☆人事管理事業費について
【質疑1回目】
- 主要成果報告書には、指標として「人材育成・活用の推進に向けた職場成熟度」が表示されており、平成20年度の結果は28.1%とあまり芳しいとは言えない数値が表示されている。これはどのような点が評価されなかったことによるものか?
【答弁1回目要旨】
- この指標は、職員に対して「職場管理」、「人間関係」、「やりがい感」、「改革推進」、「人材育成」、「働きかけ度」の6分野32項目の職場環境に関するアンケートを実施し、各項目について「概ね当てはまる」と回答した職員が80%以上となった項目の割合を示したもので、平成20年度は32項目のうち9項目について80%以上となり、職場成熟度は28.1%という数値になったものです。
その内容を見ると、6つの分野のうち、「職場管理」、「人間関係」、「やりがい感」の3分野につきましては、16項目中9項目で「概ね当てはまる」が80%以上になり、職場成熟度が比較的高い結果となっている。一方、「改革推進」、「人材育成」、「働きかけ度」の3分野については、16項目中で80%以上になった項目が1つもないものの、各項目概ね、70%前後の数値となっている状況です。
【質疑2回目】
- 本市ではこれまで、様々な研修、OJT、あるいは目標管理制度などのマネージメントツールなどを用い、人材の育成に努めてきた。にもかかわらずこのような結果が出たということをしっかり受け止め、今後に生かしていかなければならないと考える。また、従来の職員教育に加え、20年度からは「管理職員を対象とした行政経営能力の強化を図る研修」「若手職員のキャリア形成支援を進めるための研修」が行われるようになったが、これら新規研修で今回評価の低かった「改革推進」「人材育成」「働きかけ度」の3分野の評価を向上させることができるものなのか、あるいはさらに何らかの教育手段を考えなくてはならないものなのか、認識を伺う?
【答弁2回目要旨】
- 本市では、「自ら伸ばす」「職場が伸ばす」「人事制度が伸ばす」との3つの視点のもと、「自律型プロフェッショナル職員」の育成にむけ、人材育成基本方針を策定し、計画的な人材の育成に取り組んでまいりました。こうした中、平成20年度は、管理職員のマネージメント能力の向上に加え、若手職員に重点をおいた、マネージメント能力の向上のための研修制度を実施しております。
こうした研修は、指標にある「職場管理」の職員意識の向上につながっていくものと考えていますが、意識の低い「改革推進」「人材育成」「働きかけ度」の改善には直接つながりにくいものと考えており、意識向上に向け、重点的に取り組んでいかなければいけないことと認識はしています。
こうした認識からも、人材育成基本方針に掲げる、自己啓発支援、職場内での研修、そして研修制度をはじめとした人事制度などを計画的、継続的、着実に実施することにより、人材育成・活用の推進に向けた職場成熟度の向上につながっていくものと考えております。
【まとめ】
- 本市は自律型プロフェッショナル職員の育成を目指しており、その具体的な方策として人材育成基本方針を定めている。この方針の中で、具体的な部分はタイムリーに改善を図っていくことが必要。目標を見据え、確実に目標に近づいていける方策を実施していくことが大切。その目標として、職場が自律型プロフェッショナル職員の集団となっているかを判断することを目指したものがこの職場アンケートであり、そこで不十分な結果が得られた要素については重点的に教育を進めていくことが実現への近道となるはず。もし、職場アンケートが自律型プロフェッショナル職員の集団であることを判断できるものになっていないのであれば、アンケート自身を見直さなければならない。人材育成においても、戦略的な事業推進が重要であろうと考える。戦略的かつ積極的な人材育成を期待する。
☆海外協力交流研修員受入事業費について
【質疑1回目】
- この事業は県交付金のフレンドシップ継承交付金を財源として、平成19年度に引き続いて行われているが、どのような内容で実施されたものか?
【答弁1回目要旨】
- 総務省、自治体国際化協会が支援する「自治体職員協力交流事業」で、自治体が海外の地方自治体の職員を研修する目的で受け入れる事業です。
昨年度は本市へ来日する多くの日系ブラジル人の出身地であるパラナ州パラナヴァイ市の小学校に勤務する教職員を研修員として受け入れ、日本の教育制度の理解と来日している日系ブラジル人児童生徒とその保護者の教育相談等を行っています。具体的には、岩西小学校を拠点にし、授業観察、国際学級やプレクラスでの補助、進路相談、家庭訪問などを実施しました。
【質疑2回目】
- ブラジルの学校の先生に日本の学校で実際に働いてもらうものであるということは理解した。既に岩田小学校、岩西小学校で実施されたが、学校の現場ではどのようにこの事業を評価しているか、そして今後に向けた課題は何か?
【答弁2回目要旨】
- 学校現場では、実際の国際学級やプレクラスでの授業運営が非常に助かったと伺っていますし、外国人児童も本国の教員と直接触れ合うことができ、明るくいきいきとした授業参加が行われました。また、昨年はブラジルの児童文学による読み聞かせの部活動や母語指導も行ったりと、子ども達にとって非常にいい教育環境の場を提供できたと認識しています。
課題としては、研修期間が半年ということもあり、授業運営の継続性ということだと思います。これにつきましても、教員や相談員の方々が、授業を行う中でノウハウを蓄積し、研究をするなどして、健全な学校運営を図っていく必要があると認識しています。
【まとめ】
- 派遣された先生が日本の教育制度を学ぶばかりでなく、母国語を教えるなど積極的にブラジル人子弟の指導にあたってくれたことが、現場で高く評価されているものと理解した。豊橋で働く日系ブラジル人の多くは、いつかブラジルに帰りたいと考えていると聞いている。同時に、こういう人達は、帰国した時に子ども達が母国に馴染んでくれるかということに不安を持っている。ブラジルから日本に来たばかりの子、いつか日本からブラジルに帰ろうとする子、どちらも大きな環境変化を乗り越えなければならないわけで、海外協力交流研修員の先生がそのショックを緩和する役割を果たすことが期待される。多くの子ども達を救うことができると思います。是非とも課題を克服して、今後もこの事業の継続推進をしていただくよう期待する。
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