2009年1月23(金) 建設消防委員会
青字は答弁
豊橋まちづくり景観形成基本計画(改定案)について

  1. なぜ今、何のために改定をする必要があるのかについて 、市内外の状況変化、市民意識の動向、豊橋市総合計画との兼ね合いなどに関する認識を伺う。

    【答弁1回目(都市計画課長)】
     近年、人々の価値観が量から質に変化し、美しいまちづくりが社会全般で話題にされることが多くなりました。それにあわせ、国や県、他都市においても、景観に関わる取り組みが活発化してまいりました。本市においては、平成2年に現基本計画を策定し、豊橋駅周辺を重点地区に設定し、各種取り組みを進めてきましたが、基本計画の内容は、策定から年月が経過したため時代にあわなくなっており、今後どのような景観形成を進めていくか、その方向を改めて示す必要が生じているところです。
     一方、本市の状況を見ると、中心市街地では大型事業が一段落し次のまちづくりの検討段階に至っていることなど、各種計画の検討や事業が着々と進められています。また、市民においては、平成16年に実施した市民アンケート調査の結果から、自然景観の保全・回復や町の緑化、歴史や文化拠点の景観整備の施策要望が約6割になっていたことから、今後は地域らしい景観形成を望むことがわかりました。このような状況から、本市として、時代の潮流にあわせることも含め、今、景観形成の方針を示す必要あると考え、今回、基本計画の改訂をするものです。本計画の改訂作業は、庁内関係各課の計画や事業と整合を図り、また、国、県との調整も図りながら進めていることから、2年後に策定する第5次総合計画と大きな齟齬を生じることはないと考えています。

    【質問2回目】
     総合計画との整合性ということを考えると、後2年待ってからでもいいのではないかということも感じる。そこで、第4次総合計画との整合という点を確認したい。第4次総合計画では第7章の「地区別まちづくりの方向」として、市内を9地域に区分しているが、今回の景観形成基本計画の改訂では、市内を6地域に区分している。なぜ、そうする必要があったのか、そのことに伴う弊害はないのかについて伺う。

    【答弁2回目(都市計画課長)】
     第4次総合計画では、地域の設定は、生活圏や歴史的なつながり、また共通の文化などを考慮しおおむね中学校区を構成単位として9地域を設定してあります。今回の「まちづくり景観形成基本計画」では地域の景観特性と調和したまとまりのある景観を形成するために、市内を土地利用や地形、自然状況などの景観特性を6つの地域に分割したもので、生活圏が分かれていても、景観特性が同じ地区についてはひとつの地区としています。地域の生活圏や歴史的なつながりを中心とした分割と地形や自然状況などの景観特性での分割であることから、この分割に伴う弊害はないと考えています。

  2. 現計画の成果と課題をどのように認識しているのかについて伺う。

    【答弁1回目(都市計画課長)】
     現基本計画は平成2年に策定しましたが、景観形成が行政の重要施策であるとの認識から、平成4年に「豊橋市まちづくり景観条例」を定め、この計画を条例に基づく基本計画に位置づけしました。
     景観条例では、市民とともに美しいまちづくりを進める決意を示し、景観地区の指定によるまち並み景観形成や住民活動への支援制度などを整えました。この制度を活用し、豊橋駅周辺に7地区、平成19年には二川宿を追加し、合計8地区の景観地区を指定し、市民と協働でまち並み景観形成を推進してきました。また、現計画で重点地区に位置づけした「豊橋駅周辺地区」において、無電柱化や豊橋駅の整備などを進め、公共事業による積極的な景観形成に努めてきました。これらの取り組みにより、現計画に沿って一定の良好な景観形成が達成され、あわせて市民意識の向上も図られたと認識しています。
     一方、平成16年におこなった市民アンケート調査の結果から、今後は、自然や歴史、文化など郊外に多く見られる景観に対する取り組みの推進や、公共事業のより丁寧な景観配慮などが必要であることが浮き彫りになりました。今回の改訂は、これらの課題を認識し、計画内容の見直しを行いました。

    【質問2回目】
     推進体制として、市民・事業者、専門家、行政ごとに役割を定めているが、この計画が実効性を伴うものとなるのかやや不安もある。そこで、この計画に定めた景観の質をだれがどのように責任を持って作り込み、保証していくのかについて伺う。

    【答弁2回目(都市計画課長)】
     この計画では、市民・事業者が主役であり、専門家がアドバイザー、行政はコーディネーターと、それぞれに役割を定めていますが、それぞれが役割を果たすと共に相互の連携が必要となります。本計画の周知と共にその実効性の担保についてもコーディネーターである行政が行うべきと考えています。その方法については、今後検討をしてきたいと考えています。

  3. 景観形成の意義の一つとして、「美しく魅力的なまちは、市民にとって快適で暮らしやすいまちとなり、市民に愛着と誇りを抱かせ、長く住み続けたいという気持ちにさせます」と表現されている。この意義を市民が共有するための目標景観像として「緑と水に包まれ、人と自然が調和した美しいまち」としている。この表現からは「愛着」を持てる姿ということはわかるが、「誇り」を抱けるというものになっていないように思われるが、認識を伺う。

    【答弁1回目(都市計画課長)】
     目標景観像である「緑と水に包まれ、人と自然が調和した美しいまち」は、市民や事業者、行政などが共有する将来の市の姿を表現したもので、皆が頭の中で描きやすいよう、人が抱く「思い」の言葉を用いず、「目に映る景観」を直接表現した言葉としました。景観形成を図り、この目標景観像をつくりあげることで、我がまちに対するふるさと意識が醸成され、市民が「誇り」を抱くことのできるまちを実現できると認識しています。

    【質問2回目】
     この計画がそのまま他都市でもそっくりそのまま使えるような計画であるとしたら、市民は「誇り」を持ち得るはずがない。つまり、豊橋らしさが表現されることが重要になると思われる。目標景観像の表現の中に「豊橋らしい」というような言葉を入れることはできないか、また、豊橋を特徴づける自然や歴史を発見していく取り組みを盛り込むことはできないかについて伺う。

    【答弁2回目(都市計画課長)】
     本計画の本編5ページに「緑と水に恵まれた市街地が、山・川・海・農地に包まれている」と記述してあり、このことが、豊橋らしさを表現しているものと考えていますが、もう少し豊橋らしさをうまく表現できることどうか考えてみます。豊橋市を特徴付ける景観を発見する取り組みについては、市民の身近にある景観資源を協働で掘り起こすことで、豊橋らしさを表現する自然や歴史を発見する取り組みを実施してく予定です。

【まとめ】
 この計画改定作業を進めるにあたっては、是非、これまでの経験を十分に活かすということと合わせ、実効性の高い計画作りを進めていただくことを期待する。
 また、計画改定の意義の中には「美しく魅力的なまちは、市民にとって快適で暮らしやすいまちとなり」という表現がある。ここでいう市民とは、今の大人だけを意識するのではなく、子ども達を意識することこそ重要だと考える。豊橋が永続的に発展していくためには、子ども達がこの町で暮らしたいと思うようになることが重要。そのためには、まず働く場づくりを進めなければならない。そしてこの町に住むことが誇りに思えることが重要であり、それは歴史を尊ぶことにより実現可能だと考える。景観作りにおいても、このことを是非中心において考えていただくことを期待する。


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