「とよはし歴史探訪」事業に関連して伺う。次世代を担う子ども達に地域の歴史を教え、自分の住む地域に誇りを持たせることは、いつか自分達がこの地域のために貢献したいという気持ちを育てることになると考えられる。そういう意味でこの事業は有意義であると考えるが、事業のねらいと更に詳しい事業内容について伺う。
【答弁要旨】
「とよはし歴史探訪」は、市民への歴史・文化財の保護意識を高めることを目的に市内を中心に主要な文化財や史跡・歴史の道などをめぐる市民参加の体験型学習事業として、平成12年度から実施し、毎年600人以上の方々の参加をいただいております。
事業の内容でございますが、文化財や史跡・戦争遺跡・街道などを巡るもの、また、小学生を対象に古墳時代の勾玉やトンボ玉づくりに挑戦するものなど様々でございます。特に、古墳時代へと思いをはせる勾玉づくりは、毎年、多くの参加をいただき好評をいただいております。
本年度も10講座を計画し、現在までに7講座を終えていますが、今後とも、多くの市民の皆様に郷土豊橋の歴史、文化財等を紹介しながら、「郷土豊橋について」また、文化財保護についての意識を高めていければと考えております。
【2回目質問】
「とよはし歴史探訪」は、文化財保護意識、歴史認識を育成するために行っているとのことだった。「子どもの人間形成」という意味では、文化財や史跡を学ぶということも大切だが、この地域ではどんな人たちが先駆者として地域を作ってきたのかを知らせることはさらに大きな意義を持つものと考えられる。このことについて、学校教育などの中でどのように取り組まれているのかを伺う。
【答弁要旨】
豊橋をつくってきた人物を取り上げる学習といたしましては、主に社会科があります。小学校におきましては、3年生及び4年生で、「人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働き」について学習いたしますが、ここでは、神野金之助を取り上げて神野新田の開発を学習する学校もあります。この他にも、3・4年生が社会科の副読本として使用する「とよはし」には、本市の発展に尽くした人物として、小渕志ちや羽田野敬雄といった人物も載せられており、各学校では、これらの人物を取り上げながら学習をすすめております。また、小学校6年生と中学校1・2年生では歴史学習に取り組みますが、例えば、戦国時代を学習する際に牧野古白を取り上げたり、明治の殖産興業の学習に朝倉仁右衛門を扱ったりすることもございます。
しがしながら、このように人物を扱う際には、単に豊橋にかかわりが深いという理由だけでなく、地域の実態や学習のねらいに応じて取り上げることが重要であります。従いまして、各学校では、実情に即して、教材としての検討を加えながら学習に取り入れております。
【まとめ】
この計画では、次世代育成策を充実して子ども達をしっかり育てていくというわけだが、町の持続的発展を考えれば、育った子ども達がこの町のために働きたいと思える環境づくりは忘れてはならないことのはず。この町は貢献してくれた人の恩を忘れることなく、後世に語り継いでいる、ということを示すことがそういう環境の一つとして重要。しかし、大口喜六初代豊橋市長や三河港や豊川用水を提唱した近藤寿一郎市長などの働きを知る子どもは少ないと思われる。そういう意味では、先人の努力の伝承はまだまだ十分とは言えないのではないか。更に一層充実させていただくことを期待する。