似語での検索でもヒットするような改善と併せて、今後の課題として考えております。
- 平成22年度については、多文化共生の推進につながります身近な生活情報を中心に考えておりますが、緊急的な災害情報を掲載することも、大変重要なことであると認識しており、その手法については、今後勉強していきたいと考えております。
- 正確な情報を確実に伝達する手段として、携帯電話メール発信は優れているので、ポルトガル語による情報提供について勉強していきたいと思います。
【まとめ】
リニューアルにあたっては、見栄えを変えて満足してしまうことなく、常に迅速性、わかりやすさの改善を進めていただきたい。シティプロモーションを進めるにあたっては、ホームページによりこの町を判断されてしまう機会が増えることをしっかり認識する必要がある。閲覧者の利便性が考えられたページであることを実感できる管理がなされることが最も重要と考える。もてなしの気持ちを感じさせるページづくりを期待する。
☆防災リーダーの養成と自主防災組織活動資機材等整備費補助金について
市内の一部地域においては自主防災組織が育ってきているものの、未だ組織整備が進んでいない地域も多い。これまでの自主防災組織整備の取り組みについて、見直しが必要ではないかと思われる。このことに関連して2点伺う。
【1回目質問】
- 防災リーダーの養成講座で教えている現状のメニューと、自主防災組織整備をさらに推進するために、22年度に改善すべき課題と対応策について、認識を伺う。
- 自主防災組織活動資機材等整備補助金は、どのような資機材の購入補助を行うことを想定しているのか、また、これら資機材の購入補助を、自主防災組織整備促進につなぐためにどのような工夫を考えているのか?
【答弁要旨】
- 平成21年度は、避難所の開設運営の手順と課題、個人・地域での防災対策、気象情報に関すること、地震災害への事前対策などについて、全体で5回の講座を開催しました。
課題としては、防災組織強化のための具体的な手法、事例等を学ぶ時間数が、足らなかったのではないかと思います。新年度には、カリキュラムを一部見直し、「自主防災組織の体制・運営・活性化」といった視点での講座を加え、防災リーダーが、自主防災組織を強化し地域防災力の向上が図れるように講座を進めてまいります。
- 自主防災組織活動資機材等整備費補助金は、地震、風水害等の災害による被害の防止及び軽減を図ることを目的としていますので、バケツ、小型動力ポンプなどの初期消火用資機材、ジャッキ、担架、救命ロープ、リヤカー、トイレ、テントなどの救助・救護用資機材、あるいは防災啓発用のパンフレット作成など、様々な防災活動に要する資機材を、補助の対象としております。
購入した防災資機材が、自主防災組織の充実・強化に寄与するためには、やはり、それら資機材を活用した訓練が実施されることだと思います。この補助制度を活用して購入した資機材が、地域の防災訓練等で訓練メニューにきちんと組み込まれているかどうかを、今後、訓練計画の受付の際に確認し、また使用をお願いしていきたいと考えております。
【2回目質問】
- これらの講座での研修効果を高めるためには、研修方法も重要である。現状の課題と改善の方向性について伺う。
- 防災訓練経験の少ない地域でも、訓練計画の作成を可能にする方策について、お考えがあれば伺いたい。
【答弁要旨】
- 講師と講座内容に魅力があり、かつ参加しやすいことだと考えます。そのため、講座の終了後には、実施時期、実施回数、講義内容、さらに、今後学びたいことなどのアンケート調査を行い、講師の人選やプログラムの編成の参考としております。また、単に、講義を聴くだけの一方通行的な講座とならないよう、できる限り、ワークショップ形式の講座を取り入れ、与えられたテーマを、グループ討議で結論を出し、発表するなど、参加型の講座になるよう努めております。また、最終日には、(希望者だけですが)日本防災士機構の主催する防災士の受験機会を提供していますが、受験のためには、自ら様々な防災知識を学ぶ必要でありますので、こうした機会を提供することによっても、より一層理解が深まることに役立っているものと考えます。
今後も、受講される皆さんや防災の専門家の方々からも、ご意見を伺いながら、魅力ある効果的な講座としていきたいと考えます。
- 訓練計画立案の参考としていただくため、防災訓練の目的、訓練に必要な資機材・時間・人数、あるいは訓練の手順などを、分りやすく解説した冊子を作成し、計画の立案の参考にしていただいている。また、「自主防災組織指導者研修会」では、先進的な取り組みを行っている自主防災組織から取組みの事例を発表していただき、活動の参考にしていただいている。訓練計画で相談などがありましたら、防災対策課だけでなく、消防署でも相談を受け付けているので、職員と協議していただければと思います。
【まとめ】
自主防災組織づくりに向けて、防災リーダーの養成講座の内容充実と併せて、講座がより実践的であるために、ケーススタディやグループワークなどを取り入れること、防災訓練の実施を進めるために訓練の事例の提示をすることを進めて頂きたい。また、自主防災組織同士の情報交流の機会づくりということについても、相互に刺激しあい向上する効果も考えられるので、研究していただくことを期待する。
☆多文化共生モデル地区事業と外国人市民会議の開催について
【1回目質問】
- 平成21年度より岩田、多米地区が多文化共生モデル地区に指定された。22年度は新規指定地域として汐田、石巻地区が加えられる。そこで、岩田、多米地区の2年目の課題と主な取り組みの具体的な内容について伺う。
- 外国人市民会議の創設予算が計上されている。どのような課題について議論するのか、メンバーはどのように選定するのか、開催回数や継続性をどう考えるのか?
【答弁要旨】
- 岩田地区では、地域懇談会でも取り上げられた自治会加入を主な課題として把握できたため、今後は自治会をはじめ関係課とも調整し、外国人が地域活動に参加しやすい環境整備の支援に取り組みたいと考えています。
多米地区の団地では、コミュニケーション、住宅、モラル等の課題を把握できたため、今後も引き続き、地域活動への参加呼びかけや相互理解を図る事業提案などしていきたいと思います。また、団地以外では、今年度実施したワークショップの中で出された自治会への未加入、地域行事への不参加、コミュニケーション、ごみ問題等が課題と認識しています。今後は、ワークショップの参加者が考えた解決策「回覧へのふりがな・翻訳」、「地域の相談窓口の設置」などについて、支援に取り組みたいと考えています。地域の皆さんの暮らしやすいまちづくりに、何が必要か多文化共生の観点から一緒に考え、取り組んでいきたいと思います。
- 外国人市民会議は、複雑多様化している外国人を取り巻く状況の中で、課題を的確に把握し、外国人市民の意見を市政へ反映する仕組みとして多文化共生推進計画に位置づけられております。メンバーは、多文化共生に関心のある外国人市民を10名程度一般公募し、多文化共生の推進という視点で選考したいと考えています。会議では、「情報提供」「教育」「生活」などテーマを設定し、関係課の職員も参加する中で、現状に対する課題、問題点、解決策などについて意見交換を行い、今後の取組みに反映していくことを考えています。今年度は3回を予定しており、次年度以降も継続していきたいと考えています。
【2回目質問】
- 地域活動への参加や相互理解の妨げとなっている大きな要因は何か、またその対応策について伺う。
- 外国人を取り巻く問題の中で最も重視しなくてはいけない問題は、彼らの師弟が日本の社会で夢を持てるようになることができるかということ。そのような問題意識を持つ会議となるために、メンバーの選考基準はどうあるべきか、お考えについて伺う。
【答弁要旨】
- 地域活動の主なものとして、自治会活動が挙げられます。自治会の必要性や活動内容が理解できるようなチラシや説明会のほか、規約の翻訳など、外国人への情報提供のあり方について、自治会と協議を行いサポートしていきたいと思います。「言葉の壁」への対応策は、今年度のアンケート調査からも高いニーズを把握できたため、地域で開催されている日本語教室などの活用も含め検討していきたいと思います。また、相互理解については、今年度開催したワークショップや意見交換会、あるいは交流イベントを引き続きサポートしていくほか、新年度は多文化共生推進員による相互理解を図る出前講座も考えています。
- 夢が持てる社会づくりとして、「教育環境」や「就業環境」なども会議のテーマとして考えており、委員についてもそういった問題意識を持って参加いただく必要があると考えています。そうした考えの下、委員の選考にあたっては書類による選考を考えており、テーマを設定した簡単な作文の中で、より高い課題認識、問題意識を持った方を、幅広い年代や国籍の方で構成するような委員を選考するようにしていきたいと考えています。
【まとめ】
多文化共生モデル地区が設定されて以来、行政の皆さんが共生の現場でその実態把握に努めていただいた。更に、団地外においては、ワークショップを契機として、日本人と外国人の人間関係が形成され、その後もいい関係が継続している地域もできたと感じている。しかし、団地の中では問題も多様であり、まだ多くの困難が残されている。住宅課と連携をはかっていただくこと、また、外国籍の子ども達も夢を持って生きることができる社会づくりという意味では、市役所の様々な部署との連携もはかりながら、多文化共生に向けて一層の努力を期待する。
☆地球温暖化対策の推進について
【1回目質問】
- 地球温暖化対策の施策推進のため、地球温暖化対策推進会議を新たに設置することとなっているが、どのようなメンバーで行われるのか、また、「豊橋市地球温暖化対策地域推進計画」では、豊橋市地球温暖化対策地域協議会により事業推進を図るとあるが、この協議会と会議がどのような関係をもつものとなるかについて伺う。
【答弁要旨】
- 現在、地球温暖化対策推進会議のメンバーとしては、市民・事業者・地球温暖化対策推進人・学識経験者の代表者に豊橋市を加えた14名での構成を考えています。また、豊橋市地球温暖化対策地域協議会との関係につきましては、地球温暖化推進法で定める協議会設立までの準備組織と考えており、協議会設立までの豊橋市地球温暖化対策地域推進計画を推進するための会議と位置付けています。
【2回目質問】
- 市民への周知のため「とよはしの環境」に市民一人あたりの二酸化炭素発生量の推移を示していくことが必要ではないか? 掲載する考えの有無、また掲載するのであればどのような数値を載せることが考えられるのか?
- 市長は日本一の農業を目指すと言われているが、農業は地球温暖化の影響を最も受けやすい産業ということができる。他市に先んじて、気候変動への適応策を建てて行かなければならない事情が本市にはあると言える。積極的に適応策の検討をすすめるべきではないか?
【答弁要旨】
- 二酸化炭素発生量など統計数値をとよはし版環境白書である「とよはしの環境」に掲載することは必要なことであると認識しております。地球温暖化対策地域推進計画についても掲載していく考えでおります。その中で、計画の進捗状況として、二酸化炭素発生量の推移についても掲載していきたいと考えています。
- 温暖化影響への適応策については国においても検討していることは承知しており、地域としても取り組むべき課題であると認識しております。そのようなことから、今後の地球温暖化対策推進会議における課題の一つとして取り上げていきたいと考えております。
【まとめ】
「とよはしの環境」に二酸化炭素発生量のデータを掲載していただけることについては、期待する。しかし、そのデータの取り方が、国の値からの推計値とか、実態を表す数値とは言い難いものである。正確な数値を把握し、報告するように研究を進めていただくことを期待する。
気候変動への適応策の検討を地球温暖化対策推進会議の課題の一つとしていただけることには期待する。東三河地域の海や山などの地勢、人々の暮らしぶりなど、同様な条件を持つ地域は他にないわけで、温暖化による気候変動への適応ということについては、この地域で独自に変化を把握し対応策を建てていかなければならない。災害に強い町づくりのため、日本一の農業を守り育てていくために、温暖化による気候変動への適応策づくりに積極的に臨むことを期待する。
☆「豊橋農産物販売促進事業」について
この事業はJA豊橋が行う事業の補助事業であるとのこと。地元ならびに大消費地で豊橋産農産物の積極的なPRを行い、販売促進を行うものとされている。以下の2点について伺う。
【1回目質問】
- 豊橋産農産物の販売を促進するために行う事業とは、どんな事業の内容を想定しているのか? また、その販売促進事業のターゲットはだれなのか?(個人消費者、大規模需要家、流通業者、販売業者等のどれかという意味)
- 補助を行うに際して、市の考えを事業に反映することを可能とする手段はあるのか?
【答弁要旨】
- 当事業は産業プロモーションにおける農業版と位置づけており、その中心は農協が事業主体となって、大都市圏における量販店等において豊橋産農産物の販売促進活動を展開するものです。他にも、マスコットキャラクターを活用したうずらの消費宣伝など、様々な機会を捉えて豊橋産農産物をPRして参りたいと考えています。
今回は生産者の方にも店頭における販売活動をお願いし、エンドユーザーの生の声を聞いていただくことも、大きな目的の一つとしております。そのような考えに基づき、今回の取り組みにつきましては、最終的な個人の消費者の方をターゲットとして想定しています。
- 今回の補助制度を設計するにあたり、事業主体である農協のご要望をお聞きするとともに、市として、当事業に寄せる思いもしっかりとお伝えしました。今後、事業の実施段階においても、事前に提出される計画書等の内容に市の意向が十分に反映されているかどうか、審査並びに指導を行うことにより市の考えを反映させて参りたいと考えています。
【2回目質問】
- この事業を行う大都市圏では、このイベントにより豊橋産農産物が個人消費者に好評を得ることにより、量販店は取り扱うことになり得るのか? 安定的に販売を継続していくためには、流通事業者への働きかけこそ重要ではないか?
- このイベントにおいては、豊橋産農産物の販売促進をするためにどのような価値を特にアピールしようと考えているのか? また、その方法はどのように考えているのか? またその目標はどの程度を想定しているのか?
- 事業への市の考えの方策については理解した。
【答弁要旨】
- 大型産地としての取扱い量の拡大をねらう場合には、これまでそうした観点から、大都市圏の市場関係者を招いた交流会などを開催してきました。しかし、今回の取り組みのねらいとしては、豊橋産というネームバリューの向上、つまりブランド化をめざすものであり、その場合、地道な取り組みではあるものの、やはり直接、消費者に訴えて参ることが重要であると考えており、そのように対応して参るものでございます。
- 当面は、先進技術の導入や豊川用水などにより全国有数を誇る本市の農業生産力を始め、エコファーマーが取り組む減農薬、減化学肥料など安心・安全や環境への取り組みなど、本市における農業の強みについて印刷物の活用や生産者本人による情報発信をして参りたいと考えています。さらに、本年度、市全体で作成するシティプロモーション推進計画(仮称)と整合性をとりながら、農産物をブランド化するためのストーリーや戦略作りが必要であると考えております。また、事業の目標でございますが、豊橋産農産物の認知度や印象を高めることを目標として参りたいと考えています。確認方法につきましては、昨年の秋に東京や横浜において実施いたしました農産物等の販売促進フェアにおいてアンケート調査を実施しておりますので、今後も継続的にアンケートを実施することにより事業成果を把握して参りたいと考えています。
【まとめ】
広告効果を高めるためには、うまくマスメディアを活用する「パブリシティ」ということを考える必要があるのではないか? また、マーケティング戦略の中では、マーケティング・ミックスということが言われている。製品、価格、売る場所とか流通経路、そしてプロモーションをあげ、売れる仕組み作りのための重要な方策として、この四つを効果的に組み合わせることをいう。このことも含め、本市がシティ・プロモーションを進めて行くにあたっては、マーケティング戦略についても研究していく必要があると感じる。
☆産業戦略プランの策定、企業誘致活動事業費について
市民が生活の糧を得る場づくりとして、産業の振興は市政の中でも大変重要な意味を持つ。また、住民福祉の充実に向けては、将来の税収を確保していくことも同様に大変重要な意味を持つ。総合的な産業振興実現に向けて以下2点について伺う。
【1回目質問】
- 産業を総合的に振興していく方策としては、地場企業の振興策と進出企業の振興策の両面に手だてが施されなければならないはずである。今回提案されている産業戦略プランでは、「農商工連携を基軸とした総合的な産業振興策を展開するための推進計画を策定」としている。これは地場企業の振興策と考えられるが、進出企業の振興策をどのように考えているのか伺う。
- 佐原市長はシティプロモーションとして企業誘致活動を活発に行うことと合わせて、「既存市内立地企業もしっかりフォローしていく」ということを繰り返し言われている。ところが、企業誘致活動費が21年度予算の720万円と比べ120万円も減少している。「既存市内立地企業もしっかりフォローしていく」ということを、予算を減らしてどのように実現していくのかお示し頂きたい。
【答弁要旨】
- 進出企業につきましては平成20年度より企業立地促進条例を改正し、既存企業が施設を増設した場合にも奨励金を交付するなどの対応をとって参りましたが、今後、ワンストップサービスの充実を図るなど、ソフト事業においても振興施策を充実して参りたいと考えております。
- 予算減額に関しましては、商工総務費への事業組み換え(GNI負担金50万円)及び広告のサイズ変更による役務費の減額が主なものとなっており、事業につきましては昨年と同等の実施が可能なものと考えております。また、既存企業との情報交換につきましては市内の企業訪問を密に行うこととしており、予算には計上されておりません。しかし、事業所の訪問数はこれまでも行政評価(細事業評価表:公表なし)の目標指標となっており、企業誘致活動の効果的な手法として捉えている中で、今後は更に訪問機会を増やしてまいりたいと考えております。
【2回目質問】
- 各地方自治体の財政も逼迫しており、企業誘致競争が激化することが予想される。そのターゲットとなるのが、進出企業である。今市内に立地してくれている企業を守るため、もっと言えば、他地域から移転してくる企業が現れるように、進出企業の振興策を強化・充実していく必要があると考えるが、認識と対応を伺う。
- 予算は減らすが既存企業への訪問回数は増やすとのご答弁だった。訪問回数をどれ程増やすのか、訪問して何をしてくるのか、その結果を庁内にどのように反映するのかについて伺う。
【答弁要旨】
- 進出企業に対する施策としては、これまで立地奨励金などで対応してきましたが、具体的には、平成15年12月に初期投資の軽減を図るため「家屋・償却資産の投下固定資産額の20%〜10%」を交付することとしました。また、平成19年3月に「資本形態」や「業務提携」を一切問わない「複数企業による立地」にも奨励金の対象となるよう条例改正を行っております。すでに進出している企業に対しましては、従来においては、新たに土地を取得して工場等を立地しなければ奨励金の対象とならなかったのが、「既存の事業所用地への増設をした場合」にも奨励金の対象となるよう、平成20年3月に条例改正を行ってまいりました。今後におきましても、将来にわたって状況に適応した制度とするよう「個別企業訪問」を頻繁に行い、経済状況の把握に努めるとともに、新たに市から各地域や企業に出向き、「優遇制度などについての説明会」を開催するなど、各種補助制度を利用していただくよう積極的な働きかけに取り組んでまいりたいと考えております。
- 企業訪問につきましては、前年度150社に対しまして、2割程度増の180社を目標にしたいと考えております。訪問方法でありますが、これまでも「業績」、「事業計画」、「市に対する要望」等を伺い、訪問結果につきましては、「訪問記録」を作成しまして関係課(建設部・都市計画部)にも供覧するなど情報の共有を計ってまいりました。なお、要望につきましては、一定の分類分けにより「道路補修」、「雨水排水の整備」、「中央分離帯の樹木の剪定」等が主なものでありましたので、これらにつきましては、関係課へ依頼して対応しております。新年度におきましても要望の中身を整理し、分析するとともに、効果的な対応を迅速に行うことに心掛けてまいりたいと考えております。
【3回目質問】
- ご答弁は、従来の施策を継続していくという趣旨だった。本市に立地する進出企業の中でも、三河港域には自動車関連企業が多く、本市の製造品出荷額の主要な部分を担っている。これらの企業はリーマンショック以来の経済危機の中で大きな痛手を受けているところに加えて、昨今はトヨタのリコール問題が発生し、大変大きな影響を受けている。これら自動車関連企業には大変大きな試練となっており、事業所の集約、移転なども含めて必死の生き残り策を考えていることが推察される。このような事態の中で、本市は進出企業が豊橋で事業を継続していくことができるように、何らかの緊急支援策を講じる必要があるのではないか?本市にとって、大変重大な事態が発生するかもしれない。 認識と対応を聞かせていただきたい。
- 既存企業への訪問について、回数を増やすことは是非行っていただきたい。しかし、これまでの成果を聞く限りでは、通りいっぺんのヒヤリングをしてきたのではなかったかと感じる。企業の本音を聞き出すためには、訪問先の会社のだれと会うかということも重要。もっと本音を聞き出せるようなヒヤリングの仕方を研究する必要もあるのではないか。聞くだけでなく見ることも大切。しっかり訪問先企業の状況を観察し判断するということも行う必要がある。これらについて、更に研究を進めていただくことを期待する。
【答弁要旨】
- 自動車関連産業は裾野も広く、本市産業の基盤をなすものであり、その経営の動向は地域産業全体に大きな影響を及ぼすものと考えている。トヨタのリコール問題などで、本市の自動車関連産業が更に大きなダメージを受けるような事態に陥る場合には、市としてもできる限りの対応をしなければならないと考えている。早急に状況把握など情報収集に努めていきたい。
【まとめ】
市民が働く場の確保は、市政の中でもとりわけ重要な課題と言える。自動車関連のウェイトが高い産業構造を持つ本市にとって、昨今の情勢は極めて厳しいものになっていることをしっかり自覚する必要がある。緊張感を持って情報収集に努めていただくことを期待する。
☆総合型地域スポーツクラブ支援事業費について
【1回目質問】
- これまで市内4地域において行われている、四つの総合型地域スポーツクラブクラブの活動状況には格差があると思われる。順調なクラブもあれば苦戦しているクラブもある。その活性化策と併せて、新規クラブの創設に向けて、考えを伺う。
【答弁要旨】
- 校区自治会、老人クラブ、体育委員、体育指導員との連携等、今後地域の様々な団体を巻き込んだ事業展開を図ってまいりたいと考えております。
新規クラブの創設ですが、新たな地域での設立については、地域等の実情等により温度差のあるのも事実であり、意義、必要性、メリットなどを理解して頂き、また、既存の地域スポーツクラブの状況などを検証し、地域住民の理解と協力を得る中で、創設してまいりたいと考えております。
【2回目質問】
- 総合型地域スポーツクラブの普及と活性化ということの大きな障害の一つは、そのわかりにくさにあるのではないか。各小学校区には体育委員会があり、体育指導委員もいる。総合型スポーツクラブ、体育委員会、体育指導委員がそれぞれどのような役割を持っているのか、わかりにくい。そのわかりにくさを解消するために、市としてそれぞれの役割分担について、モデルを示すことで効果を期待できるのではないかと考える。認識と対応を伺う。
【答弁要旨】
- 総合型地域スポーツクラブは、子どもから高齢者まで様々なスポーツを、それぞれのレベルで楽しめる場を創設し、地域のスポーツ活動の推進を図る必要があると認識しております。対応としては、総合型地域スポーツクラブは、体育指導委員・体育委員会(体育振興会)・老人クラブ・スポーツクラブ等を含めた組織であることが理想であり、それぞれの活動を中心に地域スポーツの振興を図ってまいりたいと考えております。さらに、自治会と連絡を密にし、誰もが参加できるスポーツ教室やレクリエーションスポーツの普及に取り組み、また、競技スポーツの底辺の拡充を含めた地域のスポーツを活性化することで、総合型地域スポーツクラブを発展させてまいりたいと考えております。
【3回目質問】
- 現実的には、後発の総合型スポーツクラブが先発組織である体育委員会や体育指導員をまとめていくというこの理想を、総合型スポーツクラブが独自で実現することは困難と思われる。市が仲介をする必要があるのではないか。認識を伺う。
【答弁要旨】
- 総合型地域スポーツクラブは先ほどもお答えをしましたとおり既存のスポーツクラブなどを含めた組織として活動が展開されることが理想でございますが、まだまだ地域によりその認知度は温度差がございますので、市といたしましては、まずは地域や既存クラブに総合型地域スポーツクラブの理念・必要性などについてしっかりPRをするとともに、これまで以上に地域スポーツクラブと既存クラブとの橋渡しといいますが、調整役もしてまいりたいと考えています。
【まとめ】
地域スポーツクラブと既存クラブとの調整役をしていただけるとのことであるので期待する。地域においては、体育指導委員、体育委員などの担い手探しに苦労しているところも多い。この辺りの負荷軽減に総合型地域スポーツクラブが貢献することができれば、新規創設の促進も期待できる。仲介も含めて積極的な対応を期待する。
☆総合動植物公園、一般会計からの繰入金について
【1回目質問】
- 近年、一般会計からの繰入金は概ね10億円程度で推移している(20年度11億、21年度10.5憶、22年度10.9憶?)。平成22年度予算案の作成に当たっては、聖域を設けることなく削減が指示されていたにも関わらず、総合動植物公園への繰入金は減少するどころか若干ながら増加している。そこで、市民にとって総合動植物公園がどんな存在意義を持つものであると考えているのかを伺う。また、予算検討において行われた削減内容と金額をお示しいただきたい。
【答弁要旨】
- 総合動植物公園は、動植物を展示し、自然との触れ合いを通した様々なレクリエーション活動や動物教室・職業体験などの教育的活動、動植物の種の保存活動、野生生物の保全など、動植物との共生やいのちの大切さを学ぶことができる空間であります。こうしたことが、存在意義であるのではないかと認識しております。
次に歳出の削減内容と金額でございますが、22年度は21年度に引き続いて新たな大規模施設の建設はないので、歳出の主なものは動植物公園の維持と管理運営に関する事業費です。近年は、施設や設備の老朽化、経年劣化などが進み、前年度に比べ、観覧車の整備改修工事など、修繕や改修工事等の維持管理経費が増加しているなかで、お客様の安全・安心を最優先に点検や整備を実施するとともに経費の節減等に努めており、継続している多々ある事業のうち、概ね3千万円ほど削減しているところです。
【2回目質問】
- 動物園の存在意義について、「自然とのふれあいを通したレクリエーション活動」「動物教室や職業体験などの教育的活動」「動植物の種の保存」などをあげていただいた。しかし、珍しいものを含む非常に多くの種類の動植物を飼育あるいは栽培し、かつ、それらを市民に展示するという事業の意義と言うことからは、ややかい離しているように思われる。様々な生物の展示を本来生息する環境と関連付けて行うようになっていること、豊橋に観光客を誘致する資源として活用の努力が行われるようになっていることなど、時代の変遷の中で動植物公園に対する市民の期待が変わり、動植物公園もそれに対応してきたものと思われる。そのことを誇りに思っている市民は少なからずいる。
しかし、現実の整備方向と規定された理念のずれを放置することは、中途半端な施設を作ったり、廃棄すべきものに整備費用を投じて存続させたりというような、無駄を生むことになりかねない。しっかり時代環境と市民の期待を見極め、的確な理念とビジョンを確立することと、それに忠実な施設整備と運営をすることが、無駄をなくす最も合理的な方法であると考えられる。また、職員の目指すベクトルの方向が一致することにより、ユニークな施設となり、入場者の増加にもつながる。一般会計からの繰入金をもっと有効に活用するために、理念の再構築とビジョンの確立が必要なのではないか。認識を伺う。
【答弁要旨】
- 動物園ゾーンでは、平成20年度のサルデッキ建設により、西園整備が一定完了しましたが、昭和45年開園当時以来の猛獣舎の老朽化や同様に老朽化、経年劣化の進む遊園地の遊具や植物園の施設、設備の更新が課題となっております。
また、委員のご指摘にもありましたように、動物の飼育、展示方法や対象者に合わせた魅力ある遊具、遊園地のあり方など、近年、全国的に動物園の形態が大きく変化しており、これらによる動物園ブームが起きている中で、動物園相互の優劣が明確になってきております。
したがいまして、当総合動植物公園におきましても、この更新時期に併せ、また、全国にアピールする豊橋市のシティプロモーションの重要な観光資源といった観点からも、当総合動植物公園の各ゾーンについて理念やビジョンを整理して、新たな整備に取り組む必要があると認識しております。
【まとめ】
理念を明確にし、ビジョンを確立することにより、より質の高い展示をすることが可能になるはず。コスト削減にもつながる。地球全体を視野に入れた生態系を考える教育の必要性、豊橋市としてのシティプロモーションへの取り組みなどを考えると、総合動植物公園の将来の方向性について、だれのためのどういう意味を持つ施設であるべきかという基本的な部分から再構築を進めるべき時期にきているものと考える。是非、22年度から取り組んでいただくことを期待する。
☆市民病院当年度純損失5億9千2百万円について
【1回目質問】
- 21年2月に策定した「豊橋市民病院改革プラン」において、効率的・効果的な病院運営の推進を図るための主な取組として、7対1看護体制の整備、ベンチマーク分析の活用さらに休止中の一部病棟の早期再開が掲げられているが、22年度予算において、これらに対しどのように取り組む予定か。
【答弁要旨】
- まず、7対1看護体制について、本院では、その実現に向けて、平成20年度から積極的なPR活動などによる受験生の確保、院内保育所など職場環境の整備や教育体制の充実による看護職員の離職防止、再就職チャレンジ研修による潜在看護師の発掘など様々な方策により看護師の確保に努めてきました。この結果、3年間で約70名の増員を図ることができ、パート職員の活用も含め、新年度において7対1看護体制は実現できるものと考えています。
次に、ベンチマーク分析について、平成18年度に着手して以来、診療材料、業務委託、薬品など各項目において、これを活用したコスト縮減に努めてきました。平成21年度は前年度までの実施項目をあわせて4億7千万円ほどのコスト縮減ができるものと考えており、22年度においても、引き続き取り組んでまいります。
最後に、休止中の一部病棟(平成19年度から休止している東9階病棟)の活用について、本院では現在、総合周産期母子医療センターの開設に向けて検討しているところであり、母体・胎児集中治療室をはじめスペースの確保について考慮する必要があることから、東9階病棟の活用も併せて検討していきたいと考えています。
【まとめ】
東9階病棟を総合周産期母子医療センター整備に向けて有効活用することは、有意義であると理解した。市内診療所との患者さん、助産師さんの競合とならないように留意して検討を進めていただくことを期待する。一方、近年うつ病など心の病を持つ人が増加していることに対応して、市民の期待に応えるように積極的に対応を検討して頂くことを期待する。
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