2009年10月16日(金)総合計画調査特別委員会
青字は答弁
 第4次総合計画について、新しい時代環境への適応の方策を示すものになり得ていたか、計画の実践にあたりそのことをしっかり意識することができたかという視点から、以下2点について伺う。

☆第4次総合計画の基本理念、将来都市像について

【質疑1回目】

  • 総合計画を策定するねらいの一つは、本市が持つ様々な経営資源を効果的に活用することであり、その方法は、組織すべての構成員のベクトルの方向を一致させることによりその値を最大化することと言える。そのためには、基本理念に忠実に、将来都市像からのブレイクダウンにより基本計画が作られていくことが重要。そういう意味において、第4次総合計画が、基本理念、将来都市像が尊重される計画の作り方が行われたかどうか、評価と課題を伺う。

【答弁1回目要旨】

  • 第4次基本構想・基本計画の策定に先立ち、平成11年3月に概ね20年後(2020年)を展望した「とよはし21世紀ビジョン」を策定しました。
  • このビジョンの中で、まちづくりの理念として掲げた「ともに生きるまち」、実現を目指す3つの都市像として示した「環境文化都市・ゆとり生活都市・活力創造都市」は、それぞれ第4次基本構想の「まちづくりの基本理念」、「将来都市像を実現するための基本方向」へと継承されています。
  • このことが示すように、第4次基本構想・基本計画の策定は、基本構想の核心に近い部分を組織全体が共有しながら取り組んだものであり、これに沿って政策体系を作り基本計画に掲げる施策と事業を明らかにしてきたものです。そうしたことから、理念、将来都市像を尊重した作り方が行われたものと認識しています。

【質疑2回目】

  • このことを検証するために、基本理念の「ともに生きるまち」の意味について考え直してみると、限られた自治体の財政の中で、増大する公共サービス需要に対応するため、民間企業の経営手法を公共サービスに導入するというニューパブリックマネージメントが取り入れられてきたものの、その限界が見えたことから、市民協働という発想を導入することを含んだものであろうと受け止めている。ところが、豊橋市政において市民協働が積極的に取り組まれるようになったのは、市制百周年を契機としている。第4次総合計画の後期に入ってからのことであり、取り組みの着手が遅かったのではないかという印象がある。
     そこで、基本理念や将来都市像が尊重されたのかを確認するために、さらに2点伺う。@基本理念の「ともに生きるまち」は、極めて短い表現となっているが、職員、市民に意図を正確に伝えることができたか、A将来都市像「笑顔がつなぐ緑と人のまち・豊橋」は町づくりの基本的方向で示す「環境文化都市」「ゆとり生活都市」「活力創造都市」を、市民に受け入れやすい表現にしたものと理解するが、職員の皆さんが業務執行環境の変化を実感し、その変化に合わせて仕事のありようを変えることに挑戦しようという気持ちを盛り上げるものになっていたかどうか、その評価について伺う。
【答弁2回目要旨】
  • 「ともに生きるまち」の意味するところは、市民協働ということだけではありません。「すべての人とともに、地域とともに、時代とともに、自然とともに、そして平和を願いながら世界とともに、さらに夢とともに生きる気概と誇りをもったまちづくり」を進めていくことを、職員はもとより多くの市民の皆様にも理解いただけるように短い文言で端的に表現したもので、これが意図するところは正確に伝えることができたものと考えています。
  • 次に、「環境文化都市」については地球環境問題への対応や循環型社会形成に向けた取組み、「ゆとり生活都市」では市民協働の機運の高まりに応じた条例制定などの取組み、「活力創造都市」に関しては国際自動車特区の指定や農工商連携など地域特性を活かした取組みなどが行われました。こうしたことから、将来都市像の3つの基本方向は、職員ひとり一人が社会環境の変化を意識し挑戦しようという意欲の増進に繋がったものと認識しています。

【まとめ】

  • ご答弁では、基本理念の意図は正確に伝わった、将来都市像により、職員の中に社会環境の変化を認識して新しい取り組みに挑戦しようという意欲の増進につながったとのこと。しかし重要なことであるだけに、一層の効果をあげるために、しっかり反省し課題を明確にしていくべきだと考える。
     また、多くの場合、計画が作られると、計画が独り歩きすることになりがち。そうならないように、基本理念や将来都市像を常に意識しながら計画の遂行にあたることが必要。そのためには、様々なメッセージが上滑りすることなく、職員の皆さんの腹にしっかり落ちる表現をすること、さらに、日常マネージメントの中で職員の意識の中にしっかり浸透させることが重要だと考える。第5次総合計画の策定にあたっては、この辺りをしっかり留意し、策定・実践をしていただくことを期待する。

☆評価指標による評価について

【質疑1回目】

  • 各事業の評価指標について伺う。評価指標がその事業の目的に忠実に沿ったアウトカム指標になっているのか、外部環境変化の影響を受けにくいものになっているのか、客観性を持った指標となっているのかどうかなど、それぞれの指標が適切に定められたかという観点から、指標の定め方について、どのように評価し課題をどのように把握されているか伺う。

【答弁1回目要旨】

  • 指標の設定にあたっは、それぞれの施策の意図を明確化し、目指すべき状態を総合的、象徴的に表すことができるよう、原則として客観的なアウトカム指標を一つに絞りこみました。施策の意図する状態をみる指標の設定方法としては、一定、具体的かつ論理的な方法で設定できたと認識しております。全ての施策を指標によって評価しておりますが、中には定量評価になじまない施策や、単独の指標では全体像が評価できない施策、或いは委員ご指摘のように、社会・経済状況等の変化の影響を受けやすい指標もございます。今後は、行政評価システム全体を見直す中で、指標のあり方についても検討してまいりたいと考えております。

【まとめ】

  • 指標のあり方について、検討していただけるとのことだった。第4次においては、アウトカム指標によりどれほど成果をあげたかということにこだわってきたが、評価作業の簡素化、客観性の確保などの意味から、アウトプット指標との併用、外部評価の一部導入なども検討対象に加えていただくことを期待する。
     また、事業の成果を把握するには不適切と思われる指標も一部に見られた。その辺りの指導のしかたについても研究の余地があるのではないかと考える。


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