1.第4次豊橋市総合計画の推進にむけた行財政マネージメントシステムのあり方について
- 行政評価について
- この仕組みの評価については?
【答弁要旨(総務部長)】行政評価の仕組みに基づき、指標実績や活動成果などを踏まえ、行政サービスの充実を目指した改革・改善やコスト縮減を図っており、毎年度成果を公表している。大いに成果はあったものと評価・認識している。
次に職員の反応について、職員の意識という点において、行政評価作業を通じて、成果重視の視点や市民への説明責任の重要性など、意識改革が進んでいると思っているが、当初、職員の意識改革を強く意識し、事務事業を詳細に分析することを強調して出発した。そのために、評価に時間が掛かり過ぎるなどの意見もある。
また、市民の皆さんからの評価については、ホームページや施設見学会の中などで行政評価の仕組みを紹介しており、その中でいただいたご意見として、事業の改善に向けた見直しなど行政評価を活用した取り組みについて評価していただく一方、評価の仕組みや内容について理解するのが難しいなどの意見もある。改善すべきは改善し、目的・成果志向型の行政執行体制の確立に向け、努力して参りたい。
- 今後の展開は?
【答弁要旨(総務部長)】行政評価については、次年度予算への反映や、指標結果の主要施策成果報告書への掲載など、予算・決算との連携を図っている。
目標管理制度との関係については、どちらも総合計画に掲げた目標や政策を推進するための仕組みだが、行政評価は政策・施策評価や事務事業評価というように、組織としてこれらを評価するための仕組みであるのに対し、目標管理は組織の目標を達成するために、行政評価で掲げた目標を取り込み、個人目標を定め、個人の達成度などをもとに、業務の進捗管理や人材育成などを行う仕組み。
現在、これらの二つの仕組みを効果的に活用することにより、政策推進に取り組んでいる。
次にモチベーションの高揚については、評価に携わる職員の意識改革が重要であることから、現在、階層別の職員研修や業務改善運動を実施している。今後も職員の意識改革に向け、これらの取り組みについて継続して実施していく予定。
今後の展開について、これまでの取り組みから判断して組織目標と個人目標の融合、連携の強化は大切であると認識している。
また、行政評価については、検討課題もある。他都市においては今後の展開を模索しているところもあり、これらも参考にする中で、より簡素で効果的なシステムについて検討し、総合計画の推進に努めて参りたい。
- 上位目標の徹底は?
【答弁要旨(総務部長)】上位目標の徹底については、毎年、評価基準や評価手法についての理解を深めることを目的に職員研修を実施おり、研修の更なる充実を図るとともに、評価作業において職場内でのコミュニケーションを一層深める取り組みを推進するよう周知に努めてまいりたい。特に部下と上司を含む集団的議論が重要であると認識している。そういう形で目標を共有することが重要だと考えている。
- 「評価に時間がかかる」、「評価の仕組みや内容について理解するのが難しい」ことの原因と改善計画は?
【答弁要旨(総務部長)】職員・市民からの意見については、ホームページなどで公表している評価シートの記載事項が量的に多いことなどが原因として考えられることから、評価レベルを落とすことなく、これまで以上に工夫する予知を探し、他都市の事例を研究する中で、可能な限り簡素で効果的なシステムとなるよう検討を進めてまいりたい。
- 目標管理制度について
- この仕組みの評価については?
【答弁要旨(総務部長)】本市における目標管理制度は、組織の目標を職員間で共有し、それぞれの職制に応じた職員個人の役割や、目標に向けた具体的な取り組み方法を明確にすることで、業務の進捗管理や人材育成、更には組織の活性化に?げていくことを大きなねらいとしている。
また本市の特徴として、自主性を重視したな目標設定、プロセス重視の評価をすることにより、困難な課題に果敢に挑戦する組織風土と職員意識の高揚を目指したマネージメント手法を考えて取り入れている。
目標管理制度を効果的に進めていくためにも、進捗状況や方向性の確認など、部下への意図的、日常的な働きかけが重要であり、部下育成面談研修などを通じてコミュニケーション能力の向上に努めてきた。
- 今後の活用は?
【答弁要旨(総務部長)】考課者訓練や苦情処理システムの検討など条件整備を進めながら、来年度から部課長級職員の勤勉手当に、業績効果の結果を反映していきたいと考えている。
- 目標の設定においてチャレンジ精神を高揚するための配慮は?
【答弁要旨(総務部長)】雑誌や講演等によれば、目標管理制度を先進的に導入した企業等においては、結果だけを重視するあまりモラールダウンを招くなど、制度上の課題に対応するため、プロセス重視の評価手法へと流れが加速している。
本市においも、職員の能力を最大限に引き出し、モチベーションを向上させるため、目標設定を行う際、設定された目標がよりチャレンジングな内容になっているかどうかなど、上司との面談等の場を通した達成水準のすり合わせや、目標達成過程における努力度も加味した評価を行っている。こうした評価手法を導入することが、職員の納得性を高め、チャレンジ精神の高揚にも繋がっていくものと認識している。
- 成果主義の指標としてはより客観的な行政評価の方がいいのでは?
【答弁要旨(総務部長)】業績評価については組織の評価と考えている。処遇への反映に際しては、職員個々の職務活動により着目した目標管理制度を活用していきたいと考えているが、今後、引き続き勉強しまいりたい。
2.平和・交流・共生の都市宣言における共生実現の課題
- 市営住宅における社会ルールや生活ルールの理解促進の課題について
- 市営住宅管理者としての、共生のためのルール指導の実施状況は?
【答弁要旨(建設部長)】外国籍入居者への共生のルールの理解促進については、市営住宅への入居時に行なう入居説明会において、住宅課の嘱託職員であるポルトガル語通訳を介し、入居手続きを初めとして、団地で生活をする上でのマナー等の共生ルールをポルトガル語の資料をもとに説明を行い、理解してもらうよう努めている。
また、入居後のゴミ出し、違法駐車等の共生のルールに反する行為に対しては、月1回の夜間訪問及びポルトガル語の警告文を発送するなどして、その都度に個別に指導を行っている。
本年度は柳原住宅の外国籍全入居者を対象に日本での生活のルールについて説明会を開催し、市営住宅での外国籍入居者を含む全市営住宅入居者が生活しやすい環境を保つことができるよう努めている。
- ルール無視が放置されないための対策は?
【答弁要旨(建設部長)】市営住宅の生活ルールを無視する入居者に対しては、そのような事例があった場合は速やかに文書による警告又は訪問等による指導を行っている。問題が発生した都度に、繰返し速やかに対処するようにしている。
- 共生に向け、抱負を含めて今後の取り組みは?
【答弁要旨(建設部長)】平成17年度から日本での生活をサポートするために実施している外国籍入居者を対象として行う説明会を本年度は柳原住宅で8回程度開催する。
なお、本年度の説明会においては、住宅管理人及び自治会役員などの参加を求め、市営住宅における日本人と外国人の生活の面における問題について意見交換を行うとともに、外国籍入居者から市営住宅で生活していく中で気付いた事柄の意見を聞き、管理運営の参考としていきたいと考えている。
今後も、このような取り組みの中から市営住宅の日本人と外国人の共生が進展するよう引続き取り組んでいきたい。
- 外国籍市民も希望を持てる共生の社会づくりについて
- 外国人子弟の小中学校における不就学の状況の現状と傾向、市の認識は?
【答弁要旨(教育長)】不就学の子どもの現状については、市民課でとらえる学齢期の外国人登録者数から、公立小中学校とブラジル人学校の就学者数を引いた数で算出すると、数字の上では、200人から300人となるが、就学義務がないことから正確な数は把握できないというのが現状。
傾向としては、全国的に見ても、外国人の登録者数が増えるにつれ、不就学の児童生徒も増える傾向にあるので、本市でも年々不就学の子どもが増加しているのではないかと危惧している。
子どもが不就学になる原因は、言葉の問題から来る情報不足や不安感、親の就労期間の不確実さなどとともに、親の教育への関心の低さなど、親の意識にかかわるところが多く、親の都合で将来のある子どもを犠牲にしているような現状は、なんとしても改善をはからなければならないと考えている。
- 保護者の教育意識をどのように改善していくのか?
【答弁要旨(教育長)】不就学を生み出す原因ともなっている保護者の教育意識を変えるために、就学年齢に達した子どもを持つ全世帯に母国語による就学案内を配布したり、年度途中で編入を希望する保護者に対しては、子どもの教育を大切にすることを記したチラシを窓口で配布したりするようにしている。また、不就学の子どもに関する情報が寄せられた時には、教育相談員が出向いて就学を進めることも行っている。このような努力にも関わらず、不就学の解消の歩みは大きく進んではいない。
今後、子どもたちに、日本での将来に夢や希望を持てる環境整備に合わせ、保護者の教育への関心を高めるために、各課や関係機関と連携するとともに、受け入れの企業にも働き掛け、一体となって不就学の解消に取り組むことが大切であると考えている。
- 外国人の教員への採用の可能性は?
【答弁要旨(教育長)】教員の採用に関しては、現在も日本国籍を持たない外国人の教員採用に関して既に門戸は開かれている。ただ、法的な問題があり、「日本国籍を有しない者は、任用の期限を付さない常勤講師に任用する」となっているが、その勤務条件等においては正規教員となんら変わるところはない。本年度、県当局には教員の採用試験における外国籍の子どもの指導に熱意のある方を特別枠として採用することが実現された。県も外国人児童生徒の指導に対して目を開いておってくれるので、今後は南米系の国籍を持つ方の教員採用についても、強く県当局へ声を届けて参りたい。
一方、本市においては、学校での子どもたちの学習支援のために採用した教育相談員の中に、10年前にブラジルから両親に伴って来日し、豊橋での教育を受けて社会人となり、現在、在日する後輩の指導に当たっている方々がいる。
こうした例を次々と実現させていくことで、外国の子どもたちに、将来の大きな夢をもたせることにつながるものと考える。
- 外国人が正規職員になれるかという可能性は?
【答弁要旨(総務部長)】本市における外国籍の職員採用に関しては、採用後において、専決権のある課長以上の職及び基本計画の策定など「公の意思形成への参画」や、法令に基づく許認可事務など「公権力の行使」に該当する業務への制限を有すが、平成11年度から受験資格における国籍用件は撤廃している。
なお、従来から国籍条項を設けていない、医師や看護師など医療職種においては、今までに12名の日本国籍以外の者を正規職員として採用しており、また、今年度実施した、自己推薦枠の一般職採用試験において、外国籍の方の受験申し込みがあった。
今後も、在日外国人との共生のまちづくりの実現など、ますます多種多様化する行政ニーズに的確に対応していくためにも、幅広く優秀な人材の確保に努めてまいりたい。
- ポルトガル語が堪能であることなどについて、市役所職員の採用試験において、なんらかのインセンティブを付与する考えは?
【答弁要旨(教育長)】現在、本市が実施している採用試験については、一般採用試験のほかに、学科試験を課さない代わりに能力、経験など誰にも負けないものをアピールする自己推薦枠や、民間企業等で培ったノウハウを求める職務経験者枠の採用試験を行うなど、幅広い人材の確保に努めている。
特に自己推薦枠においては、国際貢献の経験者や語学力に優れた人材等の確保を強く意図しており、現に国連英検取得者などを採用している。
一方で非常勤ではあるが、ポルトガル語に対応可能な外国籍の嘱託職員を任用するなど、共生の時代に相応しい多様な人材の活用により、市民サービスの向上に努めている。
3.まとめ[要旨]
- 行政評価について
- 上位目標の徹底の重要性を再確認して積極的に進めていただくことを期待。
- 「評価に時間がかかる」「評価を理解するのが難しい」ということについては、改善を期待。
- 目標管理制度について
- 目標達成過程における努力度も加味した評価などに取り組んでいくことを確認。
- オープンでフェアな制度とするために、目標の内容、評価結果、評価の反映の仕方などを、職員の中でできるだけ公開して行くことが大切であることを強調。
- 行財政マネージメントシステムについて
- 第4次豊橋市総合計画の推進に向け、行政評価でベクトルの方向を揃え、目標管理制度でベクトルを最大化することを期待。
- 社会ルールや生活ルールの理解促進について
- 頻繁に市営住宅に足を運び現実をしっかり把握して、さらに積極的な策を講じることを期待。
- 外国人子弟の不就学増加について
- 外国籍の子ども達が夢と希望を持って日本で過ごせるように、積極的な取り組みを期待。
- 外国人との共生について
- (都市宣言の精神にのっとり)共生のための多くの施策が具体化するよう、早川市長が積極的な姿勢を示していただくことを期待。
以上
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